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聴刻堂日乗

「一線の湖」(砥上裕将)

「一線の湖」(砥上裕将)を読ん
だ。

「線は、僕を描く」の続編。
前作に劣らず良かった。

自分の場合、まず「線は、…」の
映画を観たのだ。それで水墨画の
世界を初体験。ダイナミックな
揮毫会の様子もそれで知ることが
できた。

その後、原作の小説「線は、…」
を読んだ。小説の方が映画よりも
人物描写等が深くて感動的だった。

そして今回、続編の小説。
二作目はマンネリ化しがちだが。
主人公の成長とともに、水墨画の
世界も広がり、深まってゆく。
一作目にとどまらず、二作目も
読んで良かったと思った。

水墨画を描くシーンの文章表現は
心が動く。著者の真骨頂だろう。
目の前に絵が現れてくるようだ。

それは自分が映画を観て、水墨画
を少しは見知ってるからでもある。
この本を読むのは、「線は、…」
の映画を観てからがおススメだ。

読書や映画の"体験"が、積み重な
って自分を作り、それがまた新た
な"体験"につながっている。
面白いことではあるなぁ。

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