米国の関税アップで雑貨の街、イーウーにおける、中国→アメリカの輸出は、どう変わっているのか？

こんにちは！

　こちらイーウーで生産しているのは庶民の生活に直結している、雑貨が中心です。　
私が使っている様な工場の様に、＜ごく＞まれに、品質の良い製品を格安で作れる工場もあります。
ただ基本的には、イマイチな商品を多量に生産して格安で販売しています。

今回の25%の関税インパクトは一番大きいと思いますが、私が去年の8月に浙江省のイーウーに来てから、アメリカ大統領による、大きなインパクトは計三回有ったと思います。


1.　万国郵便連合からの脱退

　イーウ→日本への航空郵送料が17元/kgと激安で、正直日本国内→日本国内の運賃よりも
中国→日本の運賃と変わらない！？　という不思議な状況でした。　まあ、実際は関税、消費税が
掛かってくるのと、私たちの中国→日本の物流が多くて大口料金が適用されているので、単純に比較するのは正しいとは言えませんが。

ただ、これは日本の運送企業の自社上海事務所が請け負っているので、特に問題ではないと思うのですが、トランプ大統領が問題にしたのは、中国の代理店が激安で請け負ってきた商売をアメリカの郵便局が配達しなければいけない案件です・・・

kg辺りの基本運賃が日本と遥か太平洋の向こうのアメリカで同じでしたから・・・　まあ燃料サーチャージ追加料金は日本向けより高かったですけど・・・　トランプ大統領が問題視した瞬間、アメリカ向けの価格が８０％くらい上がりましたね～～～　運賃負担が通常になった（大きくなった）ことで薄利多売のイーウーの会社に取って、一発目の大きなパンチになったと思います。


2.　関税10%

　ここはイーウーの工場は原材料に安いのを使う様になりました。　
私が知っているカバンでは、見た目がホボ同じでも触感のゴワゴワした生地だったり、よく見ると質感の劣る生地だったり、金属フックをプラスチック製品に変えたり、ファスナーを変えたりですね。　ハッキリ言って、ほとんど分からない・・・
　
また、アメリカの大きな会社のバイヤーさん達は、原則＜中国　プラス　東南アジアに拠点がある＞メーカーさんじゃなければ今後付き合わない、と宣言をする様になってきました。　しかし家族企業が大半のイーウーの会社では、そんな事、とてもじゃないけれど、出来ません。


3.　関税25％

　一部のこちらの企業は、＜中継貿易＞をしています。　＜中継貿易＞、と言うのは一旦、タイなりフィリピン等、東南アジアの国に出荷して、
＜Made in China>　シールを剥がして、下にはその国のシールが出現。。。。堂々と東南アジア製としてアメリカに輸出・・・

いやあ、たくましすぎて、笑っちゃいますけどね。
また、中国国内や日本を含む他国への販売強化もやっているみたいです。

ただ、アメリカのバイヤーさんたちは現在のオーダーは予定通り買い取るみたいですが、その後の新規発注予定に関してはキャンセルしたみたいですね。　今後三か月後くらいから、アメリカバイヤーさんとのビジネスが無くなる訳ですから、このダメージはイーウーの企業には非常に大きいと、メーカーさんたちも言っています。

多分、中国国内でもアメリカ製品が値上がりするし、庶民の心情的にアメリカ製品が売れなくなると思うので、ここは一つ代わりに日本製品を買ってもらえると良いかも知れませんね！


鈴木康一郎（こういちろう）

中国に滞在して、本当に良い商品を作り出す為に情熱を燃やしています。

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