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鼓曲萬来

王子の狐 Part2

東京はここ数日霧雨と申しますか
雨でもなければ晴れでもないというアンニュイな日が続いております

まあ、和太鼓という特殊な楽器を扱う以上
日本の伝統であるとか、風習等
内包される言い伝え等も勉強する訳ですが

こういったはっきりとしない日には
狐の嫁入りがあると
先達方より教えられている訳でございます

まさか都会に狐が棲息しているとは思いませんが
まあ、そういった日でもございますので
近くのお稲荷様に参拝して感謝を捧げるといった事も大切ですな

で、狐には昔から霊力が備わっておるという事ですが
その霊力にも段階がありまして
一段階昇格するのに約1000年の修行が必要なのだそうです

霊格的に申しますと
野狐(やこ)、管狐(くだぎつね)、飯綱狐(いいずなぎつね)、
白狐、銀弧、金弧、天弧
そのような順になっておりまして
よくなんとか権現、まるまる神社等にその呼称が付くのは
それは即、その祀られている狐の霊格をあらわしているのだそうです

和太鼓の演奏の時に
高い霊格のご加護のもと演奏できれば良いんですが
そうともばかりとは申せませんで
自らの心の在り方によって
なにか釈然としないような状況になる事も度々w

このブログにもそんな事に関する記事も
いくつか書きましたので
改めて感謝を込めまして
再度UPしたいと思います


王子の狐の話

いや~、実は一度だけ「これは」...と思った事があるんですわ
その話を

その当時、実家は室内装飾業、
つまりカーテン屋さんを営んでおりまして
で、ある日親父から、十条の下請け業者のところへ
届け物を頼まれましたんですな

それはランナーと呼ばれる
小さなカーテンローラーのようなもの一ケース
小包みにするのも手間掛かるしって事で
 
まあ、お使いを頼まれても普段は断るんですが
その日はお駄賃欲しさに電車に乗って
東十条なる駅に向かった訳なんです。
 
で、京浜東北線に乗りまして、あれは王子に近ずいた頃でしょうか
車窓から「紙の博物館」なるものが突如として目に入って来たんです
 
いや勿論、今考えればどうしてあんなに行きたい!と思ったんだろう
紙に興味なんか冷静になれば、有る訳はなかったんですが

それが、なんというかそれはまるで竜宮城のようにピカピカに光って見えまして
「どうしてもあそこに行かなくちゃ」なんてふいにそう思ってしまったんですわ
 
もう、その時は誑かされていたんでしょうな、王子駅で下車しまして
車窓から見えた紙の博物館の方向へ向かったんですが
遠くに博物館は見えているんですが
どうしても途中で道が行き止まりになってしまうんです
まあ、何回かトライしましたが
やはり行き止まり
最後はあきらめて王子駅に戻りまして
改めて切符を買いまして東十条駅へ向かったんですが
 
で、東十条駅に着きましたらなんと!ハッと気が付きました
持っていた届け物が無いんですわ・・・・・(汗)うわっ!やっちまった!
 
まあね、どこかにボーっとして置き忘れてしまったんでしょうけど
家に戻って親父に偉い剣幕で怒られましたわ

「あんたなんでそんな紙の博物館に急に行きたくなったの?」
母親にはそう笑われまして
 
そのとき「王子の狐に騙されて持ってかれたんかね~?」という言葉が
妙に心に響きまして
以後、そのような心境になった時は
そのときの事を思い出すようにしております。



王子の狐Part1


そしてこちらは歌舞伎の演目にもございます


とまあ、私なりに狐に関する話を上げたのですが
どうもこのぐずついた天気
コロナ禍ともあいまってシャキッといきませんが
なんとかこの難局を凌いで
カラッとした天気の元
笑顔で再び活動出来るように願っております。

萬来
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