†VENGO†

2011年08月22日 | ■MOVIE

VENGO ※ネタバレ注意

マフィア物だろうと、ぼけーっと、いつもの調子で鑑賞に。
のっけから、これ、音楽物だった?と言う幕開け。
アンダルシアはフラメンコの聖地、らしい。
フラメンコ詳しくない。でも民族音楽は大好きだ。
そんなあたしにとって、冒頭の演奏シーンは最高に良い。
とてつもなくクールなのだ。

 

フラメンコのギタリストで恐らく凄い人なんだろうwと言う
トマティートと言う人。彼はフラメンコギターの第一人者らしい。
映像が、やけに映画と言うよりライブを見てる臨場感に溢れてて
音楽ドキュメンタリーを観てる気分になる。
トマティートが、スーフィの音楽家達とセッションする、と言うこの
タッグ、めちゃめちゃ最高でしょう。
ギター上手すぎやし演奏がセッションやしで、俳優じゃなかったのかと
ひたすら続く演奏を目撃する。
おじいさんの歌声がたまりません。
踊り子の踊る姿が 異常な程カッコ良い。あたしも覚えたいと思ってしまう。
おじいさんの歌に合わせてギター鳴らす、奏者が
ポーカーフェイスなんだけど時々ふと表情を崩しそうな感じが
楽しさが伝わってきてとても良い。見ている方も演奏のシーンは
笑顔になってしまう。一度聴くと頭から離れないメロディだ。

 

で、マフィアの話はどこに行った?と言う事ですが。
主人公カコ(彼もダンサーらしいが踊らない)は、最愛の一人娘を亡くし
兄の息子のディエゴと、その悲しみを分かち合っている。
ディエゴは障害を持っていて、歩いたり話したりするのに苦労するが
彼を溺愛するカコは、ディエゴの為に盛大なパーティを開いたり
ディエゴに女性の世話を焼いたりもする。
兄は、敵対する一家の目から逃れるよう姿を隠していて、
どうやら対立するそのカラバカ一家の長男を、兄が消したと言う事で
恨みを買っているよう。当然カラバカ一家は怒っており、現在は
カラバカ一家とカコの一家との間で不穏な状況が続いている。
過去には、幼馴染であったりする関係で、前の世代の時は仲良くやってたが。

カラバカとしては、兄を消して報復したいと想っており、
兄が姿を見せないのなら、その息子ディエゴが償うべきと考えている。
カコは何としても、ディエゴを守ると決意していて、娘を失った悲しみから
現実逃避するかのように酒を飲んでパーティに明け暮れまくる。
話合をするも、カラバカとは上手くいかない。

だけど、この映画、カコの人生やストーリーの方がおまけ的で
むしろ本編が音楽の方と言う感じなくらい、至る箇所で ひたすら音楽。
その、いちいち出てくる歌い手の歌や演奏とかがすこぶる良い。
皆手拍子合わせて、次から次に踊り始める。
その様子が、そこに参加してるみたいで 本当とにかく気持ちが良い。
これに出てくる殆どの人が踊ってギター弾けて、だから凄いw

一にも二にもパーティでフラメンコな日々が続く。

カコの一家にはトレスと言う、めっちゃ男前の部下がいる。
こいつマジでイケ面で、最高すぎる。
さて彼が、カラバカ一家の連中らに連れて行かれるという事態が。
飲み屋にかけ、緊張しながらも、カコの兄の場所を尋ねられ知らないと
答えるトレス。ま、それならとりあえず、彼を拷問して吐かそうかとは
いかない。何故か椅子に座って「俺はCD出してる」「俺はデザイナー」
なんて話をし始めてwwwトレス、CDをもらって「聴いてみる」www
なんでw

そこへ、カコの仲間の一人がやって来て、よくも家の奴をと
トレスを連れて帰る。何事もなくトレス無事に帰還w

結果的に、カコは仲間を連れ、カラバカ一家の例の殺された長男の
子供の洗礼式へと訪れる。そこでも大概揉める。
カコはカラバカ一家の一人と向こうで二人話合を始める。
話は着かず、結局帰ることにする。
しかし、カコは行って良かった、と言って、途中で、娘の慰霊をまつる
教会で一人、降ろしてくれと言う。教会へ行くのはよくあることだし
仲間は彼をそこで降ろす。一緒に来たディエゴは一人で大丈夫かと尋ねる。
大丈夫と言って降りて行くカコを、トレスが追ってきて、
無言で彼から離れようとしない。何か言おうとしている様に見えるが
その目が強く何かを訴えている。「なんだよ、俺を一人にしてくれないか」
と、カコ、トレスに帰るよう言う。トレスは無言のまま涙をこぼして
車へと戻っていく。

さて カコは教会へは入らずに、真っ直ぐにまた先ほどのカラバカ一家の
集まる場所へと戻って来て、あちらかやって来た、先程話し合いした
一人の男に刺される。ふらふらしながら戻っていくカコ、そのままバタリ。

終わりなわけw

トレスは分っていたんだろうなぁ。ま、カコを消したのだから
カラバカ一家がこれでディエゴを狙うとかは無いだろうし、
でも・・・。カコが生きようが死のうが、話の主役はフラメンコw
最後まで 随所に渡って流れてくる音楽が良すぎで
それが良すぎるから、話自体には そこまで何ともw
皆普段から手拍子とって唄ったり踊ったりばかりしているしw

物語自体は明るい話でも無いし、派手な抗争もないし
ストーリー見るより、演奏や踊りに夢中になってしまう。
だから、音楽見たくてまた観てしまう感じだろうな。