悲しみの城からの脱出

親からの呪縛から自分を解放するためのブログ

【父親の家】から【自分の家】に…

2025-01-06 18:00:00 | 過去のこと・気付き(家族)

去年の2月に雨漏りが始まった。

ちょうど、性被害のニュースで

メンタルが落ちていた頃のことだ。

リフォーム業者選びに時間がかかり、

保険の申請も不安から、なかなか、

できずにいた。

 

 

屋根の修繕、そして、天井の

壁紙を張り替えてもらった。

綺麗になった天井を見て思った。

 

父親の家から…

やっと、自分の家になった

 

天井の壁紙を碧音の好きな

色に変えた。

たったそれだけだ。

でも、碧音にとって大きな意味がある。

 

 

父親が他界して10年。

天井の壁紙の色選びを始めてから、

【自分の家】に変える意識が芽生えた。

今まで、この家は【家族の家】では

なく【父親の家】だった。

 

 

家というのは【家族全員の家】

ではないだろうか?

雨風や暑さや寒さ、そういうもの

から住人を守るのが【家】という

箱である。

父親が購入したとはいえ、それは、

家族のためではないだろうか。

碧音は、そんな風に考えている。

 

 

だが、父親は違った。

父親にとって、家は、ただ、社会に

認められるためのツールでしかなく、

家族のことなど眼中になかった。

 

 

家を建ててることを知らされたのは、

突然、現場に連れて来られた時だ。

事前に話は聞いていない。

家族が住む家の家具や子供部屋の

机やいすは、全て父親が勝手に

用意したもの、家具は両親のお古。

家族の要望を聞くことすらなかった。

 

 

まだ、センスがあるならいい。

絶望的な色彩感覚のない家。

カーテンなどの色のセンスも

選んだインテリアも最悪。

壁紙も全て父親が決めた。

色の統一感もなく、費用を抑える

ためか、収納も少なく使いづらい。

そして、何かあるたびに父親の

言ってた言葉…

 

 

ここは俺の家だ

お前は口を出すな

 

 

そう言って、母親と妹で植えた

庭の芝生を剥がし、和風の庭に

作り変えてしまった。

亡くなるまでに、ろくな手入れも

せず、職人に植木の剪定をして

もらう費用も賄えず、完全に、

ジャングルと化していた。

 

 

父親の死後、一部の植木を伐採し、

リビングやダイニングが

明るくなった。

母親が手入れできないなら、

残さない方がいいと説得したが、

全く耳を貸さない。

施設に入って言った言葉。

 

 

処分したいなら

処分すればいい

 

 

無責任な母親らしい言葉だ。

父親に【ここは俺の家だ】という

言葉に縛られた碧音は、この庭に

出ると父親に怒鳴られそうな嫌な

感覚があり、庭の手入れどころか、

庭に出ることすらしなかった。

庭の手入れをするようになったのは、

母親が他界して1年後のことだ。

 

 

家のメンテナンスについても同じ。

ここに越してきてから、この家を

【自分の家】と感じたことはない。

仮住まいをさせられている

ような居心地の悪さしか

感じたことはないのだ。

 

 

だから、自分の部屋の天井の壁紙を

変えるということは、碧音にとって、

大きな意味があった。

自分の好きな色の壁紙を選び、

張り替えることで父親の家から

自分の家に変わり始めた。

 

 

この家は、住人を守り続けた。

でも、住人の誰からも顧みて

もらえていない家で、あちこちが、

傷だらけだ。

そのことに気付いた時…

 

まるで、碧音の心のようだ

可哀想に…

気遣ってあげられなくて

ごめんね

 

そうつぶやいたことを

今でもよく覚えている。

 

 

碧音の心を癒すように、この家も

癒すことができるだろうか?

好きな色の天井を見ながら、

何となく、こんなことを考えた。

自分の家にするのは、まだまだ、

時間がかかりそうだ。

コメント
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