□本日落語三席。
◆立川龍志「らくだ」(衛星劇場『衛星落語招待席』)。
国立演芸場、令和3(2021)年5月18日(噺小屋「一天四海/田植の刻」)。
時間が押しているとのことで、もしかしたら途中で終るかもしれず、幕が下りたらそこで終了だと思ってくれと言って始めた「らくだ」だった。でも、結果的に、きっちり「冷やでいいから……」の落げまでつけるという完演である。
「らくだ」は、ときによって、落げまで演らず長屋での屑屋とらくだの兄貴分とのやりとりだけで終えることもあるので、今回はこれかなと思ったけれど、きっちり最後まで演りきったというのはさすがである。上演時間は三十数分だったろうか。
さて、この時間が押していたということと関係するのかどうか、おや?と思ったところがある。屑屋がらくだの兄貴分に言われて大家のところへ使いに行くプロット。実のところ、一箇月半ほど前に、三遊亭遊子の「らくだ」を聞いて、おや?と思ったのも同じプロットだった(https://blog.goo.ne.jp/chikurin0223/e/3ed98185a79ecd6d9824e3e66d4b4204)。ただし、今回は、おや?の内容が異なる。
龍志の屑屋は、大家のところへ使いに行くも、らくだの死んだことを告げたあと、酒肴の調達を大家に言わなかった。らくだが死んだと言ったあとに、「大家と言えば親も同様……」のよくあるフレーズを述べて、ゆえに、らくだの亡骸をここを運んできて、死人にカンカンノウを踊らせると言ったのである。つまり、酒肴の部分をとばしてカンカンノウの話に入ったかたちである。
次の、らくだの兄貴分のもとへ戻った件(くだり)では、いちおう屑屋は、大家に酒肴を要求してきたけれど、拒まれたという体にはなっていた。
はたして、これは、龍志が時間の節約としてあえてそうしたものか、それとも、酒肴要求の件を言い忘れたのか、どっちだろう。もし、前者として演ったのだったら、カットするのはよいとして、少しでも、そのことを述べたかのような言辞を置かなければならなかったのではないだろうか。
もし、初めて聞いた人がいたのだったら、何があったんだ?と思うだろう。
大家へ屑屋が使いに行くプロットは、ややこしいことが多いのか。
◆『笑点』若手大喜利:春風亭昇太(司会)/林家たい平・林家きくお(現二代目林家木久蔵)・神田北陽(現三代目神田山陽)・五明楼玉の輔・三遊亭遊馬・立川笑志(現立川生志)(BS日テレ『笑点 なつかし版』)。
後楽園ホール、平成13(2001)年2月11日OA(『笑点』第1752回)。
◆『笑点』大喜利:五代目三遊亭圓楽(司会)/三遊亭小遊三・三遊亭好楽・林家木久蔵(現木久扇)・桂歌丸・三遊亭楽太郎(現六代目円楽)・林家こん平(BS日テレ『笑点 なつかし版』)。
後楽園ホール、平成13(2001)年2月11日OA(『笑点』第1752回)。
◆立川龍志「らくだ」(衛星劇場『衛星落語招待席』)。
国立演芸場、令和3(2021)年5月18日(噺小屋「一天四海/田植の刻」)。
時間が押しているとのことで、もしかしたら途中で終るかもしれず、幕が下りたらそこで終了だと思ってくれと言って始めた「らくだ」だった。でも、結果的に、きっちり「冷やでいいから……」の落げまでつけるという完演である。
「らくだ」は、ときによって、落げまで演らず長屋での屑屋とらくだの兄貴分とのやりとりだけで終えることもあるので、今回はこれかなと思ったけれど、きっちり最後まで演りきったというのはさすがである。上演時間は三十数分だったろうか。
さて、この時間が押していたということと関係するのかどうか、おや?と思ったところがある。屑屋がらくだの兄貴分に言われて大家のところへ使いに行くプロット。実のところ、一箇月半ほど前に、三遊亭遊子の「らくだ」を聞いて、おや?と思ったのも同じプロットだった(https://blog.goo.ne.jp/chikurin0223/e/3ed98185a79ecd6d9824e3e66d4b4204)。ただし、今回は、おや?の内容が異なる。
龍志の屑屋は、大家のところへ使いに行くも、らくだの死んだことを告げたあと、酒肴の調達を大家に言わなかった。らくだが死んだと言ったあとに、「大家と言えば親も同様……」のよくあるフレーズを述べて、ゆえに、らくだの亡骸をここを運んできて、死人にカンカンノウを踊らせると言ったのである。つまり、酒肴の部分をとばしてカンカンノウの話に入ったかたちである。
次の、らくだの兄貴分のもとへ戻った件(くだり)では、いちおう屑屋は、大家に酒肴を要求してきたけれど、拒まれたという体にはなっていた。
はたして、これは、龍志が時間の節約としてあえてそうしたものか、それとも、酒肴要求の件を言い忘れたのか、どっちだろう。もし、前者として演ったのだったら、カットするのはよいとして、少しでも、そのことを述べたかのような言辞を置かなければならなかったのではないだろうか。
もし、初めて聞いた人がいたのだったら、何があったんだ?と思うだろう。
大家へ屑屋が使いに行くプロットは、ややこしいことが多いのか。
◆『笑点』若手大喜利:春風亭昇太(司会)/林家たい平・林家きくお(現二代目林家木久蔵)・神田北陽(現三代目神田山陽)・五明楼玉の輔・三遊亭遊馬・立川笑志(現立川生志)(BS日テレ『笑点 なつかし版』)。
後楽園ホール、平成13(2001)年2月11日OA(『笑点』第1752回)。
◆『笑点』大喜利:五代目三遊亭圓楽(司会)/三遊亭小遊三・三遊亭好楽・林家木久蔵(現木久扇)・桂歌丸・三遊亭楽太郎(現六代目円楽)・林家こん平(BS日テレ『笑点 なつかし版』)。
後楽園ホール、平成13(2001)年2月11日OA(『笑点』第1752回)。