近所の呉服屋 千円均一の山から
えり分けてきた ツバキ柄のゆかた地。
元値壱萬九千八百円也なんて
いくらなんでも押しが太い。
片腹痛いタグぶらさげて
ながい惰眠をむさぼっていた。
蒸気船がやってくれば
江戸幕府だとて動きやる。
「六月四日、ユカタ着用」
とこともなげにのたまう娘がいて。
柄合わせの迷いも時間切れ。
まえに、メモった身丈より伸びてるやん。
とんぼ師匠に教わって
糊気を落としてお . . . Read more
ひとりと思って気を許していると
赤き矢なんどが流れきて
おちおち用も足せたものではない
そんな時代もあったげな。
いまはウサギ小屋でも
二世帯にても
個室・鍵付きが基準とされる。
貴重なる
ひとりきりでの空間で
それでも手に取る
嗚呼、活字中毒じゃぱにーず。
『お詫び』
子育て中のおかあさま。
トイレに鍵はおろか、扉をたてることもままならぬ時代、
たしかに私にもございました。
数 . . . Read more