黄泉の国へ

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2025-03-05 18:36:00 | 日記
兄は海外の仕事があると
すぐには戻れない

毎日ワタシは兄の替わりに
様々な支払い、解約の手続き等
卒なくこなし
忙しく立ち回った


そんなワタシを知りながら
全てを任せきりにする女性は
しょっちゅう実家に呼びつける



1人になると
不安と悲しみが襲ってくるので
忙しい方がいい

そう思って
女性の言うことも聞くふりをして
呼ばれれば実家へ行った


支払いなどの他にも
7日ごとに
お寺の住職が
お経あげに来てくださるお布施なども
用意したり、出費も多い


葬儀後すぐから
お金の出し入れ
使い道がわかるようにするために
出納帳に記帳を始めた


きっと後で
役に立つだろうと思ったことと
お金の管理をきちんとしていた
父の性分が、少しでも引き継がれているのだろうか


出納帳を見るだけでも
何日どこへ行った
何をしたのかが明確だ


それに加えてメモまで残している


11日に
スマホの残金を支払いに
モール内のドコモショップに行った時の事だ


待ち時間が長くあるため
父と女性が頻繁に通ったドトールコーヒーへ


女性は店員さん達ともずいぶん親しげだ
「このオンナはー主人のムスメだあ、主人はねーなくなりましたー」

女性がそう言うと
店員さん達は
丁寧に頭を下げて
「お父さんにお顔がよく似てらっしゃいますね」


そう言われて
うれしい気持ちで
奥の席に通された


別室のブースに入ると
嬉しさは一変して
情けなくて、悔しさが込み上げた


禁煙専用のブースだった


「ここにーいっつも、おとさんが座ってえ」
とワタシをその席に座らせると
バカスカ煙草を吸い始めた

気管が弱くて
いつも咳き込んでいた父を
煙いっぱいのブースの中に座らせ
女性や別の客のタバコの煙を
父に浴びせていたかと思うと

ぞっとしたし
情けなくなった


タバコを吸いながら
エスプレッソを飲む女性は
気をよくして
ワタシの心読めずまま
饒舌になっていった


兄と相続の話は進まず
イライラする女性は
今後は兄の味方ではなく
女性の指示に従ってほしいこと

兄とは距離を置くこと

生前の父は
女性をちっとも援助してくれなかったという
愚痴をいい
父をケチだと笑った


そうかと思えば
父は男気があって
お金の払いが良いから
父の子供なら同じように
お金払いが良い人にならないといけない



諭すように話す



ワタシが何も知らないとでも
思ってるのかと


もうワナワナした


話半分で何とか聞き流し
スマホの残金を支払いに行き
そのスマホはワタシが引き取った




そのスマホの中には
ドトールコーヒーでの
喫煙ブースでの女性の写真が残っている
父が撮ったものだ



これは父からのメッセージに違いない


女性は父と写真を撮らなかった
いろいろ旅をした割には
写真1枚すらなかったのた



これもいつか必要な時がくるかもしれない



つづく



















詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2025-03-04 16:32:00 | 日記
通夜、葬儀では
悲しみを表す表現なのか
チッチッと舌打ちを打ち
冷静さを保とうとしていた女性が



ワタシを1番理解をしてくれている
ご近所を呼び
おいおい泣いて
何か懇願しているような姿だった


なんだか少し
ゾッとした


少しして帰られる前に
「Sちゃんも大変じゃけどねーおばちゃんらはいつもSちゃんの味方よ....」


どうやら
父の娘であるワタシを頼りたいこと
今後は仲良くしたいということ


そんなことも
泣きながら頼んだようだった


慰め役になった
ワタシの大好きなおばちゃんも
致し方なく
ワタシを説得する役になってしまったのだ


父や母
そしてワタシが大切にしているご近所にまで
迷惑をかけられない



うわべだけでも
女性の少し助けになるようなことをしようか
父のために.....

そうも思い
心を許さずとも
優しい接し方をすることにした


でも
そもそも
ワタシは女性には
嫌な接し方をしたことがない
それどころか
割と気を遣ってきた方だった


お金を遣わなかったことが
女性に不満をもたらしたのだろう



午後になると
また厄介なことが起きた



朝1番に連絡をしていたという
保険屋のHさんが来られた


ワタシはHさんを見て
あぁしまった、と
うっかりしていた自分が
とても恥ずかしい
すぐに連絡をしなければいけなかったのに
なんてことだろう
長年支えてくださり
父がとても頼りにしていたHさんに
訃報を伝えるのを忘れていたのだ




ワタシや息子
親子三代お世話になっているというのにだ



それなのに
Hさんは
優しく言葉をかけてくださり
仏前に座り丁寧に
父とお別れをしてくださった



ところがなんと
あの女性は
仏間で生命保険はいくらもらえるのか
いつもらえるのか

そんな話を始めた


父が亡くなって
生命保険がいくらもらえるのか知りたいために、保険屋さんに電話をしたのだった




まだ父の葬儀が前日だったというのにだ




Hさんもいささか驚いているようだったが




ワタシ達と女性との関係も
よく知ってくださる訳だから
また日をあらためて
兄が同席しているときに
という話になった




「色々あるようでしたら、相談してください」
Hさんの言葉には


ワタシは少し甘える場所ができて
嬉しかった



つづく







詐欺に出会って、お父さんは天国へ行きました

2025-03-02 16:48:00 | 日記
話は前後しますが
父が息を引き取り
担当の医師からは
父のレントゲンをワタシと兄に見せながら

「風邪は万病のもと、ということです」
と言葉を括られ


エレベーターの前まで送ってくださり
「お力になれなくて、残念です」
と一礼され


ワタシ達は病院をあとにした


頭の中も
体も
フラフラになりながらも
ワタシはとにかく住職、父の友人、知人
会社関係の方、親しいご近所の方々、親戚へ
父が亡くなったことを伝えた

誰もが信じられないと言った風だ

ワタシが出来る限りのことを務め
通夜、葬儀の手配をし


兄はその支払いを全てしてくれた


父の姉(伯母)が
高齢にもかかわらず
広島から駆けつけてくれた


そして
「お父さん、肺は1つじゃったん?2つあったん?」


え?どういうこと?


伯母の話では
父はまだ母と出会う前
肺の手術を受けていたのだそうだ


この話しを聞いて合点がいった
父の胸にある古い傷跡は
その手術の後だったのだと
この時初めてわかった


母に余計な心配をかけないためだったか
父はこんな大事な話を母にもしなかったらしい


そんな父だから


母が長く闘病生活であったこと
旅行にも行けなかったこと
食事も困難であったことを
女性にも話していなかったそうだ



女性はワタシに
「おとさんは、おかさんのところへ行きましたね、おかさんは何の病気でしたか」
そう聞いてきた位だ


葬儀には
女性の息子、娘も来てくれて
母である女性を一生懸命慰めるのを見ると
親想いな子供だと思った
母親に対する気遣いが良すぎて
少し驚いたくらいだ



日本で葬儀が済んで
色々手続きが進めば
女性の国で
もう一度葬儀をあげるという



葬儀を終え
翌日実家で見たのは


つづく