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マハロ船長の航海日誌2

疫病退散を目的としたお祭りについて

コロナ禍の中、アマビエという妖怪が脚光を浴びましたね。アマビエは、1846年5月に現在の熊本県にあたる肥後国海上に出現したとされる妖怪で、海中から光を輝かせるなどの現象を起こし、豊作や疫病などに関する予言をしたと伝えられていて、アマビエの姿を書き写して人々に見せると難を逃れるという言い伝えがあるということでした。

『肥後国海中の怪(アマビエの図)』(京都大学附属図書館所蔵)
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00000122/explanation/amabie

アマビエに限らず日本には、疫病退散を目的としたお祭りが各地にあるそうです。

不衛生で疫病が流行しやすかった夏に行われる夏祭りはそうした目的が多いそうで、代表的なものが京都の「祇園祭」、大阪の「天神祭」。京都と交易が深かった都市も、同じように疫病に苦しめられたことから、祇園祭をまねて、独自の祭りを作り上げていったとのことです。

獅子舞は、インドが起源と言われてますが、日本では16世紀頃に疫病や飢饉から人々を守るために行われたのがはじまりとされているようです。

横浜市金沢区の富岡八幡宮の無病息災を祈る伝統神事「祇園舟」は今年は行われるのでしょうか?
青茅で作られた長さ70センチ、幅50センチの茅舟は八幡宮の大祭式でおはらいを受けた後、2隻の木造船で沖まで運ばれ、海に流されます。茅舟に託した災厄からいち早く逃げるため、2隻が全速力で岸まで競漕するのだそうです。


似たような風習としてこんなものもありました。
三重県新宮市出身の佐藤春夫の小説「山妖海異」にはこんな記述があります。(実際に読んでないので、正確には”あるそうです”ですね。)
>カンカラコボシ(河原)というのはカッパをいう方言
>そもそもカンカラコボシは疫病神(やくびょうがみ)の生まれ変わりなのである。疫病(えきびょう)やみが出ると、土地ではヤンゴロ(怨霊)船を仕立て、竹法螺(たけほら)を吹いて町内を歩き回る。竹法螺を聞いた住民たちは手に手に疫病神を家から追放する。疫病神は行方がなくなってヤンゴロ船へ逃げ込む。だからはじめは軽かったヤンゴロ船も、町中を歩くうちに刻々に逃げ込んだ疫病神のために、刻々に重くなりゆき、もはや船一杯になったと思われるところでこれを海岸に持って来て流す。
富岡八幡の祇園舟との共通点もあります。
ヤンゴロ船はそんなに大きなものではなく手に持てるくらいの大きさですが、手に捧げ持つので、だんだん重くなってくるのは当然ですね。
住民は線香を焚いて疫病神を燻し出すのだそうです。各家を回るところは獅子舞とも共通点があります。
ヤンゴロ船の風習は「迷信だ。」ということでだんだん廃れてしまったようです。あるいは、疫病が昔ほど頻繁に流行することがなくなったせいもあるかもしれません。

密集を避けるためとはいえ、今年もこうした行事が中止・縮小されるケースは多いかもしれませんが、新型コロナウイルスが流行している今だからこそ必要とも言えるかもしれません。

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コメント一覧

マハロパパ
行燈入道さん
じゃもかも祭り、知りませんでした!
私などは、もっぱら神社で手を合わすときは、子供の頃は『お小遣いが上がりますように。』で、青春時代には『恋愛成就』で、会社に入ってからは『商売繁盛』ばかりで無病息災は低順位でした(反省!)・・・これからは真剣に疫病退散を祈ります!
マハロパパ
ちょっと太めのジイサン様
私もアマビエのことはまったく知りませんでした。
日本は「忘れ易い」というおめでたい性格の国民性ですが、津波にしても疫病にしても、過去に学んでないのは、おめでたいにも程がある!と思います。
映画は、娯楽性も取り混ぜながら、教訓を伝えてくれる良い教材になりますね。
行燈入道
疫病退散や無病息災、いつの時代にも変わらぬ
人々の願いなんですね。私の住む街にも 無病息災
や子供達の健やかな成長を願う古い祭りがあります。
「蛇も蚊も(じゃもかも)」というお祭りなんですが、
カヤで作った全長20メートルの大蛇を担いで地区を練り
歩き悪疫払いをするんです。子供の頃は私も毎年、大蛇
を担いでましたが、最近では滅多に参加しなくなりました。
大蛇越しに見あげた青空が、子供心に新鮮だったのを覚えて
おります。今は市の無形文化財になってます。
ちょっと太めのジイサン
昨日は午前中まで雨続きで、仕方なくDVDを見ておりました。

感染症のパニックムービー、コンチジェンですが、これがいい出来でCDC(感染症センター)を舞台に多少の恋愛を混ぜながら、パンデミックでの市民生活の変化をうまく描いてました。
予行演習を見ているようでびっくりです。

アマビエは、全く知りませんでしたねえ。。。
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