黄泉の国へ

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詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2025-01-10 14:41:00 | 日記
正式な入院は夜中を過ぎた


医師からは
肺の中に
いくつかのウィルスが入っており 
肺炎を起こしかけているのだと説明があった


今の段階では
調べてみないと何のウィルスかわからない
という


父はベッドに横になったまま
エレベーターで7階へ搬送された


そのエレベーターの中で
父が
「ここだけには、来とうなかったんじゃが」
ふうふう息を漏らしながら
ワタシに訴えた


すると
医師は笑って 
「じゃあ、帰りますか?帰ってもいいですよ」
と冗談ぽく
おっしゃった


父はぷいっとそっぽを向き
キョロリと大きな目でワタシを見て
にーーって笑う


この時は
そんな余裕があったのだ



女性はといえば
この直前に
父が病院にいるなら安心だからと
入院が決まると直ぐに帰宅したのだった


つづく







詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2025-01-07 15:28:00 | 日記
救急用の出入り口近くのロビーを
ウロウロ歩きながら
何処かへ電話をかけまくっても
女性の国の言葉で喋るものだから
ワタシには内容はわからない



多分父のことを
あちこち伝えているのだろう



電話を切った女性に
なぜ父がこんなひどい状態になったのかと
たちまち聞きにいった


すると
自分が数週間前に風邪を引いたから
うつしたのかもしれないと
首をかしげながら


その時どんなに自分が苦しかったか
熱が高く出たかと
自分が辛かった話をする


話にならないのだ


何故救急車を自分で呼ばなかったのかと
聞けば


困って
イラっとしたのか
少し声を荒げて
「わたしはーでんわばんごうーしらないじゃっ!!」

という始末


つづく




詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2025-01-04 15:04:00 | 日記
ワタシは
この日に受けた講習用に
メモ用紙とペンを用意していたので
父の様子、医師の説明
看護師さん達の対応など
記録することにした



当時兄はスペインにおり
なかなか状況も伝えにくいし
回復するまでの記録をしてしておこうと
思いもした


それより
あの女性の怪しい動きが
異様に気にもなったのだ



そのメモは
のちに直ぐ

「忘れてしまわない内に」
と題したコピー用紙に
10枚以上にわたって
時系列でまとめている



まさか
それを今読み返して
記事にする日がくるなんて
思いもしなかったけど



書いておいて
よかった


この入院から
女性の本質というか
本性がどんどん顕になるからだ


父が応急処置に
3時間近く時間を要している間の
女性は



つづく





詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-12-26 15:38:00 | 日記
一カ月もたたない
8月30日
ワタシは市内の大きな病院で
がんの緩和ケア講習に参加

7時過ぎに終了した


講習中は携帯の電源を切るように指示があったので
7時半近くなり
駐車場まで行き
携帯の電源を入れた



車に乗って
さあ出ようとエンジンをかけた途端
父から電話だ



でると
父の声ではなく
あの女性だ



「あのー、おとさんのーようすがあー
おかしからーきゅうきゅうしゃをーよんでくださいー」


え?
どういうこと?
なんで?


わけわからないまま
慌ててすぐに
ワタシは119番へ通報した


そのまま講習を受けた病院で
待機をしたまま
8時を過ぎても何も連絡がない



様子がわからなくて
心配になり
再び119番へ電話をかけた




救急隊さんの話では
自宅での少しの治療をし
受け入れ先の病院を探しているので
時間がかかっているのだと言われた



そして
ワタシが待機をしている病院へと
運ばれてきた



担架にのせられた
父の意識はしっかりしたもので
ワタシを見ると
「よいっ」と手を上げ
そのまま
治療と検査のため
応急処置室へ入っていった



つづく




詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-12-22 16:49:00 | 日記
夜は兄の提案で
父を焼き肉屋さんへ招待した

父のお気に入りの精肉店が営む
我が家近くにある焼肉屋さんだ

ワタシの元夫も一緒に
4人でテーブルを囲んだ



脂身の多い肉が好きな父は
変わらぬ食欲だったし

ワタシの家で
また呑み直そうかと
コンビニで焼酎やビール
つまみを買い込んで
二次会を開催



呑みながら
カープのテレビ中継に盛り上がって
ワイワイ賑わって
面白可笑しく話をする父は
ご機嫌よくいたのに



お酒を酌み交わすのは
この夜が最後になってしまう




あの女性は
パチンコ屋さんが
閉まる時間くらいに
迎えにやってきた


「Sちゃん、下まで来て挨拶してくれんかあ、角が立たんように」


父の頼みだ
イヤでも笑顔で挨拶だけはせねば
街灯下に停めた車へ行き
父が座る助手席のドアを開けて
「こんばんは、お世話になります」
気乗りしないワタシの精一杯の笑顔で
運転席に座る女性に向けて
声をかけた



女性は
こちらを見ることもなく
表情も変えない


身の毛もよだつ
鬼の形相とは
こういうときに使うのかと思うほど


ぞっとするものを
感じた



車に乗った父が
手を振り
「ほいじゃ、またな!おごっそさんよー」
と窓を閉めた


ワタシは車が消えるまで
見送り


心に不安と
心配を抱えた



車の中で
パチンコに負けて不機嫌な女性が
父をつねったり
小突いたりしていないだろうか
いや
父がそんなことをされる訳がない



お金をよこせ
ポケットから
財布が引き抜かれやしないか


とか



女性の
あの鬼の形相が


ワタシを心配させている



つづく