ということで、トムジョーンズの「よくある事さ」.......ですが
Tom Jones, It's Not Unusual, Lyrics
It's not unusualという
これは二重否定って奴ですな
普通じゃ無い事では無いという
即ち普通であるという
まあ、この混沌とした魑魅魍魎闊歩する
現代に於いては、この只聞いただけでははっきりとしない言い回しも
人間関係を円滑にする上に於いては
結構重宝な処もございますが
結構霞ヶ関方面の公用文体で使用される事も多く
若干含みを持たせつつも完全肯定も否定もしない
そういった責任の所在の無い言葉ばかりですと
解かりにくくて困りますな
で、トムジョーンズなんですけど
これは、偏見というのではないんですけど
バンドをやり始めた頃、それは高校生の頃ですが
どうも、バンドスタイル以外受け付けないところがあって
演奏して歌ってなんぼという図式から
当時のTVから流れる海外の音楽番組等をみていても
ピンのシンガーとかが出てくると、男性にしろ、女性にしろ
「早く終わんないかな~」とひたすらに
時間が過ぎるのを待っていた事を思い出します
今でも若干その名残はあるんですけれど
1967.68年位の頃だったでしょうか
乃木坂の降り口のところに「ギロチン」というクラブがございまして
兎に角人前で演奏したかった我々は
週一回そこに出演させて貰う事になった訳です
当時高校生が赤坂のクラブで演奏するには当然のリスクも覚悟したけど
オーナーの「なべさん」の計らいで、早い時間に上がらせて貰う形で
結構長い間出演していた記憶があるんですわ
まあ、そんな自分が「こういうのも案外いいじゃん」と
自分の音楽的嗜好の狭さ、偏りを払拭させてくれた
大好きだったバンドの事を
急に書きたくなった訳で......
それは、その時の対バンの事でございまして
「ダスターポット」という名前で
所謂、コミックバンドって奴ですわ
当時、そういう酒を飲んで踊るクラブでのコミックバンドの存在感は
我々とは随分隔たりがあって
ビートルズ、ストーンズ、キンクスって感じのレパートリーとは違って
そりゃもう彼らのレパは広範囲に渡っていたんですわ
それはつまりトーシローと大人のバンド位の隔たりがあって
演奏やMC,ステージングは本当に穴があくほど研究させて貰った訳です
将来どんなに優秀な音楽学校に行っても、おそらく習得出来ないであろう
本当にくだらなくて、生産性のかけらもない
不埒で、下世話な音楽テクニックの数々
楽屋で聞こえて来る彼らの話は
16,7のガキ共には聞いた事もないような大人の話で
もう、演奏以上にワクワクさせて貰ったのも覚えております
当然、ステージのネタも沢山あって
客も笑ったり、踊ったり、そりゃ、盛り上がる訳です
いや、話はそれてしまいしたが、肝心の演奏の方も
ベースの人のリトルリチャードとかファッツドミノなんかも良かったけれど
トムジョーンズ、アンディウイリアムス、系の
つまり、「嫌いだった系」の曲を
本当に格好良く演奏していく訳ですわ
正直に申しますと、あの頃最も影響を受けたのは
こういった現場でのコミックバンドであって
それは今も何か、どこかにふざけたテイストやネタがあるのが好きな訳で
ダスターポットは私にとってLIVE感覚の
最深部に刻まれたバンドの一つでもあるのです
そろそろ、我が国の音楽シーンに
何かとてつもない領域の
不埒なコミックバンドが一つくらい出てもおかしくないかな
等と、期待感を込めつつ、密かに思う、管理人ではありました
と、本日は「無くは無い」形式の気持ちで書いておりますが
やはり、何かよく解からない事になってしまいました
まあ、とまあれ、私にとってのトムジョーンズ系は
即ダスタースポットのイメージの方が強く
トムジョーンズの誕生日を寿ぐと共に
あの偉大なクレージー、ドリフターズ、ドンキー、その他諸々
各演奏場で輝いていた我が国のコミックバンドの不埒な演奏ネタの数々を
偲ぶ日でもあるのです。
まあ、余談ですが
その後、ダスターポットは名前を変えて
「全日本酒飲み音頭」なんてのをリリース
尊敬し崇拝しておりました私は
「そっちじゃないでしょ、トムジョーンズ系でしょ!」と
なにか、こう、あの頃の感動が大きかっただけに
若干、「嫌いじゃ無くは無い」んですが、がっかりしたのを覚えております。