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聴刻堂日乗

映画「日の名残り」

映画「日の名残り」を観た。

1993年の英米合作。
監督はジェームズ・アイヴォリー。
原作はカズオ・イシグロ。
出演はアンソニー・ホプキンス、
エマ・トンプソンほか。

第二次世界大戦前。英国の貴族の
屋敷。執事の男が主人公だ。

屋敷内の使用人を率いて遺漏なく
主人に仕えることに誇りを持って
いる。執事は、彼にとって職業や
役割というよりも、彼そのものだ。

英国貴族の暮らしぶりが興味深い。
装飾や服装、食事の様子等。また
会合のシーンでは、英仏伊独各国
の貴族達に米国大使が加わると、
欧州と米国の違いがよく判る。

主人公は堅物の仕事人間。恋愛に
は不器用だ。互いに信頼し合って
いた女中頭から告白されるが、機
を逃してしまう。

主人の貴族は、人間的には温厚で
立派な人だが、政治的にはナチを
支援するなど誤りを犯し、戦後に
没落する。

新しい屋敷の主人はアメリカ人。
使用人の募集に、かつての女中頭
から連絡があり、男は迎えに行く
のだが・・・。

原題は"The Remains of the Day"
人生の晩年、その日の名残りを
人はどんなふうに迎えるのだろう。

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