Caroの住人たち~Caroどうぶつ病院のスタッフブログ~

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猫の口内炎

2010年07月06日 22時04分42秒 | 病気のお話
先日、またまたセミナーに行ってきました。

今回は、猫の歯周病と目の感染症に関してのセミナーでした。


猫の歯周病は、ここ数年、すごーく増えているような気がします。
昔は、エイズや白血病などの免疫力が低下する感染症が多かったので、免疫力の低下からよく口内炎にかかる猫ちゃんをみることが多かったですね。

でも最近は、家の中だけで飼われる猫の間で口内炎の発生が多くなった気がします。
特に2歳位の若い子での発生も増えています。


先日のセミナーでは口内炎になる原因がなにか?についてのお話がありました。

口内炎の原因は本当にたくさんありますが、その一つ一つの原因を無くしていくことが大切だという話でした。

その中でも、最近はカリシウイルスが大きな原因になっているという事がわかってきました。

カリシウイルスの病原性を弱くするためには、その子自身のウイルスに対するしっかりとした抗体の存在が不可欠です。
つまり、しっかりとしたワクチン接種が重要!!!ということでした。(さすが、ワクチン会社主催のセミナー…)でも、実際、やはり予防できるものに関してはしっかりと行う方が歯肉炎になる可能性が低くなりますので、その方が良いと思います。

室内で飼われる猫ちゃんが増え、交通事故やエイズなどの怖い伝染病にかかる可能性が低くなったのは、本当に良いことですが、反面、室内での心理的なストレスなども多くなっているのも、実は口内炎の発生や鼻気管炎ウイルス(ヘルペスウイルス)の再発症に強く関っているといわれております。


また、今も昔も変わりませんが、歯垢や歯石も歯肉炎の要因になりますので、普段から衛生的に保つことも重要ですね。ついてしまったものに関しては物理的に取るしかありませんが、予防として、歯の表面に細菌の塊が付きにくくするような天然酵素(ラクトフェリンなど)が入っているジェルもありますので、試してみたい方は相談してくださいね。

内科的な治療を色々試してもどうしても効果がいまいちで特に本人の食欲が全くなくなるような猫ちゃんの場合は、可哀想ですが、副作用のあるステロイド治療でしのぐか、外科的に抜歯する(ほとんどすべての歯を取った場合、予後がかなり改善される確率が上がるそうです)しかない…というのが現状です。

ただし、猫科の動物の歯は主に獲物を「噛む、引き裂く」だけにしか使っていません。人間の歯のように食べ物を磨り潰す必要がなく、ほとんど丸のみで食事をするため、狩りをする必要がなくなってしまった現代の猫ちゃんには、歯はあまり必要ではないのです(もちろんあった方がよいですよね)。


人間の場合、歯がなくなってしまうと、アゴの骨が4分の1位の薄さになってしまい、アゴ自体の形が変形するようです。しかし、猫ちゃんの場合、アゴの厚さは人ほどの変化がなく、アゴの形そのものや口の動きは今までどうりであるとの報告があるそうです。


本人のクオリティー・オヴ・ライフ(生活の質)は抜歯によって改善する可能性が高まるようです。


とはいえども、実際、そのような話をしてもなかなか受け入れられない飼い主さんも多いのは現状ですし、こちらもわかってはいても、少しでも歯を残してあげたい…という気持ちはやはりあるので、少しずつ抜歯する方法をとることが多いですね。