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ネジバナのおわりのとき

2024年07月01日 | ぼくの博物誌
ネジバナは咲いた時と同様、ある日突然消えていきます。むろん、急に雲散霧消してしまうわけではなく、花が枯れて目立たなくなるのと、いつも注視しているわけではないのでそう思えるのですが、当たり年の今年はより劇的で一層その感を強くします。

咲いては散り、散っては咲く花を見ていると諸行無常、生生流転などという言葉が頭に浮かびますが、当のネジバナたちはそんなことにはまったく気にするはずもなく、各々がすでに高みの極みまで昇ってしまっているのだと思います。



ところ狭しと咲いていた一画も寂しくなり、力尽きて折れた個体も目立ってきました。ネジバナに終わりの時が迫っています。


そんな時でも、まだきれいに花を付けている個体もあります。見返り美人の最後の艶姿でしょうか。


寄り添うように咲いていた2本はお互いを思いやるように枯れていました。雨がやさしく包みます。


かつてネジバナで賑わっていた場所もひっそりとしています。アゼリアの白い花が散り、静かにネジバナたちを見送ります。


あっという間に咲き、いつの間にか枯れてしまった印象の今シーズンのネジバナ。そう思うのは出かける機会が少なかったからです。もっと多くの個体に出会いたかったし、いろいろな工夫をして撮影をしたかったと思います。
未練が残りますが、今回で今年のネジバナはひとまず終了です。今シーズンのまとめなどについては別の機会に掲載したいと思っています。

撮影
2024年6月29、30日、千葉県北西部.
Nikon D5600 / AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G, TAMRON SP AF60mm F/2 Di II



この時期のネジバナにはどんな曲が似合うだろうと考えたのですが、結局、そんなことは花たちには無関係で無意味なことだと思い直しました。
ということで、勝手に、スクリャービンの「24の前奏曲」(作品11)から第11番、ロ長調を選んでみました。

Scriabin 24 Preludes Op.11 - No.11 in B major Igor Gryshyn


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