竹林亭白房

米福「佃祭」★落語

□本日落語一席。
◆桂米福「佃祭」(NHK-Eテレ『日本の話芸』)。
埼玉県鳩山町文化会館、令和4(2022)年6月10日収録(「東京落語会」)。
オープニングトークで、この噺は瀧川鯉昇に稽古をつけてもらったと紹介していた。そして、落げに関係する当時の俗信や迷信の話題を、マクラなどでていねいに仕込む必要があることを教えられたとのこと。

実のところ、鯉昇の「佃祭」は七年前に聞いたことがある(高座は九年前のもの)。平成25(2013)年7月18日(第541回「TBS落語研究会」)である。そのときの鑑演メモで、「マクラで歯痛に戸隠さまへ願をかけて梨を橋の上から流す話などを振っている」のは、「落語研究会」という御通家ばかりが足をはこぶ落語会にしては、とてもていねいだと「日記」に記している。
鯉昇は、自身の心がけを米福にも伝えたということだろう。そして、米福はここに自身のちょっとした独自のマクラも加味していたように思う。

また、鯉昇の鑑演メモでは、「治郎兵衛が、生きて帰ってきたときに、驚いた町内の者が、次から次と『じぃーーー』と言って、蝉の鳴き声のような奇声を発するというクスグリがおもしろい。鯉昇オリジナルか」とも書いてある。忘れていたが、今回、米福も同じようなクスグリを入れていたので、嗚呼、ここも米福は鯉昇に教わったとおり演ったのだと知る。

いずれにしても、昨今「佃祭」で、落げまできっちり演る型を久しぶりに聞いた。落げまで演らなければ、俗信・迷信の仕込みもいらなくなるわけだが、これはやはり最後の落げまで聞きたい落語である。
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