ピアニスト

2011年08月17日 | ■MOVIE

La Pianiste ※ネタバレ注意

パッケージがキスシーン。
どうしてか、それが何だか変態的に見えたので
タイトルもストーリーも無視で観てみることに。
タイトル、ピアニストだったのねと後から知って
じゃあピアノの話なんかも?

あらすじは39の女エリカが主人公。
実に淡々と無表情で 絵にかいたような
厳格なピアノ教師。古い本とかで出てきそうな
男に縁が無く、男が近寄り難い感じの。美人なのに勿体無い。

父が精神病で亡くなり、物凄い口喧しい母と暮らし
ひたすら母のいいなりのような環境で育ってきたからか
スト溜まりすぎ。母の干渉が酷く、帰宅するのが遅くなって揉めた時は
流石にエリカも母にイラッ。「クソババア」と罵り頭を掴んでやるけども。

で、あまりにご縁が無いからか?ともかく、ポルノビデオとか
鑑賞しに行ったり、車で最中のカップルを覗き見したり。
普段の教師の姿からは確かにまぁ想像出来ない行為で
憂さ晴らししているようだ。そう言う性癖と言うよりも、むしろ、
経験の無い世界に憧れていると言う感じがある。

で、そんな彼女の前にある日、かなりイケ面の若い男が現れて
口説いてくる展開。この、イケ面がまじで男前。
ブノワ・マジメルと言う俳優なんだけど、この顔が画面に出てくるなら
とりあえず見れるわと言う、かなり素敵なお顔。

先生はこの生徒に対して興味を持つ、と言うより、うまいこと
自分の行きたい世界に連れて行ってもらえるかもと期待する。
先生は、ハードなSに、殴られたり罵られたりされたいと言う
未知なる世界への憧れを抱いており、実際やったことは無いから
それがいいかも分からないが、そうされたいと言う欲求を強く持っている。
多分、妄想が膨らみすぎて、先生の頭の中では、きっととてつもなく
素敵なことになっているのだと思う。

さて、イケ面青年ワルターは、ある日、強引にトイレにいる先生を追っかけてきて。
閉まっている扉の上から覗き込んで 強引に先生にトイレから出て来てもらって、
口付けを。…あの。ワルター、お前こそ変体なんでは?
先生は口付けに応えはするが、その後ワルターをちょっと弄ぶと言うか
「自分の指示」に従わせ、焦らしておいて やらない的展開。
この時点で先生は ドSな事をやってるが もしかしたら、彼女はM(に憧れている)
なので、相手を究極に追い込み襲われたいのかもな?
それともただ、言いなりにしてスカッとしたかったのかな。
ワルター、もうどうしようもないので とりあえずマラソンランナーみたいに
身体を動かしながら、自分の衝動を抑えようとして去って行く。そうもなるんでは。

先生はワルターに手紙を渡す。
ワルターは強引に、あの喧しい母親のいる先生の家に付いて来て
先生の部屋へ。そんな強引に家に押し掛けてくるのも若さだろうか。
しかし迷惑だよな。部屋でこれから先生とイイ感じになりそうな若き青年は、
自分はあなた次第だが まずは渡した手紙を読めと先生に言われる。
手紙を開いてワルターびっくり。結構ぎっしりと何枚にも書かれた手紙には
先生の妄想から来る希望で びっしり連なっている。殴ってとか、そう言う内容だ。

ワルターではなくとも、とりあえず男なら 引いてしまうだろうな。
好きと想ってる女に、じゃあやる事やるなら ハードなSを宜しくねと言う展開は。
先生にからかわれたと思い激怒するワルターに、泣きながら、
先生はそれが夢だったのだと言い、ベッドの下から それなりの小道具を出してくる。
先生、必死すぎだけど、まぁ年もいってるし?妄想を現実にするチャンスだし
仕方ないのかな。

ワルターは そんな事はお断りで、自分の手を汚したくないと言って怒って帰る。

この点でも、このワルターに、そんな事頼んだ先生、おいおいって感じ。
そもそも、ワルターが引くのは仕方ない。
だが、手を汚したくない、と言う理由は?何者のつもりだろうか。
この台詞が腑に落ちない。愛してると言ったなら、貴様も男なんだし
先生を具合良くしてみろ。出来ないのだろと言いたくなる。

ワルターに帰られた先生も ここから必死。
まさに、もう、あなたしかいません状態でワルターの下へとやって来るから
その必死さに、普通だったら引く。言っては悪いが、本当うざいとは 
この時のエリカの為にある言葉だと思う。
押し掛けたエリカ、ワルターに強引に迫るものの、口に入れたものに
拒絶反応して吐いてしまう。あーあ。目の前で吐かれたワルター青年がっかり、で
その場は、それでお別れ。いやワルターw吐かれたのはショックだろうが
愛してる人が吐いたのだから、落ち込むのは良いが文句言うなw


そしたら今度はワルターが夜中に、先生宅へ押しかけてきて
まず喧しい母親を強引に寝室へ放り込み、鍵をかけて、先生と二人になる。
なったところで、先生の顔を殴ったり、蹴ったり。
顔から血を流してる先生に、ワルターは男を弄ぶにも限度がある、と言うような
事を言い、とりあえず水を飲む。
恐らく先生はこれまで男に殴られた事は無いのだと思うのだが
ショックなんかで呆然としている。いや、先生望んでたでしょって話だけどw
所詮妄想だから 気付いた時には後の祭りか。
ワルターは殴るのをやめて、先生に伸し掛かって イザ本番となるが
呆然としたままの先生は、ただ、もう、何の反応もなく成すがまま。
ワルターに、反応を求められても、無理。
ワルターは、大丈夫だから、愛に傷ついても死にはしないよ、何て風に
先生を宥める。             あははwこの台詞なんなんだか。

この先生の場合、経験が無い故、スト溜めすぎの環境で生きてきて
何で死ぬかなんか?分からない。まぁでも、そんな事情ワルターには
関係ないしな。彼はやりたいだけって感じするし。
さて用は済みました、と、ワルターは、それではと帰って行く。

次の日、先生は生徒の代理でピアノの演奏会に出なくちゃなので出発。
会場にて、ワルターの姿を探し、彼が現れるのを待つ。
鞄にはナイフを入れている。何でか分からない。ワルターに報復をするつもりか?
一体なんの?昨日のお礼だよみたいな?
ワルターが数人と共に現れ、先生を見つけると、まるで何も無かった顔で
微笑みながら「先生、演奏頑張ってね」と普通に去って行く。
だからワルターは、こう言う人なんですってば。
なんだけど 先生は持ってきたナイフを掴むと、いきなり自分の胸を刺す。
その時、先生の顔が一瞬歪み、ぶすっといくのだけど、歪んだ先生の顔が
マジで怖い。どんなホラーより怖い。
先生は胸を刺したくらいでは死ねないで、何で刺したかも分からんが
ひとまず血を流したまま会場を去って行く、終わり。

え?先生、終るのかw

最後まで、気付かなかったんだけど、最後に先生が顔を歪めて自分を刺した時
ああ、この人ちょっと頭の変な人だったのかぁと分かった。

それまでは割とまあ 妄想に憑かれてる、スト抱えた、おばさんだな、だった。
孤独もあるだろうし、一人よがりな面も見えるが、それ以外の視野も無いと言うか
知らないのかも。

でも、ワルターの方が もっと変な気がする。
先生を追っかけて先生の気を引くために大学に入ってきて
猛烈にアピールする点は若さかしら。だがトイレwwまで強引に追って来るし
人の家にまで強引に付いてくるし、挙句の果てに手を汚したくないと言って
結果的に先生の望んでいた事をかなえようとしたのか?とにかく殴ったりして
先生と寝てる。寝たら冷めたのかな?次の日のワルターのあっさりぶり。
この行動には先生みたいな人は心がついていかない気がする。
先生が多少の変わり者とワルターだって少しは感じられるはずなのに
ワルター、先生の何も見ていない感じがして、彼の何が愛してるか分からない。
でも、こう言う人だからと言ってしまえば そうなんだろうけど。

しかしハードな事をお願いするなら、お互いに話して
「やってみて もし嫌だったら言って、とりあえずやってみよ」で良いんじゃないの?
軽く殴ってみるとか。やっぱり痛いからやめるわーって感じで。
別にハードな事を望むのが歪んでるわけでもないだろうし
未知の世界に対しては、どんな真面目そうに見える奴だって
興味があってもおかしくはないだろう。
ワルターは少なからず女性経験はあるだろうから、先生を上手いこと癒せたら
良かったけど。またはそう言う男性が現れたら良かったのだけど。
しかしエリカの心の中にある妄想はまぁ置いといて、もっと深い闇は
簡単に上手くいかんだろうし。一生物って感じする。

最後の先生の顔がとにかく怖くて><

本編の中ではひたすら、ピアノの演奏が至る箇所で聴かれて
とてもいい。音楽が良いのです。
後、こんな話と言っちゃ悪いが、実際どうでもいい話なのに
割と引き込まれて見れる辺りも良かった。
でも、先生の最後の顔は本当ショックが強いわw