ここのところ、「スティリアの女」が膠着状態です。特に動画を見ると、いい加減な弾き方が目に余りますが、どう足掻いてもうまく弾けません。
しかしながら、よく考えてみると、それは良くも悪くもこの時点での自分の実力であり、作品とも言えます。それに、演奏会ではなく発表会なのですから、このままをさらけ出して次に進めばよいのではないのかな、と思うのです。
そう思うと、幾分気が楽になります。
ピアノ忌避症候群になったのは、こういうことを発見するためだったのではないかと、ここにきて気が付きました。
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さて、世間では三連休最後の休日の昨日、ピアノ教室で発表会の通し稽古が行われました。いわゆる予行練習です。
発表会出演者が2回、本番にならって順番に弾いて流れを確認しました。参加者は小学生までの5、6人。高齢者はあ゜っと驚く私だけ!
聴いていると、子供たちは皆、素直に弾きます。そして、ほとんどミスをしません。曲がシンプルだということの他に変に考えないからということもあるのでしょう。私のような大人は過剰に心配したり、変な色気を出したりしがちです。子供は本当に無心ですね。
その変な大人は「スティリアの女」を2回弾いたわけですが、本領を発揮して(笑)それぞれ、3、4回間違えました。ピアノを人前で弾くのは初めてだし、周りの子供たちに聞かれていると思うだけで緊張してしまいました。
しかし、イントロを弾きはじめると、スッとスティリアの世界に入っていけたようで、巧拙を抜きにすれば、よい練習になったと思います。
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さてさて。家に帰って復習していると、何やら鍵盤が汚れています。ホコリかと思いましたが、よく見たら血のようです。パックン割れした指に血が滲んでいました。
ゲッ、血染めの鍵盤!疲労で痛む指が治ったと思ったら、今度は別の指のひび割れによる流血事件。いやはや、トラブルが続きます。即刻、練習を中止し、クリーナーで拭きとりました。
そして、発表会デビュー成功祈念祭と称して、明るいうちからビールを飲みはじめたのでした。やはり、大人は不純なのでありました。(笑)。∎
現在、ピアノの半分くらいの時間をチェロに割いています。ピアノの合間に練習すると、チェロは歌う楽器ということを再認識させられます。
チェロ協奏曲の第2楽章にも転用されているドヴォルザークの「四つの歌」(作品82)から「私にかまわないで(Laßt mich allein)」。宮田大さんの演奏は実に繊細です。
アントニン・ドヴォルザーク:私にかまわないで 〜4つの歌曲 作品82...