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ちはら台の花鳥風月

春から初夏。皆様お疲れモードの連休も済み、立夏。夏模様の到来です。小学唱歌の「夏は来ぬ」という歌が好きです。作詞は有名な歌人のようで、ふんだんな季語を使い、曲も古を連想させるメロディラインになっています。

 

思えば定年で離職してからこの数年、随分とちはら台とその周辺を歩きまして、週に3回の水泳(2千メートル)と相まって、体重も10キロ以上落としました。最近は週に2~3回一日8㎞程度が標準となり、殆どオタク状態の態を示しているような・・・。

 

ちはら台は以前紹介しました通り、旧国名でいえば上総となり、ちはら台北通り一本を挟んですぐに下総となります。歩くコースはこの国境を越えた下総だったり、市津消防署から南潤井戸に向かったり、かずさの道を通り過ぎて鎌取駅や、村田川沿いに茂原街道から白幡神社を通り越したり、花咲通りから草刈に抜けたりと様々です。無論国が変わっても植生はそれほど大きな違いはありませんが・・・

 

東京は神田明神の氏子の友人のように、お江戸の旧跡を訪ねたりという、風流な道ではございませんが、ちはら台の遊歩道を彩る多様な花々と草木や街路樹。そして少し離れると田園風景、そして立派な門構えの大きな旧家の佇まいは、番場から押沼や、おゆみ野の泉谷公園の東側にも広がります。

 

まずは四季の花。

秋口からの秋の七草として、古代より愛でられた萩(泉谷公園やうるいど自然公園)や、公園通りの南側の家々に植えられたキンモクセイ。花咲通りにも何本かございます。大宮神社の紅葉や大岬公園西側の銀杏も、秋深い時期には見ごろを迎えます。南中前や消防署前の学園通りに面したススキも良いですよね。田の畔には彼岸花が赤い直線を作ります。南中前の栗も実が熟します。勿論食用になります。大風で昨年はダメでしたが・・・。 

花咲通りのキンモクセイ                            潤井戸の萩

冬の可憐な白い柊(ひいらぎ)の花は花咲通りに面するサウスヒルズと、もみの木台の家々の生垣や、コミュニティセンターの西側にきれいです。椿は村田川の新橋から先の左岸に密集し、花咲通りにも何種類か。花咲通りの南中前にはビワの花が地味に咲きだします。冬の青空には家々の柿が映えます。

  

コミセンの柊

 大岬の銀杏並木

 

春の気配が感ぜられると、梅はおゆみ野の南中学校の前に何本かと、村田川の右岸にも実成の樹が香りの強い花を咲かせます。

 

春先にはちはら台北通りに1本だけあるミモザに見入ってしまい、犬にほえられたこともあります。押沼当たりのあぜ道や、村田川の左岸に名前も可憐なヒメオドリコソウや、ハナニラ、水仙が鶯の初鳴き頃に咲き誇ります。それが過ぎると白いモクレンが花咲通りやその他の遊歩道に大ぶりな花を咲かせます。

 

 北通りミモザ                                         

     

白モクレン

 

そして少しずつ様相を変える何種類もの桜。

かずさの道遊歩道や、村田川沿いには早咲きの緋寒桜や、河津桜に始まり、名前も知らない濃い色から薄紅、緑の葉とともに咲く白い花。風に揺れる白い雪柳の上に豪華に咲くソメイヨシノや、最後を締めくくる大金沢町の街路樹の八重桜。

彼岸過ぎの高くなった日光や月光をぼんやり遮ってくれる、花影のやさしさも素敵だし、落ちた花びらの淡いピンクの舗道や、それに続く緋色の花弁の落ちた舗道も本当に目を楽しませてくれます。桜についてのうんちくは2022年2月の「如月の桜」をご参照くださいませ。

 

桜が終わるのを追いかけるように満天星つつじが可憐な白い花を咲かせ、街路樹の根元には菖蒲類やスノーホワイト、更に花水木、躑躅が一斉に彩を増していきます。ちはら台北通りの街路樹である桂が初々しく葉を芽吹き始めるのもこの頃です。

花咲通りのマロニエの白と、西中前のかずさの道との合流点には、ピンクのマロニエも咲き誇ります。花はマロニエ、シャンゼリゼと歌われましたが、パリの街路樹と一緒やねんと、少し異国風情のマロニエの散歩道は大好きな風景です。

 西中前のマロニエ(濃いピンク)   

 

初夏にはサウスヒルズの夏ミカンの花が芳香を放ち、クチナシも甘い香りを競います。

意外ですが、花咲通りには1本だけ栗の樹(実がなります)が花を咲かせます。この匂いは好き嫌いがありそうですが。ビワの実がなるのもこの季節です。

 

    栗の花                              ビワの実(何れも花咲通り)

 

真夏は花咲通りにヒマワリが咲き、ハシボソガラスが暑そうにくちばしを大きく開けて、日陰を探します。一昨年からサウスヒルズ中央自治会で、お世話になっている茂呂町の農家さんのキウイの白と紫の美しい花も初夏に咲きます。

そして日本原産といわれる、紫陽花。学名のオタクサンバナは、かのシーボルトがその日本人妻「おたきさん」に因んで命名したと訊いています。日本最初の女医(産科医、西洋医学として)であるオランダお稲(楠本イネ)の御母堂でございますね。

この花は咲く時期も結構永く楽しめ、あちこちの遊歩道やマンション内にございます。夏というより梅雨の花のイメージでしょうか。

 

次は鳥たち。冬、村田川には冬の渡りのカモや、黒いオオバンがにぎやかに川面を行きかい、道端には国生みの二柱の神に交尾の仕方を教えた、せきれい。そしてヒヨドリが木々を行きかい、野原には椋鳥がうごめきます。

暖かくなると春告げ鳥(うぐいす)が竹藪ごとに少しづつ異なる独唱で縄張りを主張します。良く間違われるうぐいす色の美しい目白も春のイメージですね。

 

燕君が目の前をすいっと横切るのはプロ野球のペナントレース開幕となるころで、実は私はスワローズファンでございます。

川にはクイナやカルガモがひなを従えて堰の前の淀んだ水面を泳ぎ、田起こしが始まる頃は雉がこちらを注視して大きく鳴くのです。

縄張りを主張しているのか、恋の相手を呼んでいるのか。キジも鳴かずば撃たれまいとの言がございます。確かに鳴かなければいないと一緒なのに、何故か大きな声でなくのでございますね。

 

初夏にはホトトギスが「トッキョキョカキョク」と朝方に鳴き始め、オオヨシキリが声高に騒ぎ始めます。昔はちょうどキッズアベニュー建設前の草茂る野原に、雲雀(ひばり)が沢山いましたが、今は市津消防署辺りの耕作していない田に少しいるくらいですね。

一度その辺り(公園通りのビバホーム南側の田園辺り)で白い羽根の猛禽類が優雅に風に乗るのを見たことがございます。白といえばハヤブサなのですが、それよりは少し大きく。ゆったりと青空に白が眩く。

村田川にはカワウや、コサギも散見されます。そして素早い動きの小鳥たちは、見極めできないくらいの速さで飛び回ります。

なんと贅沢な環境に住んでいるのかと、いまさらながら思うこの頃です。

 

残る風月につきましては、本ブログのバックナンバー「月神について」「風の神様」「野分」をご覧いただければ幸いです。

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