転 覧 記

ほぼ展覧会レポ。たまに読書記録。

「諸国畸人伝」 @板橋区立美術館

2010年10月07日 23時17分49秒 | 展覧会
かなり初期に行ったのですが、気がつけばもう会期末・・・

小規模ですが面白い展覧会でした。
安村館長の個人的な趣味爆発って感じですけど

以下、感想です。


◆菅井梅関
二幅の「虎図」が良かったです。
自分は御物の応挙「群獣図屏風」や北斎の「月見る虎」「雪中虎」が好きなのですが
それらに勝るとも劣らないと思います。

解説にもありましたが、仙台市博物館所蔵の虎図の獰猛さは他では見られないし
瑞厳寺のそれは北斎の「月見る」よりもメランコリックかもしれません。

◆林十江



 この画像は十江の「鰻図」
 どこかで見たことあるなあと思ったのですが
 去年、東博の常設で展示されてた際に写真を撮ってました。
 ナイス俺。
 (画像クリックで拡大します)


画面上方のモヤは、安村さんの解釈だと鰻が巻きあげた泥だそうですけど
自分としては、水面の波紋か、水中に青々と繁茂する藻に見えるなあ。

指の腹で書いたという「龍図」は、
描線一本一本に眼を引っ掻かれているような気分にさせられます。

「白桃図」は桃の木の枝が画面いっぱいに伸びあがる構図が大胆。
床の間に掛けて、座りながら画面の上のほうに見切れている枝の先をずっと見上げていたい、
そんな絵です。

◆佐竹蓬平

何故だか飯田市美の蓬平展の図録だけ持ってますw

なのでちょっと期待していたのですが、見たい絵が来てなかったので少し残念。
「神農図」「黒菊図」「雪中山居図」あたりが見たかったなあ。


◆加藤信清

経文の字句で仏画を描いた人、だそうです。
単眼鏡で見ても読み取れないほど細かな字で書かれており
しかも輪郭だけでなく彩色された面もびっしりと字で埋め尽くされています。

凄いというより、その執念が正直怖い。


◆絵金

とにかくペンキ絵みたいにビビッドで、
今回の会場のなかでも絵金の絵が並ぶ一画だけ雰囲気が違ってました。

去年、画集が出たのですが、陰惨な雰囲気を演出するためか
全画像ともホワイトバランスいじりまくりなのが残念。

アレはアレでいいところもあると思いますが、
今回は実物の色を見れて良かったです。

祭りで灯篭に照らされているところの映像なんかもあると嬉しかった…というのは贅沢でしょうか。
でもやっぱり見たかった。

眼の表現がマンガ的で面白い。
ただ派手なだけでなく、配色もかなり理知的に計算されてると思いました。



眠いので続きは次回にします・・・


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