アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

『命ある限り』のアキラ、受賞おめでとう!

2013-01-24 | インド映画

『命ある限り』の字幕、とりあえず一次訳が終了しました。ここのところテンパってたのは、そのせいです。上映時間175分(多分)で字幕タイトル数は1900弱と少なかったのですが、インド独特の論理で引っかかってしまいまして、苦戦しました。いや、まだ過去形じゃないですね。苦戦中、というところでしょうか。この先字幕が完成するまで、まだまだ二山ぐらい越えないといけません。

『命ある限り』には、ご存じのように主人公が3人登場します。サマル(シャー・ルク・カーン)、ミラ(正しくはミーラーですが、音引き取りました/カトリーナ・カイフ)、そしてアキラ(アヌシュカー・シャルマー)です。ラフなストーリーはこんな感じです。

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サマルは軍の爆発物処理専門家。テロリストらが仕掛けた爆弾を防護服なしで見事に処理するので、”死なない男”と言われている。ある時、ラダックのレーでの爆弾処理が終わり、その後静かな場所に行ったサマルは、湖に飛び込んで溺れそうになっていたアキラを助ける。びしょ濡れの彼女に軍服の上着を着せ掛けて去ったサマルだったが、そのポケットに日記を入れたままにしていたことに気が付かなかった。

ディスカバリー・チャンネルの臨時スタッフであるアキラは、21歳でバリバリの現代っ娘。だが、偶然サマルの日記を見てしまったアキラは、そこに書かれた激しくも哀しい愛の物語に心を打たれる。10年前、ロンドンで働いていたサマルは、ミラという女性と出会い、恋に落ちたが、ある事故をきっかけに彼女と別れてインドへ戻ってきたのだった。サマルに興味を持ったアキラは、彼を取材して、”死なない男”というタイトルで番組を作ろうと企画する。

軍隊での2週間の取材中、アキラはサマルとその部下に密着する。様々な出来事があったが、終わってみるとアキラはすっかりサマルに恋していた。だが、サマルの心にいるのは今でもミラだけ。それを知りながらも、「私を恋人にどう? 私なら大当たりよ」とアキラは明るくサマルに迫る。別れ際も、「友だちとしてのハグなんてご免こうむるわ。キスしてよ」と大胆に迫るアキラ。そんなアキラに、サマルも徐々に心を開いていくのだった。

アキラが編集した番組「死なない男」は、ディスカバリー・チャンネルのロンドン本局で採用されることになった。放送に際して、局上層部による内容確認のためロンドンに来るよう言われたサマルは、10年ぶりにロンドンの土を踏む。サマルは来ないものと思っていたので、大喜びするアキラ。だが、その時交通事故が....。

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結局サマルとミラは、この交通事故をきっかけに10年ぶりに再会するのですが、この事故あたりから「韓流」ドラマタッチになっていきます。ただそこに、インドらしい神と人間とのやり取りが入ってきて、訳しにくいセリフがてんこ盛りに。「えーい、面倒ぢゃ!」とイラつきながら字幕を作っていったのですが、読み返してみるとわかりやすさがいまひとつ。仮ミックス(字幕と映像を仮に合わせて作られる素材)を見ながら、またまた悩む日々が続きそうです。

そんな中、救いとなったのはアキラのキャラ。勉強も出来て頭がいい上、スポーツ万能というアキラは、常に前向きの明るい女性。言い回しも楽しくて、全訳できないのが残念です。ご参考までに、アキラ語録を1つ2つ。

Dekho main na, 21 saal ki hoon.  Aaj ki instant make-out, instant break-up ki generation ki ladki hoon. (直訳:いいこと、私はね、21歳なの。今ドキの、すぐくっついてはすぐ別れる世代の女の子なのよ)

Ab dekho yaar, do hafton ke liye na, main aap ko bahut pareshaan karne wali hoon, jyaada bolne ke liye, jyaada khane ke liye, aur bahut jyaada gaaliyan dene ke liye. (直訳:いい、みんな。2週間の間、私はあなたたちをすっごく困らせることになるはずよ。いっぱいおしゃべりをするのと、いっぱい食べるのと、それからうんといっぱい罵り言葉を吐くことでね)

こういったセリフをアヌシュカー・シャルマーが言うと、ドンピシャでハマります。セリフだけでなく、頑ななサマルを相手の思惑などお構いなしに攻撃していくその行動ぶりも、彼女が演じるとすっごいさわやか。画面を見ながら何度、「サマルぅ~、アキラにしとけ~。ミラなんかほっといて、この娘と結ばれろ~」と叫んだことか。さーて、結末がどうなるかは、映画をご覧になってのお楽しみ、ということで。そのアキラの魅力が全開する歌「Jiya Re」のシーンはこちらです。

で、昨日「インド映画通信」というソニアさん(この新しいお名前に、まだちょっと慣れませんが...笑)のブログをチェックしていたら、「フィルムフェア」誌賞の結果が載っていて、『命ある限り』のアヌシュカー・シャルマーが助演女優賞を獲得したことがわかりました。アヌシュカー、おめでとう! 『カハーニー 物語』が監督賞と主演女優賞を受賞したことも嬉しいですが、アヌシュカーの演技が評価されたことがもっと嬉しい。あと、前述の歌「Jiya Re」を歌った女性歌手ニーティ・モーハンも、R.D.バルマンの名を冠した新人歌手賞を受賞しています。

シャー・ルク・カーンも『命ある限り』で主演男優賞にノミネートされていたのですが、残念ながら作品賞も獲得した『バルフィー!』の主演男優ランビール・カプールにさらわれてしまいました。でも、シャー・ルクの二役とも言える演技は見ものです。特に、インドに戻って10年後のサマル(上写真)は、ひげ面というせいもあって、ついイチローが二重写しに。そういうキャラの魅力がちゃんと出ているか、これから字幕を点検します。カトリーナ・カイフのミラですか? あーーー、とってもきれいです。(そんだけ~?)

 


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4 コメント

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遅くなってしまいましたが、 (やっほー)
2013-01-26 05:56:57
ブロク2周年、おめでとうございます。

これからもアジア映画を熱く語ってください。
楽しみにしています。

「JTHJ」、cinetamaさんが字幕をつけてくださるのですね。
嬉しいなあ。

アヌシュカ演じるアキラ、パンチがきいててなおかつチャーミングですよね。
字幕なしで見て、それでもそう感じたので、これにcinnetamaさんが日本語をつけてくださったら、さらに彼女の魅力が光るんじゃないかなあ、と今から楽しみです。
そして、髭シャールク。
すごく素敵でした。
こちらもいったい彼が何をしゃべっていたのか・・とワクワクします。

主演男優賞はランビール・カプールでしたか。
「バルフィー!」はDVD持っているのに未見なので、さっそく見てみたいと思います。

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やっほー様 (cinetama)
2013-01-26 10:06:23
コメント、ありがとうございました。お祝いのお言葉も、嬉しいです。

いやー、アキラのあの魅力が字幕で出せているかというと、大いに疑問です、どころか、ムリですねー。とりあえず、正確さとわかりやすさを追求します。

ついでながら、『きっと、うまくいく(3 idiots)』は、いとうせいこうさんが監修に入って下さって、いい字幕になりそうです。こちらもただ今完成に向けて作業中。
『タイガー 伝説のスパイ』と『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』は藤井美佳さん(沖縄国際映画祭の『Ready』等インド映画全作品を担当)の字幕です。この2本もお楽しみに! 
この2本、私も字幕版を早く見たいです。『タイガー』の「DD」と「Zee」のお寒いジョークは、どうなっているでしょうね....。
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再びのコメント、 (やっほー)
2013-04-24 00:51:24
失礼します。
今日、見てきました。
こちらでcinetamaさんが書かれていたところあ!あ!と思いながらみました。

正直、これを字幕なしでインドで見る暴挙に出た時は、作品自体がピンときてませんでした。
しかし、今日(正確には昨日ですが)日本語字幕で見て、実に深い愛の物語だったのだなあ、とやっとわかりました。

冒頭から泣き通す三時間でした。
最初物足りなかりなかったキスシーンも、やっと納得ができました。

セリフの一つ一つが切なくて、これぞラブロマンス!
歌のところも号泣。
まだ、目が腫れてます。
また、見に行きます。
素敵な字幕、ありがとうございます。



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やっほー様 (cinetama)
2013-04-24 01:51:55
コメント、ありがとうございました。

やっほーさんは、いつも深い見方をして下さって、本当に有り難い観客だと思います。冒頭から涙、ですか....。
これほどしっかりと受け止めて下さるとは、と、天国のヤシュ・ジーも喜んでおられるのではないかしらん。

字幕ですが、ちょっと「ダメじゃん!」のところがあるので、後日ソフト発売の時直していただくことになってます。どなたも、気がつかれませんように....。

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