ラフカディオ・ハーン。
日本国籍取得後は小泉八雲。
島根の人というのは勝手な印象。
日本に住んだのは15年。
そのうち松江にはわずか1年だけ。
その後、熊本に3年、神戸に2年。
あとは東京だ。
来日して初めて住んだのが松江。
松江で小泉節子夫人と結婚。
八雲の名前は、出雲国の枕詞
「八雲立つ」に因むと言われる。
松江に思い入れはあったろう。
「怪談」を著す。
中でも「耳なし芳一」は有名だ。
悪霊に祟られて全身にお経を書く。
耳だけ書かず、耳を取られた話。
昔読んで、それしか覚えていない。
本を借りてきて改めて読み返した。
いろいろな再発見があった。
舞台は島根県でなく下関の弥勒寺。
悪霊は壇ノ浦に沈んだ平家の者達。
そうか、芳一は琵琶法師なんや。
全身に書いたお経は般若心経。
「色即是空、空即是色」のやつ。
耳に経を書き忘れた和尚が笑える。
「芳一、気の毒なことをした。…
耳にだけ書くのを忘れた。…
小僧にその分はまかせておいた。…
今となってはいたし方ない。…」
えらい軽いノリや。
部下に責任転嫁する あかん奴や。
最後の言い草がまた奮ってる。
「もうこれから先は危ない目にあう
ことはない。もう二度と…呼び出さ
れることはないのだから」
耳がなければ呼ばれても聞こえん。
小泉八雲はブラックなユーモア?