にきらめいた笑顔と、勢いよく飛び出した色とりどりのクラッカーに――わたし、近江彼方は、
「みんな……ありがと~。彼方ちゃんは幸せ者だよ」
目をいつも以上に「ふにゃっ」と下げて、お礼を返す。
急に冬の寒さが厳しくなってきた、十二月の半ば。
――今日、十六日は、彼方ちゃんの誕生日なのでした。
正直、自分では今朝まで忘れていたのだけれど。普通に早起きして、遥ちゃんとの朝ごはんを作っていたら――お姉ちゃんおめでとう、って、遥ちゃんが普段とは違う朝のあいさつで起きてきて。両手に、おっきな紫色のプレゼントボックスを抱きかかえていて。
そこでやっと、今日が自分のお誕生日だ、ってことに気付いたんだ。
「そのプレゼントが、いま彼方の持ってる新しい枕なのね」
「そうなの~。嬉しくて、つい学校にも持ってきちゃった」Aqours5周年 小原鞠莉 コス衣装
遥ちゃんには、夜はケーキも買ってくるから、とも言われちゃったし。
だから、いつも朝から感じていた眠気はどこへやら。るんるん気分で学校に来て、やる気まんまんで授業も受けられて。
それで放課後、部活も頑張るぞー、なんて、エマちゃん果林ちゃんと部室に来たら、
「まさか、みんなからもお祝いされちゃうなんて」
「当然ですっ! 私の時もお祝いしてくれましたし、スクールアイドル同好会全員のお誕生日は、やっぱり一緒にお祝いしたかったんですっ!」Aqours5周年 桜内梨子 コス衣装