行きの車中でも
ワタシを退屈させない父
叔父の法事に集まられた方々は
叔父の人柄と
父への信頼度の高さもあって
どなたもが
父の所へ来て
久しく会えて嬉しいと
挨拶をしてくださり
とても歓迎をしてくださった
父と仲の良い姉(おば)も来てくださり
何かと面白がって話をする
すると
すぐに周りに人が自然と集まり
2人がスターにも見えてくる
会食が始まると
ひとたびお酒が入る
父と姉が
呑む勢いに加えて
ますます会話が弾み
やはり
別の席から1人
また1人と
親類が来られては
話を盛り上げ
笑いの渦が巻き起こる
父の足元を見ると
空になったビール瓶が
ボーリングのピンのように並べてあり
もう焼酎をダブルで頼んでいた
どんどん饒舌になる父は
昔話にも花が咲き
伯母は
ワタシの知らない父の話を
いろいろ聞かせてくれた
その時に思ったのは
普段あまりに
会話らしい会話をしていないことが
どんなに父を淋しくさせていたのだろうかと
悲しい気持ちになる
冷静なワタシがいた
運転手だから
ワタシはノンアル
時々ワタシに
「かわいそうに、かわいそうに」
って
ノンアルコールビールをグラスに注いでくれる父の顔に
「あーたのしい、うれしい」と
書いてあるようにみえるのだから
ノンアルの力やいかに
故郷で
大好きなお酒をしっかり呑んで
懐かしい誰ともの再会を
喜んでいる姿が
いとおしかった
つづく
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