□本日落語一席。
◆古今亭菊之丞「干物箱」(衛星劇場『衛星落語招待席』)。
紀尾井小ホール、令和5(2023)年5月27日(紀尾井らくご「古今亭菊之丞独演会」)。
菊之丞の「干物箱」など、何度も聞いているんじゃないかと思って、あらためて調べてみると、2006年以後の鑑演記録には一席も出てこなかった。記録をつけていなかった2005年以前に聞いたのだろうか。その可能性はあるけれど、でも、何度もという記憶はどういうことだろう。
今回、菊之丞の「干物箱」を聞いていて、おや?と思ったことが一つ。湯へ行くという理由でなんとか外へ出ることができた若旦那だが、身がわりとして自分の声色が巧いという貸本屋の善公を思いつく。
この思いつくところだが、菊之丞は、自分自身のひらめきでなく、道を歩いている途中で幇間(?)と出会い、それに善公の声色のことを教えてもらい、善公を訪ねるという展開で語っていた。
しかし、ここはふつう若旦那自身が思いついて、一目散に直接善公を訪ねるという筋だったはず。こういう型もあったっけ?と思って、安直で確かめられる範囲で聞いてみた。
まず、同じ古今亭で、五代目古今亭志ん生、古今亭志ん朝、十代目金原亭馬生、五街道雲助。これは、みんな直接型である。
あと、柳家で、入船亭扇遊、柳家一琴。これも直接型。あと、ランダムだが、八代目桂文楽、林家たい平、三遊亭兼好。どれもみんな直接型だ。いったい菊之丞はこの型をどこから継承したのだろう。自分でこしらえたのだろうか。とても気になる。
◆古今亭菊之丞「干物箱」(衛星劇場『衛星落語招待席』)。
紀尾井小ホール、令和5(2023)年5月27日(紀尾井らくご「古今亭菊之丞独演会」)。
菊之丞の「干物箱」など、何度も聞いているんじゃないかと思って、あらためて調べてみると、2006年以後の鑑演記録には一席も出てこなかった。記録をつけていなかった2005年以前に聞いたのだろうか。その可能性はあるけれど、でも、何度もという記憶はどういうことだろう。
今回、菊之丞の「干物箱」を聞いていて、おや?と思ったことが一つ。湯へ行くという理由でなんとか外へ出ることができた若旦那だが、身がわりとして自分の声色が巧いという貸本屋の善公を思いつく。
この思いつくところだが、菊之丞は、自分自身のひらめきでなく、道を歩いている途中で幇間(?)と出会い、それに善公の声色のことを教えてもらい、善公を訪ねるという展開で語っていた。
しかし、ここはふつう若旦那自身が思いついて、一目散に直接善公を訪ねるという筋だったはず。こういう型もあったっけ?と思って、安直で確かめられる範囲で聞いてみた。
まず、同じ古今亭で、五代目古今亭志ん生、古今亭志ん朝、十代目金原亭馬生、五街道雲助。これは、みんな直接型である。
あと、柳家で、入船亭扇遊、柳家一琴。これも直接型。あと、ランダムだが、八代目桂文楽、林家たい平、三遊亭兼好。どれもみんな直接型だ。いったい菊之丞はこの型をどこから継承したのだろう。自分でこしらえたのだろうか。とても気になる。