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鼓曲萬来

Meceo Parker

で、本日は今から20年程前の事、鼓絆の最初のtourの時の話、
1996年のドイツメールスJAZZ Fes、
トリはMECEO PARKERのFUNKY STUFF,...
そしてトリ前が我々鼓絆のセットだったんですわ。
彼はGodfather of Soul あのJames BrownのSax奏者でありまして
 
昼ごろから始まった数々の演奏は我々がステージに上がる頃には
もうかなりの盛り上がりを見せていて
大太鼓が舞台にセットされるだけで会場全体が立ち上がっての大喝采、
 
そんな状況の中、で、我々がアンコールを終えて、
汗をふきながら楽屋に戻ってくると、...
椅子になんとあのmeceoがタキシードびしっと決めてsax片手に座っていました。
 
.....しかし当然自分たちの楽屋があるわけだから、
まあ素直に......と思った訳です、
.....私も10代の頃からのバンド生活、その長年の経験の中で、..
いわゆる他人の楽屋
 
つまり出番前後の楽屋の状態はある程度把握しておる次第で、......
まあ、なんと申しましょうか、
修羅場、或いは緊張感でびりびりしている、というのは想像しておる訳です、
 
中には打ち合わせの最終段階、一人瞑想状態なんてのはざらにある訳で、
はっきり申せば、そんなところにお伺いするのも非常識、
おじゃま虫程度に思っておった次第ですな。
 
すると、突然meceoはこう我々に声を掛けてきたんですわ...
「HEY!ナイス!スティックパフォーマンス!!ニューヨークでやれよ!」。
 
そうこうしている間にステージの方は伝説的な方々の演奏がはじまった訳で、
それは楽屋のスピーカーからガンガンに流れてまいりましたわ...
当然,あのMCも客を煽っておる次第で....MECEO!MECEO!...
(だよね、あのJBを彷彿させますな)。
 
「こんなとこで落ち着いていていいのかよ~MECEO!しかも他人の楽屋で...」
私はそう思った訳で(笑)......
当然、楽器等はステージ裏から
どんどんSTUFFによって運びこまれて来る訳ですが、
それもおかまいなし(笑)。
 
するとなんとmeceoはやおら立ち上がって
我々に向けてSAXの歌口を向けて吹き始めたんですわ....
スピーカーから流れる音に合わせて、演奏し始めた訳なんです。
 
いや、なんと、...当然盛り上がりますがな~!!楽屋は~!!。
何分位吹いていたでしょうか(覚えておりませんわ)。
 
で、本日の忘れられない1SHOT!
 
MECEO、いきなりsaxをふきながらステージを指差す、そして我々に向かってshout!...「HERE WE GO!!!」
 
MECEO,ステージに続く階段を演奏しながら昇って行く....。 以上
 
ああ、もう、それから楽屋だ、ステージだ、今はお邪魔かな?...
なんてけちな考えは1996年で捨てました。
 
MECEO! MECEO!!!SHAKE EVERYTHING YOU GOT!

Shake Everything You Got pt1 - Maceo Parker  

追記
その日メールスの会場には6000人の観客が動員され、
演奏に盛り上がっていた。
勿論お目当てはトリのMACEO PARKER、(メイシオパーカー)(SAX)、
土曜の夜ともあって踊り狂おうというのがミエミエである。
そのトリ一つ前が、我々の出番であった。
結成して始めてのステージという事もあって、かなり緊張していたのだが、
その緊張はすぐに解けた。
何故なら楽屋で待機していた我々の耳に、
6000人の大歓声が聞こえて来たからである。
理由は大太鼓がただ堂々とステージに姿を現したからだ。
 
その調子であるからステージは大成功に終わった。
 
そして此のハーレムのFUNKY STUFFの中にも
大太鼓にあからさまに血が騒いだ奴がいた。

黒人ドラマーのジャマール.トーマスである。
彼はこう言って来たのである。
「此のBIG DRUM 幾らですか?私これ買いたい!」
勿論英語だったが、我々も此れを売るわけにはいかないので、
20、000$等と曖昧に答えた。
すると彼はなんとOK、すぐ買うというのだ。
これには慌てた,No!No!等と言いながら、
そそくさとステージの大太鼓をかたずけて貰って、ホテルに戻った。

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