黄泉の国へ

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詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-12-26 15:38:00 | 日記
一カ月もたたない
8月30日
ワタシは市内の大きな病院で
がんの緩和ケア講習に参加

7時過ぎに終了した


講習中は携帯の電源を切るように指示があったので
7時半近くなり
駐車場まで行き
携帯の電源を入れた



車に乗って
さあ出ようとエンジンをかけた途端
父から電話だ



でると
父の声ではなく
あの女性だ



「あのー、おとさんのーようすがあー
おかしからーきゅうきゅうしゃをーよんでくださいー」


え?
どういうこと?
なんで?


わけわからないまま
慌ててすぐに
ワタシは119番へ通報した


そのまま講習を受けた病院で
待機をしたまま
8時を過ぎても何も連絡がない



様子がわからなくて
心配になり
再び119番へ電話をかけた




救急隊さんの話では
自宅での少しの治療をし
受け入れ先の病院を探しているので
時間がかかっているのだと言われた



そして
ワタシが待機をしている病院へと
運ばれてきた



担架にのせられた
父の意識はしっかりしたもので
ワタシを見ると
「よいっ」と手を上げ
そのまま
治療と検査のため
応急処置室へ入っていった



つづく




詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-12-22 16:49:00 | 日記
夜は兄の提案で
父を焼き肉屋さんへ招待した

父のお気に入りの精肉店が営む
我が家近くにある焼肉屋さんだ

ワタシの元夫も一緒に
4人でテーブルを囲んだ



脂身の多い肉が好きな父は
変わらぬ食欲だったし

ワタシの家で
また呑み直そうかと
コンビニで焼酎やビール
つまみを買い込んで
二次会を開催



呑みながら
カープのテレビ中継に盛り上がって
ワイワイ賑わって
面白可笑しく話をする父は
ご機嫌よくいたのに



お酒を酌み交わすのは
この夜が最後になってしまう




あの女性は
パチンコ屋さんが
閉まる時間くらいに
迎えにやってきた


「Sちゃん、下まで来て挨拶してくれんかあ、角が立たんように」


父の頼みだ
イヤでも笑顔で挨拶だけはせねば
街灯下に停めた車へ行き
父が座る助手席のドアを開けて
「こんばんは、お世話になります」
気乗りしないワタシの精一杯の笑顔で
運転席に座る女性に向けて
声をかけた



女性は
こちらを見ることもなく
表情も変えない


身の毛もよだつ
鬼の形相とは
こういうときに使うのかと思うほど


ぞっとするものを
感じた



車に乗った父が
手を振り
「ほいじゃ、またな!おごっそさんよー」
と窓を閉めた


ワタシは車が消えるまで
見送り


心に不安と
心配を抱えた



車の中で
パチンコに負けて不機嫌な女性が
父をつねったり
小突いたりしていないだろうか
いや
父がそんなことをされる訳がない



お金をよこせ
ポケットから
財布が引き抜かれやしないか


とか



女性の
あの鬼の形相が


ワタシを心配させている



つづく

詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-12-18 15:27:00 | 日記
楽しい時間が過ぎていき
さてそろそろ....という時
父が兄を墓掃除に誘った


なかなかお墓に行く機会を
作れずにいる兄の
それを気にかけていたのだ


ワタシが気にかかったことは
父がこの短い間で
2度もお墓掃除を?
こんなことが
今まであったろうか
ということだ


でも
ワタシが1人で掃除をするより
助かるし
お盆前に綺麗になるのはよいことだ




3人で
翌朝
お墓掃除に行った


やはり父は噴射係

伸び切った草を抜き
お墓を磨く
奮闘するワタシ達に
ポットに入れた冷たい氷水を
紙コップに入れて
振る舞ってくれた


父は
幸せそうな笑顔で
別のポットから
アイスコーヒーを入れて
優雅に飲みながら
小枝を持ち
あっち、こっちと指しながら
草一本も残さぬように指導する


「王様みたいぢゃ」
ぶつくさ言うワタシに


「はあ?なんて?なんいうた?」


聞こえてないのか
喜んでいるのか



ずっと笑顔で
ワタシ達を見張る姿が


今もお墓へ行くたびに
脳裏に浮かぶほどだ




つづく

 

詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-12-15 15:58:00 | 日記
さあパーティだ
父はよく食べ
よく呑んだ

終始楽しそうであるも
いつになく咳き込み方がひどく

ワタシが
「お父さん、喘息じゃないん?」

前々から
いつもそう言うのにも

やはり
この時も
「いや、わしゃあ喘息じゃあない、気管支炎じゃ」
という


「気管支炎喘息じゃないん?」


「いや違う」


父は喘息を否定するも
女性がヘビースモーカーなのは知っているので

「奥さん、離れてタバコ吸ってくれとる?」

そう聞けば
「はなれもせんー、やめもせんよ、ちんじゃらホイホイ、やりたい放題じゃ」
と笑う父の横顔を


ワタシはギロリと睨んだ



つづく







詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2024-12-12 16:53:00 | 日記
昨日12月11日は
24回目の母の命日だ


普段連絡をよこさない
下の兄からの
生存のわかるLINE

息子からは
近況を知らせるLINE

律儀な
上の兄からは
年末の帰省のときに
世話になるからと
命日に合わせてわざわざ電話をくれた



母の命日に
家族の様子がわかり
天国の母は喜んでいることだろう


特に上の兄は
毎年必ず2度帰省をする


母との約束だ


母が他界しても
父が他界しても
ずっと続いている



そして
2018年の夏が
父とワタシ達の
最後の夏になった


8月に入ってすぐ
兄が我が家に2泊するので
父も喜んでやってきた


つづく