とってもいいことがありました!
今回は長~いツーレポになってしまいました。
秋の夜長、芋焼酎のお湯割でも片手に茹で栗でもつまみながら読んでいただければ幸いでございます。
書き手のオイラもすでに「奥の松金紋」を半升やっつけております。
やっぱ身体にあってるのが二本松の酒だなあ。
安くて旨くて酔いが回るのが早い。
@@@@
prologue
2009年10月4日午前零時。
今宵は中秋の名月である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/d1/57c64db1a70c03e8ab8978583bdead70.jpg)
白い帯状の雲がまるでススキのようにお月様とコラボってて美しい名月。
3日は朝から虹も見れたし、開店後にラジオを点けたらいきなり大好きなジャニスイアン。
日中もとてもよいお天気で、これはなにかいいことありそうだなあとワクワクしていたのだ。
Xdayは今日しかない。
ナイトランには絶好の月夜。
kojiさんを真似して
moon light runと洒落込んだ。
以前MTBで満月ランしたことがあるが、夜は車が少なくて意外とキモチよく走れる。
土曜も仕事だといいつつもジッサイのトコロは閑古鳥が軋るように囀り、ピサの斜塔のように右肩下がりの店なので暇なのである。
それをいいことに、ウキウキランラン(死語)しながら、よわい四十五のボクはとあるケイガクを遂行すべく準備をしていた。
アマゾンでプッチンしたライトは単二×三本タイプのだ。今まで使ってたCR123×三本のと比べると大きさも重さも二倍はある。自転車に装備するにはぎりぎりOKの大きさ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/be/98af8e574c857d09d1570d3d216cf009.jpg)
明るさは、ハンパじゃなく直視したら暫くは目潰しを喰らう。
ローモードでも猫目の単三×4本タイプより明るい。
んで、広角からスポットへと無段で調整できるのがいい。本物のマグライトみたいだ。
かっ飛ばすときはビームに、歩道や荒れた道のときはワイドに、と使いわけられる。
金パナ単二を入れるとハイ6時間、ローだと数倍は保つらしい。
amazon・・・なんだかんだ言っても送料手数料無料ってのは素晴らしいな。このライトも¥3k以下だった。
自分で店をやりくりしているが、技術の入らないものはネットで充分だと思う。
ただ買ったり食ったりするなら安いほうがいいもんね。
逆に言うとネットで出来ないことがオイラの仕事でよかったとも思う。
今回テスト目的も含めもう一個装備したのはトピークのポンプ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/c0/a5722a8dd92305ff2c3da1f6940a9946.jpg)
これもかなりズナクて(大きくて)ロードバイクにゃ不釣合いだが、50回のポンピングで8気圧まで楽に入れることが出来る。
夜中のパンクはそれだけででも気が滅入るのでチューブ交換が少しでも楽に出来るようにとチョイス。
ジッサイにはノーパンクだったので未使用だが。
タイヤはpanaのエンデューロPT
これはマジすごい。サイドを切ろうが鉄片を踏もうがパンクしない。ザクっと表面のゴムが切れめくれてもパンクしないのはさすが国産だ。
それとヘルメットにはヘッドライト。これもジェントス製。¥2k以下だ。
単三一本だが地図やハンドル周りを照らすにはじゅうぶんな明るさ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/3e/8df8e1f6f875e4c3cabfbe8dffb7bb3f.jpg)
反射ベストも着込んだ。
これは某団体からの無料支給品。
さてさてこれほどの大袈裟な装備で出かけた先は・・・
2009年夏に遣り遂げられなかったことを取り戻すためである。
目的地は岩手県一関市
9月に琵琶湖に行ってる間にsuganoさん、NXNさん、I條さんの3人が行って来たあの場所。
そのモヨウはsuganoさんのブログに書いてあるのでご参照あれ。
http://mtblog.exblog.jp/8998175/
高校の同じクラス、しかも出席番号連番のNXNさんのブログも見てくだされ
http://cycle428.blog.shinobi.jp/Entry/108/
I條さんも、予てからブロガーか?とその行動から疑っていたが本当にブログをやってるらしい。
飯を食ってるときにシャメするのはブロガ率100パー鴨。
sugano先輩のブログの中に
「300キロ走った時も勿論疲れたけど、400キロはその比じゃないかも。」
どの比なんだろう・・・
行って確かめてこなけりゃ。
このま悶々とした思いを引きずって冬を迎えてしまうのは、チャーリーケンとしてはなんとも不甲斐ないことと考えていたのだ。
けっこう執着するオイラなのである。
sugano先輩は突飛なことを言う名人である。
まさに切り込み隊長だ。
知り合えて本当によかった。
出会うべくして出会えたともいえる。
昔、ある友人に言われたことがある。
「人と人との出会いは予め最初から出会うように出来ている。生まれる前から決まっていた定め」
言い得て妙だな。
あらためて自転車の神様に感謝だ。
インターネットの神様にも。
今、こうして、オイラのブログを読んでくださってるあなたとオイラは、もしかしたら今夜だけ一夜のつながりかもしれない。
でも
おいらは
大事にしたい。
ここに来たのもなにかの縁。
ごゆるりと堪能あれ。
一期一会です。
@@@
本編
ずいぶん前口上が長くなりました。
3日21時に所要をすべて終了し床に就いたのだが、来週予定してる同窓会の連絡の電話が途切れない。
早く寝たかったのだが結局22時すぎ就寝。
起床は3日23時半。正味1時間の昼寝みたいな睡眠しか取れぬまま4日午前0時ジャストに出発。
ルート1
<object codebase="http://fpdownload.macromedia.com/pub/shockwave/cabs/flash/swflash.cab#version=8,0,22,0" width="320" height="240"><param name="movie" value="http://route.alpslab.jp/fslide.swf" /><param name="flashvars" value="routeid=0e579aebdc6ac14c2f836641a83705c1" /><embed src="http://route.alpslab.jp/fslide.swf" width="320" height="240" type="application/x-shockwave-flash" flashvars="routeid=0e579aebdc6ac14c2f836641a83705c1" /></object>
多賀城まで100km。
自宅~飯坂~伊達~保原~梁川と国道349号線を進む。
途中伊達のダイシャリン前を通ってみるが、サポートカーは待機していなかった。
当たり前だけど。。。
県境の兜、丸森、角田と349号線で進む。
新規投入したライトの効果は絶大。予備の猫目との相性もいい。
天辺からの月明かりは素晴らしい明るさ。
対向車が来ない場面では前照灯要らずだったので節電できた。
白幡橋を渡り一旦国道4号線に出る。
深夜の4号線は馬鹿でかいトラックやトレーラーが3桁に近いスピードで飛ぶように駆け抜ける。
その脇をオイラは時速25kmですり抜ける。
歩道、車道、歩道、車道と縫い繋ぎ進む。
猫目のリアのフラッシングとヘルメットの後部にくっつけたダイソーの赤玉チカチカも効果があるが、一番の恩恵は反射ベストだろうか。一度もクラクションを鳴らされることもなく安全に走行できた。
岩沼で4号線から右折。県道10号線を北上。こちらは交通量こそ少ないが魚屋系の暴走トラックがいるので注意だ。
仙台空港の下をくぐり夢メッセをかすめ、多賀城の念仏橋。
ここまで100km。
順調な滑り出しだ。足も軽くアベレージは24km/h。
コンビニで夜食?朝食?
午前4時すぎにコンビニのハンバーグ弁当を食った。
ぺったんこ座りしてカップルに後ろ指指されながら。
これもいい思い出か。
ルート2
<object codebase="http://fpdownload.macromedia.com/pub/shockwave/cabs/flash/swflash.cab#version=8,0,22,0" width="320" height="240"><param name="movie" value="http://route.alpslab.jp/fslide.swf" /><param name="flashvars" value="routeid=1249e48ea6e4431e9362b98a6314e2c7" /><embed src="http://route.alpslab.jp/fslide.swf" width="320" height="240" type="application/x-shockwave-flash" flashvars="routeid=1249e48ea6e4431e9362b98a6314e2c7" /></object>
多賀城から塩釜へ。塩釜神社、陸前浜田、そして松島。
高城町、手樽、陸前富山、陸前大塚、東名、野蒜、と仙石線沿いに駅を数える。
6時を過ぎてようやく朝がやってきた。
満月が西に沈み、代わりに太陽が東から生まれる。
神秘的な時間だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/e4/13bdcc10531f7ca520b7a7dcf3579f1c.jpg)
放射冷却で気温は6℃。幸い風がなかったから凍えるほどではないが、起毛のロングジャージを羽織った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/c7/1822ef2538dd6af5eddda47b1e730406.jpg)
鳴瀬大橋付近。川霧が稲刈り前の田んぼを覆いつくす。
霜対策なのだろうか、どこからかきな臭い匂いが鼻をつく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/d6/9b9af8994870ac3bfb5f9355d9b48a17.jpg)
霧の中から生まれたばかりの金色の太陽、神秘的な一瞬だった。
石巻の蛇田駅から北上川を北上。
道の駅上品に着く。
上品・・・じょうぼんと読むのを知ったのは、以前に東北縦断をしたとき。
日本一周のところをご参照くださいまし。
2005年8月15日
http://blog.goo.ne.jp/chariderkenken/e/45c6b806e434234305701e881f0de31b
赤いバイクのホンダくんと知り合ったのもこの道の駅だった。
翌日に仙台沖震災だったけなあ。
その時に泊まった縄文時代風の東屋
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/04/b5a2d06df9d1b5ce65764f64b1227d37.jpg)
http://blog.goo.ne.jp/chariderkenken/e/0117eb5e31294c408285e0b547843234
こんなちっちゃかったけ?
隣のコンビニでおにぎりと5個入り山崎あんぱん(定番っすね)を買い二回目の?朝食。
コーラで流し込む(これもチャリダードリンクっす)
ここまで150km。一ノ関まであと50kmちょいだ。
時刻はまだ7時半。
地図とにらめっこ。
10時には一ノ関駅にたどり着けるだろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/93/cb60ae7824355a5dfcb66b8713676183.jpg)
国道342号線一ノ関街道に乗り換える。
北上川は雄大で美しい。時折集落に入り込んだり川原の土手の上を走ったり。
そよ風が頬をつたう。少しひんやりするが返って心地良い。ウオーマーを脱ぎ半そで姿に。
気持ちがいい道だった・・・往路だけのことで復路ではどんでん返しをくらうことになるのだが・・・
宮城県側はほぼフラットだ。
県境が近づくにつれ徐々にアップ&ダウン。
国道346号と直行する桜錦橋から北上川から離れる。
少し激坂っぽいなと思ったら岩手との県境が現われた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/35/1780aedbbd81c8c90c69e654214fa253.jpg)
問題はそこから先だ。
登ったり下ったり、2回、3回、4回・・・これで終わりかなと思うとまた登りが見える。
トロトロのとろ登りが乳酸を作り出す。
「帰りもここ通るのかあ」
花泉で坂終了かと思いきや、すぐさままた登りがまっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/48/e35bc01a9476a917f581e883fe1417e6.jpg)
福島市で言うならば、西部の大笹生~荒井までの農免道路をきつくしたような道が約20km続く。
地元のサイクリストなら練習コースにするはずなのに何故か一人ともすれ違わなかった。
南岩手カントリークラブからやっと下り。
5kmほどで一ノ関駅へと到着。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/2e/9455de6c2400690d596083b2a1f8eadd.jpg)
時刻は9時55分。かろうじて10時には間に合ったけど、案外余裕ないなあ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/69/75f6f439345f2a9f94a1c6915163caf9.jpg)
ここまで217km。寄り道しすぎたかな?予定より10km多い。
ここまで10時間掛かったということは帰りも10時間だな。
いや、疲れがたまってくるから11時間か12時間掛かるかもしれないな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/76/112b1d7535ee1123d6cb897314fd4c9f.jpg)
一ノ関駅で下りたことがなかったので町並みを少し探検
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/06/09d5907f040eb82d5338abd495f3b0c0.jpg)
中規模の駅と街。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/a1/1829e354e01fb65a8f974564fc1c9471.jpg)
10時半。
復路の開始だ。
さあ行くぞ!
ところが、走り始めてすぐに気づいたことがあった。
逆風なのだ。
今まで無風と思ってきたのは、実は微妙に追い風アシストがあったからだったのだ。
愕然とした。
う~石巻まで65~70km。ずっと逆風だったら嫌だなあ。。。。
こういうときの予想は何故か当たってしまう。
帰りも峠までのアップ&ダウンをやり過ごし、足は売り切れ状態。
途中で12時になったのでスーパーで弁当とコロッケ。
つぶれたパチンコ屋の入り口に腰掛けて本日3回目のご飯を食べる。
疲れを癒すスペシャルドリンク(?)もチューチュー。
そのとき、突風が吹き、立てかけておいた自転車が倒れた。
嫌な予感がした・・・。
弁当を食べ終えリスタート。
なんだかさっきより風が強くなってきたぞ。
左前から絶えずボーっという音がする。すすきは横に大きく揺れている。風速3~4mってところか。
我慢しながら上品へ。
上品からはまた一層風が吹く。
川なのに白波が立ってきた。
川の流れとは逆の南風。風速5mだなこりゃ。
往路では25km/hだったのに、17km/hしか維持できないスピードにいらいらする。
ここらへんからナギ(泣き)が入ってきた。
カメラを手にする余裕すらない。
ひたすら思うのは、暗くなる前に仙台を脱出したいという思いだけだ。
暗くなるのは17時半。ラッシュ時に4号線を走るのは嫌だなあ。
どうにか石巻に帰ってきた。
45号線に出てからは少し風も弱くなったが向かい風には変わりない。
ロードバイクなのに20km/h維持できないと言うのは情けないがしょうがない。
松島は大渋滞。車の横をすり抜ける。
塩釜から県道10号線へ。
朝とは大違いのトラックラッシュ。凄い勢いで追い抜いてゆく。
右脇すれすれを猛スピードで通る。
旅で慣れているとはいうもののやはりおっかない。
ドライバーはプロ。彼にとっての安全な距離は保っているはず。
抜かれるオイラもまっすぐ走ることだけに集中する。
ドライバーかオイラ、どちらかが一瞬でも気を抜いたら吸い込まれてしまう。
恐怖と疲れと寂しさを必死でこらえる。
お尻の周りは痛みで絶えられず立ち漕ぎばかりしていた。
新品のレーパンを履いてきたが、パッドが思ってたより出来が悪く200㎞を超えた時点から痛みが発生していたのだ。
高くてもパールの3Dが一番だなやっぱり。
肩と首も限界を超えた痛みで首を上に向けるのも辛い。
グローブをしていても掌の皮がずるむけそうに赤くなってきた。
「明るいうちに仙台を越えたい」
その思いは無残に引き裂かれ多賀城で日没。
ここまで320km
はあまだ家まで100kmもあるじゃんか。
ライト類に火を入れ反射ベストを着込む。
仙台空港の下をくぐり県道20号線から国道4号へ。
街の明かりが寂しさをいっそう募る。
「はあつかっちゃでばはあ」
※もうくたびれ過ぎたよもう
「やめってばはあ、もうやっちぐねえはあ」
※もうやめようよ。これ以上はもうやりたくないよ
「はいぐうっちゃけえっちよ~ゆさへえってふとんでねむりっち~」
※早く家に帰りたいよ~お風呂に入ってお布団でゆっくり眠りたいよ~
「まだ70kmもあんのがいでば、むりだでば」
※まだ70kmもあるじゃないか、こりゃとても無理な気がする
独り言が増える。
泣きながら(半分ホント)立ち漕ぎ。
「館腰駅」
昔トモダチいたっけなあ館腰・・・遠い記憶と、今措かれている現状とが交互に脳みそを支配する。
きっと、少しでもモチベーションを維持しようとする自己防衛反応なのだろう。
何も考えていないようで、うっすらといつも何かを思いだしている。
漠然とした過去の記憶の断片が浮かんでは消えてゆく。
大声で「リンダリンダ」を唄ってみる。
自販機の前の高校生に白い目で見られる。
深夜ならまだしも高校生が帰宅する7時頃なのに、この風体ででかい声で唄ってるなんてジャンキーか俺ぐらいなものだろう。
国道349号線の県境の兜駅。ここは宮城と福島の県境だ。
やったあ福島県に戻ってきたぞ!
少しだけ笑ってみた。誰にも見られなかったとは思うがひどいツラだったろうなあ。
あと30kmだあ!
えっ?まだ30kmもあんのがよ~
両方の思いで30㎞という距離をかみ締めた。
桑折、飯坂、笹谷。
もう少しだ。
suganoさんの事務所前通過。
自動車が停めてあったのでいるのかなとチョト思ったが、そういえばジテ通してるって言ってたっけ。
うーんやるなあsugano先輩も!
「やったよ先輩!オイラも400達成したよ」
誰もいない事務所前でつぶやいてみた。
家まであと4kmだ!!
自宅まで300mのコンビニで、うそビールを買った。
いつもは「その他の雑酒」しか買えないが特別に「発泡酒」
500mlを1缶。
「ただいま」
時刻は21時40分
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/62/643dd977ecb06c1c259a9b0f286aa9d9.jpg)
21:40
426.58km
@@@
epilogue
服を脱ぐのさえやっとだった。嫁さんに手伝ってもらって靴下を脱いだ。
風呂に入るのも面倒で布団の上で発泡酒をグビッと一口飲んだ瞬間に突然の睡魔。
気がついたら朝だった。
午前中はボーっとして仕事にならず。
こんなに疲れたのは初めてかもしれない。
肉体的にももちろんだが精神的に辛かった。
鹿児島から36時間かけて鈍行列車で帰ってきたとき以来かなこの感覚は。
逃げ場のない世界。
妥協を許されない設定。
自分との対峙。
諦めない執念。
今日、仕事で自転車に乗った。ほんの数キロだが。
やはり全身に疲労が蓄積されてるのを感じた。
ケツは金属バットで殴られたような感じ。
肩と首には鉛が乗せられているようだ。
手のひらとつま先の痛みは何故か殆ど消えていた。
鏡を見たらまだ真っ赤に目は充血していた。
昨夜はあれほど苦痛だったのに一日経っただけでいい思い出に変わり始めている。
自分史のレジェンドをまたひとつ遣り遂げたという満足感でいっぱいである。
感謝すべきは太陽と満月だ。
ずっと明るく照らして俺を守ってくれてありがとう。
きっとあの逆風も精神力を切らさないようにとの神様のご意思だったのだろう。
走ってる間は一度も睡魔が襲ってこなかったのは自分も意外だった。
セカンドウインド?疲労が抜けて足が軽くなる瞬間は体感できなかった。
走り足りなかったのだろうか。
いや・・・あれで全力だった。
426kmか。
俺の一日の最長記録更新だ。
でも24時時間にはまだ2時間20分残っていた。
精神力しだいではあと30kmはいけるな。
24時間での最高世界記録はいったい何キロなんだろう。
700~800kmだろうか。
@@@
postscript
さあ
ロードは一旦終了!
あっ18日のSUGOがあったっけ。一生懸命走りますが・・・遅くてもいじめないでねチームの皆様。
まったり林道行きましょう!!12日は空いてま~す。
誘ってけろ~
未知なる道を開拓すんべ~!
自転車ってやっぱり
こでらんに
今回は長~いツーレポになってしまいました。
秋の夜長、芋焼酎のお湯割でも片手に茹で栗でもつまみながら読んでいただければ幸いでございます。
書き手のオイラもすでに「奥の松金紋」を半升やっつけております。
やっぱ身体にあってるのが二本松の酒だなあ。
安くて旨くて酔いが回るのが早い。
@@@@
prologue
2009年10月4日午前零時。
今宵は中秋の名月である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/42/d1/57c64db1a70c03e8ab8978583bdead70.jpg)
白い帯状の雲がまるでススキのようにお月様とコラボってて美しい名月。
3日は朝から虹も見れたし、開店後にラジオを点けたらいきなり大好きなジャニスイアン。
日中もとてもよいお天気で、これはなにかいいことありそうだなあとワクワクしていたのだ。
Xdayは今日しかない。
ナイトランには絶好の月夜。
kojiさんを真似して
moon light runと洒落込んだ。
以前MTBで満月ランしたことがあるが、夜は車が少なくて意外とキモチよく走れる。
土曜も仕事だといいつつもジッサイのトコロは閑古鳥が軋るように囀り、ピサの斜塔のように右肩下がりの店なので暇なのである。
それをいいことに、ウキウキランラン(死語)しながら、よわい四十五のボクはとあるケイガクを遂行すべく準備をしていた。
アマゾンでプッチンしたライトは単二×三本タイプのだ。今まで使ってたCR123×三本のと比べると大きさも重さも二倍はある。自転車に装備するにはぎりぎりOKの大きさ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/be/98af8e574c857d09d1570d3d216cf009.jpg)
明るさは、ハンパじゃなく直視したら暫くは目潰しを喰らう。
ローモードでも猫目の単三×4本タイプより明るい。
んで、広角からスポットへと無段で調整できるのがいい。本物のマグライトみたいだ。
かっ飛ばすときはビームに、歩道や荒れた道のときはワイドに、と使いわけられる。
金パナ単二を入れるとハイ6時間、ローだと数倍は保つらしい。
amazon・・・なんだかんだ言っても送料手数料無料ってのは素晴らしいな。このライトも¥3k以下だった。
自分で店をやりくりしているが、技術の入らないものはネットで充分だと思う。
ただ買ったり食ったりするなら安いほうがいいもんね。
逆に言うとネットで出来ないことがオイラの仕事でよかったとも思う。
今回テスト目的も含めもう一個装備したのはトピークのポンプ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/c0/a5722a8dd92305ff2c3da1f6940a9946.jpg)
これもかなりズナクて(大きくて)ロードバイクにゃ不釣合いだが、50回のポンピングで8気圧まで楽に入れることが出来る。
夜中のパンクはそれだけででも気が滅入るのでチューブ交換が少しでも楽に出来るようにとチョイス。
ジッサイにはノーパンクだったので未使用だが。
タイヤはpanaのエンデューロPT
これはマジすごい。サイドを切ろうが鉄片を踏もうがパンクしない。ザクっと表面のゴムが切れめくれてもパンクしないのはさすが国産だ。
それとヘルメットにはヘッドライト。これもジェントス製。¥2k以下だ。
単三一本だが地図やハンドル周りを照らすにはじゅうぶんな明るさ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/3e/8df8e1f6f875e4c3cabfbe8dffb7bb3f.jpg)
反射ベストも着込んだ。
これは某団体からの無料支給品。
さてさてこれほどの大袈裟な装備で出かけた先は・・・
2009年夏に遣り遂げられなかったことを取り戻すためである。
目的地は岩手県一関市
9月に琵琶湖に行ってる間にsuganoさん、NXNさん、I條さんの3人が行って来たあの場所。
そのモヨウはsuganoさんのブログに書いてあるのでご参照あれ。
http://mtblog.exblog.jp/8998175/
高校の同じクラス、しかも出席番号連番のNXNさんのブログも見てくだされ
http://cycle428.blog.shinobi.jp/Entry/108/
I條さんも、予てからブロガーか?とその行動から疑っていたが本当にブログをやってるらしい。
飯を食ってるときにシャメするのはブロガ率100パー鴨。
sugano先輩のブログの中に
「300キロ走った時も勿論疲れたけど、400キロはその比じゃないかも。」
どの比なんだろう・・・
行って確かめてこなけりゃ。
このま悶々とした思いを引きずって冬を迎えてしまうのは、チャーリーケンとしてはなんとも不甲斐ないことと考えていたのだ。
けっこう執着するオイラなのである。
sugano先輩は突飛なことを言う名人である。
まさに切り込み隊長だ。
知り合えて本当によかった。
出会うべくして出会えたともいえる。
昔、ある友人に言われたことがある。
「人と人との出会いは予め最初から出会うように出来ている。生まれる前から決まっていた定め」
言い得て妙だな。
あらためて自転車の神様に感謝だ。
インターネットの神様にも。
今、こうして、オイラのブログを読んでくださってるあなたとオイラは、もしかしたら今夜だけ一夜のつながりかもしれない。
でも
おいらは
大事にしたい。
ここに来たのもなにかの縁。
ごゆるりと堪能あれ。
一期一会です。
@@@
本編
ずいぶん前口上が長くなりました。
3日21時に所要をすべて終了し床に就いたのだが、来週予定してる同窓会の連絡の電話が途切れない。
早く寝たかったのだが結局22時すぎ就寝。
起床は3日23時半。正味1時間の昼寝みたいな睡眠しか取れぬまま4日午前0時ジャストに出発。
ルート1
<object codebase="http://fpdownload.macromedia.com/pub/shockwave/cabs/flash/swflash.cab#version=8,0,22,0" width="320" height="240"><param name="movie" value="http://route.alpslab.jp/fslide.swf" /><param name="flashvars" value="routeid=0e579aebdc6ac14c2f836641a83705c1" /><embed src="http://route.alpslab.jp/fslide.swf" width="320" height="240" type="application/x-shockwave-flash" flashvars="routeid=0e579aebdc6ac14c2f836641a83705c1" /></object>
多賀城まで100km。
自宅~飯坂~伊達~保原~梁川と国道349号線を進む。
途中伊達のダイシャリン前を通ってみるが、サポートカーは待機していなかった。
当たり前だけど。。。
県境の兜、丸森、角田と349号線で進む。
新規投入したライトの効果は絶大。予備の猫目との相性もいい。
天辺からの月明かりは素晴らしい明るさ。
対向車が来ない場面では前照灯要らずだったので節電できた。
白幡橋を渡り一旦国道4号線に出る。
深夜の4号線は馬鹿でかいトラックやトレーラーが3桁に近いスピードで飛ぶように駆け抜ける。
その脇をオイラは時速25kmですり抜ける。
歩道、車道、歩道、車道と縫い繋ぎ進む。
猫目のリアのフラッシングとヘルメットの後部にくっつけたダイソーの赤玉チカチカも効果があるが、一番の恩恵は反射ベストだろうか。一度もクラクションを鳴らされることもなく安全に走行できた。
岩沼で4号線から右折。県道10号線を北上。こちらは交通量こそ少ないが魚屋系の暴走トラックがいるので注意だ。
仙台空港の下をくぐり夢メッセをかすめ、多賀城の念仏橋。
ここまで100km。
順調な滑り出しだ。足も軽くアベレージは24km/h。
コンビニで夜食?朝食?
午前4時すぎにコンビニのハンバーグ弁当を食った。
ぺったんこ座りしてカップルに後ろ指指されながら。
これもいい思い出か。
ルート2
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多賀城から塩釜へ。塩釜神社、陸前浜田、そして松島。
高城町、手樽、陸前富山、陸前大塚、東名、野蒜、と仙石線沿いに駅を数える。
6時を過ぎてようやく朝がやってきた。
満月が西に沈み、代わりに太陽が東から生まれる。
神秘的な時間だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/e4/13bdcc10531f7ca520b7a7dcf3579f1c.jpg)
放射冷却で気温は6℃。幸い風がなかったから凍えるほどではないが、起毛のロングジャージを羽織った。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/c7/1822ef2538dd6af5eddda47b1e730406.jpg)
鳴瀬大橋付近。川霧が稲刈り前の田んぼを覆いつくす。
霜対策なのだろうか、どこからかきな臭い匂いが鼻をつく。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/d6/9b9af8994870ac3bfb5f9355d9b48a17.jpg)
霧の中から生まれたばかりの金色の太陽、神秘的な一瞬だった。
石巻の蛇田駅から北上川を北上。
道の駅上品に着く。
上品・・・じょうぼんと読むのを知ったのは、以前に東北縦断をしたとき。
日本一周のところをご参照くださいまし。
2005年8月15日
http://blog.goo.ne.jp/chariderkenken/e/45c6b806e434234305701e881f0de31b
赤いバイクのホンダくんと知り合ったのもこの道の駅だった。
翌日に仙台沖震災だったけなあ。
その時に泊まった縄文時代風の東屋
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/04/b5a2d06df9d1b5ce65764f64b1227d37.jpg)
http://blog.goo.ne.jp/chariderkenken/e/0117eb5e31294c408285e0b547843234
こんなちっちゃかったけ?
隣のコンビニでおにぎりと5個入り山崎あんぱん(定番っすね)を買い二回目の?朝食。
コーラで流し込む(これもチャリダードリンクっす)
ここまで150km。一ノ関まであと50kmちょいだ。
時刻はまだ7時半。
地図とにらめっこ。
10時には一ノ関駅にたどり着けるだろうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/93/cb60ae7824355a5dfcb66b8713676183.jpg)
国道342号線一ノ関街道に乗り換える。
北上川は雄大で美しい。時折集落に入り込んだり川原の土手の上を走ったり。
そよ風が頬をつたう。少しひんやりするが返って心地良い。ウオーマーを脱ぎ半そで姿に。
気持ちがいい道だった・・・往路だけのことで復路ではどんでん返しをくらうことになるのだが・・・
宮城県側はほぼフラットだ。
県境が近づくにつれ徐々にアップ&ダウン。
国道346号と直行する桜錦橋から北上川から離れる。
少し激坂っぽいなと思ったら岩手との県境が現われた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/35/1780aedbbd81c8c90c69e654214fa253.jpg)
問題はそこから先だ。
登ったり下ったり、2回、3回、4回・・・これで終わりかなと思うとまた登りが見える。
トロトロのとろ登りが乳酸を作り出す。
「帰りもここ通るのかあ」
花泉で坂終了かと思いきや、すぐさままた登りがまっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/48/e35bc01a9476a917f581e883fe1417e6.jpg)
福島市で言うならば、西部の大笹生~荒井までの農免道路をきつくしたような道が約20km続く。
地元のサイクリストなら練習コースにするはずなのに何故か一人ともすれ違わなかった。
南岩手カントリークラブからやっと下り。
5kmほどで一ノ関駅へと到着。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/2e/9455de6c2400690d596083b2a1f8eadd.jpg)
時刻は9時55分。かろうじて10時には間に合ったけど、案外余裕ないなあ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/69/75f6f439345f2a9f94a1c6915163caf9.jpg)
ここまで217km。寄り道しすぎたかな?予定より10km多い。
ここまで10時間掛かったということは帰りも10時間だな。
いや、疲れがたまってくるから11時間か12時間掛かるかもしれないな。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/76/112b1d7535ee1123d6cb897314fd4c9f.jpg)
一ノ関駅で下りたことがなかったので町並みを少し探検
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/06/09d5907f040eb82d5338abd495f3b0c0.jpg)
中規模の駅と街。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/a1/1829e354e01fb65a8f974564fc1c9471.jpg)
10時半。
復路の開始だ。
さあ行くぞ!
ところが、走り始めてすぐに気づいたことがあった。
逆風なのだ。
今まで無風と思ってきたのは、実は微妙に追い風アシストがあったからだったのだ。
愕然とした。
う~石巻まで65~70km。ずっと逆風だったら嫌だなあ。。。。
こういうときの予想は何故か当たってしまう。
帰りも峠までのアップ&ダウンをやり過ごし、足は売り切れ状態。
途中で12時になったのでスーパーで弁当とコロッケ。
つぶれたパチンコ屋の入り口に腰掛けて本日3回目のご飯を食べる。
疲れを癒すスペシャルドリンク(?)もチューチュー。
そのとき、突風が吹き、立てかけておいた自転車が倒れた。
嫌な予感がした・・・。
弁当を食べ終えリスタート。
なんだかさっきより風が強くなってきたぞ。
左前から絶えずボーっという音がする。すすきは横に大きく揺れている。風速3~4mってところか。
我慢しながら上品へ。
上品からはまた一層風が吹く。
川なのに白波が立ってきた。
川の流れとは逆の南風。風速5mだなこりゃ。
往路では25km/hだったのに、17km/hしか維持できないスピードにいらいらする。
ここらへんからナギ(泣き)が入ってきた。
カメラを手にする余裕すらない。
ひたすら思うのは、暗くなる前に仙台を脱出したいという思いだけだ。
暗くなるのは17時半。ラッシュ時に4号線を走るのは嫌だなあ。
どうにか石巻に帰ってきた。
45号線に出てからは少し風も弱くなったが向かい風には変わりない。
ロードバイクなのに20km/h維持できないと言うのは情けないがしょうがない。
松島は大渋滞。車の横をすり抜ける。
塩釜から県道10号線へ。
朝とは大違いのトラックラッシュ。凄い勢いで追い抜いてゆく。
右脇すれすれを猛スピードで通る。
旅で慣れているとはいうもののやはりおっかない。
ドライバーはプロ。彼にとっての安全な距離は保っているはず。
抜かれるオイラもまっすぐ走ることだけに集中する。
ドライバーかオイラ、どちらかが一瞬でも気を抜いたら吸い込まれてしまう。
恐怖と疲れと寂しさを必死でこらえる。
お尻の周りは痛みで絶えられず立ち漕ぎばかりしていた。
新品のレーパンを履いてきたが、パッドが思ってたより出来が悪く200㎞を超えた時点から痛みが発生していたのだ。
高くてもパールの3Dが一番だなやっぱり。
肩と首も限界を超えた痛みで首を上に向けるのも辛い。
グローブをしていても掌の皮がずるむけそうに赤くなってきた。
「明るいうちに仙台を越えたい」
その思いは無残に引き裂かれ多賀城で日没。
ここまで320km
はあまだ家まで100kmもあるじゃんか。
ライト類に火を入れ反射ベストを着込む。
仙台空港の下をくぐり県道20号線から国道4号へ。
街の明かりが寂しさをいっそう募る。
「はあつかっちゃでばはあ」
※もうくたびれ過ぎたよもう
「やめってばはあ、もうやっちぐねえはあ」
※もうやめようよ。これ以上はもうやりたくないよ
「はいぐうっちゃけえっちよ~ゆさへえってふとんでねむりっち~」
※早く家に帰りたいよ~お風呂に入ってお布団でゆっくり眠りたいよ~
「まだ70kmもあんのがいでば、むりだでば」
※まだ70kmもあるじゃないか、こりゃとても無理な気がする
独り言が増える。
泣きながら(半分ホント)立ち漕ぎ。
「館腰駅」
昔トモダチいたっけなあ館腰・・・遠い記憶と、今措かれている現状とが交互に脳みそを支配する。
きっと、少しでもモチベーションを維持しようとする自己防衛反応なのだろう。
何も考えていないようで、うっすらといつも何かを思いだしている。
漠然とした過去の記憶の断片が浮かんでは消えてゆく。
大声で「リンダリンダ」を唄ってみる。
自販機の前の高校生に白い目で見られる。
深夜ならまだしも高校生が帰宅する7時頃なのに、この風体ででかい声で唄ってるなんてジャンキーか俺ぐらいなものだろう。
国道349号線の県境の兜駅。ここは宮城と福島の県境だ。
やったあ福島県に戻ってきたぞ!
少しだけ笑ってみた。誰にも見られなかったとは思うがひどいツラだったろうなあ。
あと30kmだあ!
えっ?まだ30kmもあんのがよ~
両方の思いで30㎞という距離をかみ締めた。
桑折、飯坂、笹谷。
もう少しだ。
suganoさんの事務所前通過。
自動車が停めてあったのでいるのかなとチョト思ったが、そういえばジテ通してるって言ってたっけ。
うーんやるなあsugano先輩も!
「やったよ先輩!オイラも400達成したよ」
誰もいない事務所前でつぶやいてみた。
家まであと4kmだ!!
自宅まで300mのコンビニで、うそビールを買った。
いつもは「その他の雑酒」しか買えないが特別に「発泡酒」
500mlを1缶。
「ただいま」
時刻は21時40分
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/62/643dd977ecb06c1c259a9b0f286aa9d9.jpg)
21:40
426.58km
@@@
epilogue
服を脱ぐのさえやっとだった。嫁さんに手伝ってもらって靴下を脱いだ。
風呂に入るのも面倒で布団の上で発泡酒をグビッと一口飲んだ瞬間に突然の睡魔。
気がついたら朝だった。
午前中はボーっとして仕事にならず。
こんなに疲れたのは初めてかもしれない。
肉体的にももちろんだが精神的に辛かった。
鹿児島から36時間かけて鈍行列車で帰ってきたとき以来かなこの感覚は。
逃げ場のない世界。
妥協を許されない設定。
自分との対峙。
諦めない執念。
今日、仕事で自転車に乗った。ほんの数キロだが。
やはり全身に疲労が蓄積されてるのを感じた。
ケツは金属バットで殴られたような感じ。
肩と首には鉛が乗せられているようだ。
手のひらとつま先の痛みは何故か殆ど消えていた。
鏡を見たらまだ真っ赤に目は充血していた。
昨夜はあれほど苦痛だったのに一日経っただけでいい思い出に変わり始めている。
自分史のレジェンドをまたひとつ遣り遂げたという満足感でいっぱいである。
感謝すべきは太陽と満月だ。
ずっと明るく照らして俺を守ってくれてありがとう。
きっとあの逆風も精神力を切らさないようにとの神様のご意思だったのだろう。
走ってる間は一度も睡魔が襲ってこなかったのは自分も意外だった。
セカンドウインド?疲労が抜けて足が軽くなる瞬間は体感できなかった。
走り足りなかったのだろうか。
いや・・・あれで全力だった。
426kmか。
俺の一日の最長記録更新だ。
でも24時時間にはまだ2時間20分残っていた。
精神力しだいではあと30kmはいけるな。
24時間での最高世界記録はいったい何キロなんだろう。
700~800kmだろうか。
@@@
postscript
さあ
ロードは一旦終了!
あっ18日のSUGOがあったっけ。一生懸命走りますが・・・遅くてもいじめないでねチームの皆様。
まったり林道行きましょう!!12日は空いてま~す。
誘ってけろ~
未知なる道を開拓すんべ~!
自転車ってやっぱり
こでらんに
・・・それも「ひとんぢ」
けんちゃんの「いいこと」は、舞い込むのではなく、自分で切り開くんだない!
まったく、たまげた人だ。
・・・そういいつつ「やっぱりやるよね~」とニンマリして読ませてもらいました。
けんちゃん、さすがだ!
『鳴瀬大橋付近・・・』の朝霧に煙る道路の写真がとても好きになってしまいました。お尻、休ませてやってくださいね。
いつか・・・ってないな。
お疲れさまでした。肩や頚の痛みは,一つには馴れと,もう一つはポジションが
どちらかといえばレーシーなためと思われます。ステムを 5mm 上げると格段に楽になるのですが,..。
今の自転車はそれが簡単に出来ない構造になってますからね。
なので,長い距離のときにはクラシックタイプ(臼&ボルトタイプのステム)を使っています。
それにしても,皆さん,よく午前0時に出発しますね。
午前0時出発は 600km ブルベだけで沢山です(笑)。
ブルベみたいに、ソロで走っていても離れた前後に誰かが走っているっていうのとはまた別の世界ですね。
そう、全くのソロで走っているときに、コンビニ前に座り込んで弁当食うのは、けっこう微妙な感じです。まあ、これに慣れるのもどうかってところですが。
それにしても、超長距離ライドの疲労感は、一種のエクスタシーなのかも。
今年中に絶対行くと思ってたら、やっぱ行っちゃったのねん。
けんちゃんが300キロオーバーやった時、「あんまり疲れなかった」って言ってたので、400も楽に走りきれるのかと思ってたけど、やっぱ疲れたようですね。
長距離は、睡魔と痛みが苦痛だなと思ったけど、睡魔が来なかっただけ幸せだったんじゃないの。
オレはホントにやばかったから。
<sugano先輩は突飛なことを言う名人である>とお褒めの言葉を頂きましたが、前にも言ったたとおり、王滝、3峠、400キロナドナド、M系発言は全てチャーリーケンの影響ですから。
知り合ってなかったら、今も100キロでさえビビッテたと思うよ。
しかも一人で!
さらに帰ってくるのも速っ!
ただただ流石!というしかありません!
お疲れ様でした!
ちゃりけんさん、426kmラン完走おめでとうございます。「旅は帰るためにある」と思いました。ちゃりけんさんの「修行」を読ませていただいてモチベーションあがりっぱなしでした。ここに来られる方のブログも読ませていただいていますが、皆さんのお仲間ってホントに超人ばかりですね。台風早く行かないですかね。
早速のコメントあざーす。
切り開く・・・っつうより追い込む?
真性M?あはは。
夜間独走はやばいね。寂しかったよ。
今度は一緒に行きましょう。