竹林亭白房

五代目小さん「意地くらべ」★落語

□本日落語三席。
◆柳家花緑「竹の水仙」(WOWOWライブ『日本最大の落語フェス『博多天神落語まつり』2022其の壱)。
FFGホール、令和3(2022)年11月5日(第16回「博多天神落語まつり」※柳の会)。

◆桂文珍「携帯供養」(NHK総合『新春生放送!東西笑いの殿堂2023』)。
東京渋谷NHK112スタジオ、令和5(2023)年1月3日生放送。

◆五代目柳家小さん「意地くらべ」(日本文化チャンネル桜『落語動画』)。
※公演情報不明。
強情物というジャンルでくくれるほど、この手の落語は多くないかもしれないけれど、よく聞かれるのは「強情灸」だろう。もしかすると、「三方一両損」なんかも強情物かもしれない。

「強情灸」がしばしば聞かれる頻度とくらべると、この「意地くらべ」はかなり少ない。ちなみに、自分の鑑演記録だと、2011年以後、今日聞いた五代目小さん以外では、2014年3月10日に六代目(七代目)柳亭小燕枝「意地くらべ」の一席しかない(2013年「NHK東京落語会」第653回)。
「強情灸」にくらべると、クスグリなどの入れどころもあまりなく、ひたすら金銭の貸し借りが話題として続くので笑いが少ないネタだというところに、上演が敬遠される要素があるのだろうか。

なお、今回はネットから聞いた音だが、2005年9月5日にNHKラジオ第一『ラジオ名人寄席』で聞いているという自分の記録がある。こちらの公演情報は、会場が記されていないが、昭和54(1979)年2月22日のものだとするメモがある。収録なのかOAなのかは不明。

川戸貞吉『落語大百科』によると、もとは初代三遊亭圓左によってネタおろしされた新作だが(作者は劇作家の岡鬼太郎)、その後、三代目小さんから四代目小さん、そして、この五代目小さんへと継承された噺である由。
五代目小さんは、二通りの型を使いわけていたらしい。そうすると、『ラジオ名人寄席』で聞いたものと、今日のが同じか否かとても気になるところだが、ここは永遠の謎か。

上方落語では「強情」という演題でしばしば掛けられる。ただし、こちらもさほど多くはない。ただ、そのなかで桂福丸が、この噺を「強情」という題でなく、「意地くらべ」という題で上演していたことがあった(2008年11月18日「福團治一門会」)。
上方の落語家が演る「強情」と東京落語の「意地くらべ」は、内容に差異がないと認識しているのだけれど、福丸が「意地くらべ」という題を出していたのはどうしてだろう。機会があったら聞いてみたい。
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