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マハロ船長の航海日誌2

「リフレインが叫んでいる」考

松任谷由実の「リフレインが叫んでる」は、1988年に発売されたアルバム収録曲です。
あまりに悲しい歌詞で、私自身はそれほど気に入っている曲とは言い切れないのですが、CMソングやドラマ主題歌として起用されたことで知名度は高く、有線チャートで一位を獲得したこともあるということで、まちがいなくユーミンの代表曲のひとつでしょう。

歌詞の内容は、恋人たちの亡霊が、お互いの姿を求めて叫びながら彷徨い歩いている姿を抉り取った歌ということで、主人公は、別れてしまった男と女の亡霊。寂しさと後悔の念を抱えて、二人の最後の場所になった夕陽が見える海岸に吸い寄せれられるように姿を現した・・・ということらしいです。(私は、別れの歌であること以上の理解はしていなかったのですが、どうもそういうことのようです。)

で、その海岸のモデルとなった所はどこか?ということなんですが横須賀市秋谷の立石公園の駐車場ではないかと言われています。
確かに、歌詞にある「最後の春に見た夕陽はうろこ雲照らしながらボンネットに消えてった」ということですから、ボンネットに夕陽が反射するような角度で駐車できる海一望の駐車場は立石公園の駐車場が思いつきます。

もっとも「ひき返してみるわ ひとつ前のカーブまで いつか海に降りたあの駐車場にあなたがいたようでというフレーズは、葉山の長者が崎みたいな気もします。

まあ、ユーミンは「海を見ていた午後」で、「山手のドルフィンは静かなレストラン晴れた午後には遠く三浦岬もみえる」という歌詞を作っていて、あのレス
トランから見えるのは三浦半島では絶対なく、房総半島(木更津あたり?)ですから、彼女の歌で場所を特定しようとすること自体がそもそも無意味なのかもしれません。

まあ、でも、私としては地元の立石公園説を採用したいと思います。
いやいや、地元だからという訳じゃなくて、別れた男と女の亡霊が主人公の歌としては、どこまでも明るい葉山の長者が崎よりも、立石公園&秋谷海岸のちょっとだけ憂いを感じる場所がマッチしている気がするのです。

それというのも、秋谷には、もうひとつの亡霊物語があるからなのです。

それは・・・・・

泉 鏡花は、明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家で、『高野聖』等の江戸文芸の影響を深く受けた怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られているのですが、この秋谷を舞台にした、母を忘れられない青年、旅をしている法師、青年の幼馴染の幽霊、屋敷に居着いている悪魔、が繰り広げる怪奇小説である「草迷宮」を書いていて、立石公園にはその「草迷宮」の碑があります。

ユーミンがこの草迷宮の物語を知っていたかどうかは分かりませんが、泉鏡花と松任谷由実というふたりの芸術家が秋谷の地について何か同じ感覚を持っていたんじゃないかな?・・・・・と私は思っています。(別に賛成してくれなくてもいいです。)


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コメント一覧

マハロパパ
tomoさん
その場に流れる「気」なんでしょうね。
私にはそれを感じる感性はないですが、それに敏感な人は確かにいるようです。
例えば、小説家のよしもとばななさんは、そういう小説を何編も書いてますね。なんか見えちゃうらしいです。ハワイで一緒になったツアーガイドさんは、よしもとばななさんに「あなたの助手席にラッキーレディがついてる。」と言われたそうです。もちろん助手席は空席なのに!
私は・・・鈍感で良かった!と思ってます。
マハロパパ
ちょっと太めのジイサン様

ブレッドアンドバターは、ヨット乗りでもあるんですよね。
もっと活躍してほしかったですが、大ヒットと言える曲がないのが残念。今はもうすっかりおじいさんの風格ですね。
マハロパパ
行燈入道さん

鬼滅の刃に迫らせているとはいえ、歴代興行収入トップの千と千尋の神隠しの舞台も、複数の場所が、モデルだと言われているのですが、宮崎駿に言わせると、特定の場所はないそうです。それがクリエーターとしての意地なんでしょう。
tomo
歌の内容で悲しいものって、恋人たちの別れだったり、人の死について表現されたものが思い浮かびますが、恋人たちの亡霊というのはなかなか衝撃的ですね。
神奈川県の海岸って、行ったことがないのでイメージが湧かないのですが、葉山で恋人たちの亡霊が彷徨うイメージが湧かないですねぇ。
だからって横須賀がそのイメージなのかと問われると、そうでもないのですが。。。
ちょっと太めのジイサン
ユーミンたちは茅ケ崎あたりで音楽仲間と青春を過ごしていたのですよね。

うちの海遊人マリーナが設立間もないバブル時代、親会社がまだ健在でした。
そんな頃、ユーミンの弟分の”ブレッドアンドバター”を招聘してコンサートをやりました。

よくこんな田舎に来てくれたものだと思いましたが、根っから海が好きでクラブハウスでも鼻歌うたってましたよ。
行燈入道
よく知っている曲ですが、幽霊が主人公だとは知りません
でした。リフレインとは「詩や歌の最後に、同じ言葉やメロディー
を繰り返すこと」だそうです。つまりずっとサビやリフ繰り返し
フェードアウトしていく手法だと思います。この幽霊も寂しさと
後悔に苛まれながら、落日の中でフェードアウトしていったので
しょうか?文豪泉鏡花の小説「高野聖」に出て来る「天生峠(あもうとうげ)」ですが、小説に記されている飛騨と信州の国境には無く、実際は
岐阜県白川郷あたりだそうです。作者の頭の中にある世界観が描き出す
舞台は、事実と異なる事があっても逆に作品の素晴らしさに、磨きが
かかる事があるみたいですね。私も神奈川県民として山手のドルフィン
から見える景色は、三浦半島であってほしいしこの歌の舞台もこちらの
海岸であってほしいと願います。
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