絵本「宇宙-そのひろがりをしろう-」

宇宙―そのひろがりをしろう 価格：￥ 1,470（税込） 発売日：1978-01

　宇宙を語るのに「ノミ」から語る人はいない。うそ。いる。それが、かこさとし「宇宙」。

　まず、むしのとびあがるたかさ、むしのとぶきょりから始まる。そして、むしのはうはやさ、むしのとぶはやさ。エスキモー人のブランケット・トスの高さ（知らんがな）。アーチェリー（フットバウ級）の飛距離世界記録1702m（1970年）、世界の建物高さくらべ。新日鉄大分高炉120m。建造物マニアか！打ち上げ花火の高さでは「八重心菊」とか「かむろやなぎ」とかって、花火マニアか！さらに様々な球技の球速くらべ、乗り物の速さくらべ。荷車からターボジェット車まで。と思えば飛行機のページが独立して4ページもあった。人力から戦闘機まで数十種。飛行機マニアか！ロケットの歴史のページでは、兵器の飛距離くらべ。三笠30cm砲12km、長門40cm砲38km、大和46cm砲41km、列車砲グスタフ（ドイツ）130km。さらに迫撃砲や高射砲、多弾頭各個誘導ミサイルに多弾頭巡航機動ミサイルの軌道の違いとか、いったい子供に何を教えようというのか。そして人工衛星、太陽系の惑星、星の大きさ、銀河系と続いていって、最後には150億光年のひろがりに到達する。1978年の本だけど、今読んでも面白いよ。ところで、「はしるはやさ」のページに出ている当時の男子1500m走の世界記録は3分32秒2だって（1974年）。現在3分26秒00の世界記録を持つエルゲルージが誕生するのは、これよりもう少し先のお話…。

　加古里子。1926年福井県生まれ。東京大学工学部卒業。著作に「だるまちゃんとてんぐちゃん」「だるまちゃんとかみなりちゃん」「だるまちゃんとうさぎちゃん」など。