ついででも何でもない
頂き物のビールがあるからといって
わざわざ家まで車を走らせることなんて
父はしない
元より来るつもりでいて
きっかけを待っていたような
そんな気は的中した
インターホンに
ご機嫌よく
「Sちゃん?ワシじゃあ!」
までは、いつもと変わらず
ワタシの気のせい?
玄関で
「ほい、ビールぢゃ、呑んでくれ」
「なら、帰るよ」
という
え?
ウチまで来て、玄関先で帰る?
おかしい
それだけ?
そしたら
玄関を閉めながら
父は
「別れるかもしれんのぢゃー、まあそういうことじゃ」
それを言いに来たのだと
わかった
やっぱりだ
ワタシは父に
「せっかくなんだから、コーヒー飲んで、ゆっくりして帰ってよ」
と
話を聞くことにした
この話が
つづく