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指針にする言葉…A.グラムシ

2015年12月14日 10時48分31秒 | PoemStation 過去ログ
ちゅうたしげるのPoemStation 2005年10月14日(金)

私が大学5年生(22歳)の時出会った言葉
アントニオ・グラムシ「獄中からの手紙」

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 「こういうことをどうしてきみに書いたのだろうか? 私がこれまでにすでに恐ろしい条件のなかで生きてきて、しかもそれによって絶望しなかったことをわかってもらうためです。これらの経験は私の性格を堅固にしました。私が確信しているのは、万事休するかそう思われるかするときでも、落ち着いてふたたび仕事に着手し、始めからやりなおさなければならない、ということです。私が確信しているのは、いつも自分自身と自分の力だけを当てにしなければならず、だれからもなにも期待しないようにし、したがって失望を招かないようにしなければならない、ということです。なしうる能力と条件のあることだけをしようとし、自分の道を行くことが必要である、ということです。私の道徳的地位は大したものです。ある者は私を悪魔のように思い、ある者は私をほとんど聖者のように思っています。私は殉教者のまねも英雄のまねもしたくはありません。私は、ただふつうの人間で、それなりの深い確信をもち、いかなることがあろうと少しもそれを曲げないだけだ、と思っています。

 だから、元気を出して、・・・・。いつも自分を取り巻く環境に打ち勝ち、しかもその環境を軽蔑したり、優越感をもったりしないことです。理解し推論することです。小娘のようにめそめそしないことです!わかってくれたかしら?・・・」

 (「グラムシ獄中からの手紙 愛よ知よ永遠なれ1」大久保昭男・坂井信義訳、大月書店、P140,141)

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 A・グラムシはイタリア共産党創立者の中心人物。国会議員になりファシスト ムッソリーニと渡り合った理論家、政治家。イタリアファシズムと果敢に戦った。わたしが22歳の時卒論を書きながら出会った言葉。教員採用試験を不合格になり行く末に暗澹としていたころ励まされた。それからもつらい経験をするたびに読み返してきた。

 この言葉を若い人たちに贈ろう。

 グラムシは当時監獄に囚われていた。生来身体に障害を持ち、囚われてから過酷な日々の中で「まもなく死ぬにちがいない、という考えに馴れっこになった」と死を覚悟していた。病気で病院に解放されたが、46歳でこの世を去った。

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