大広間はある特別な学校の施設の一部、そして彼らは教師と生徒という関係で、潤羽るしあは子どもたちの中に独りだった。
「…………では始めます。…潤羽さん、前へ」
「は、はい」
名前を呼ばれて子どもたちの集団から離れるように歩き出す。緊張しているのか、冷や汗が滲み出てくる。
既定の場所まで進むと、次の指示が下される。
「さっそく霊魂の召喚を実践してください。目の前の死体が器になります」
「……はい」
暗い大広間には、教師と生徒以外に数体の死体が綺麗に並べられていた。彼らはもちろん死体だと認知しているが、ほとんどの者は怯えることなく平然とした顔をしている。
1st fes. 湊あくあ コスプレ衣装
状態の良い死体を前にして、目を瞑り精神を集中させる。るしあは何やら異質な呪文を口にして、死体に向けて両手を翳して…
「………………あ……………ああ゛っあ…………」
喋ることのない死体が呻く。動くことのない死体がのたうつ。るしあはその光景を見届けると、翳した手を下ろして深く息を吐く。安心して、肩の力が抜ける。
「さすがですね。…潤羽さんは優秀なネクロマンサーになれるでしょう」
ペンで書類に記録を書き込みながら、先生はそう言ってくる。少しの期待と喜びが込められた声色に嬉しくなってしまう。
「あ…ありがとうございます!」
「……では次の方。えーと……」
次の順番が回ってきた子どもがと同じことをしているのを横目に、るしあは先ほどの死体を眺めていた。軽く落ち着いてきたが、まだ蠢いては小さく喚いて……苦しそうに見えた。
「あ…あの、初めまして。えっと、潤羽るしあなのです」
『……ぅ……ここは……?」
1st fes. 白上フブキ コス衣装
「あなたは冥界から現世に召喚されたのです。そして呼び寄せたのはるしあなのです。その…ごめんなさい」
P樋口円香 ユニット衣装「いつぶりですか?」
女「会ったのは私の卒業式ぶり。私は最近あなたを見つけたけど」
P「……全然気づかなかったです」
女「だと思った。あなた、円香ちゃんのことをあんまり熱心にほめるものだから」
P「ってことは……」
女「ああ、違うのよ?私はただ花を届けに行っただけ」
彼女は今、花屋で働いているらしい。
なるほど、彼女にぴったりだ。
花屋も見つけてもらえて光栄というものだ。
女「ああ、いいな。って思ったの」
P「……」浅倉透 ユニット衣装
女「また、私もあんな風にって。もう一度会えたらまたほめてくれるかなって」
P「それは」
女「でも彼女に会ったとき、やっぱりそれだけじゃ嫌だなって。欲張っちゃった」
P「それでこんなことを」
少ししわがついたメモを取り出す。
彼女には見せられないな、と見えない位置でしまいなおす。
女「……私、ずるいね」
P「別に気に留めるほどでも」
女「またそんなこと言って」
P「こればっかりは、惚れた弱みですよ」
その言葉は、彼女にとって毒か、飴か。福丸小糸 ユニット衣装
顔を見てもわからなかったので、俺は考えないことにした。
今更取り繕うような真似は、彼女にも失礼だ。