ロートル技術屋の日記

専門家の知ったかぶりは困りもの。 自分も注意しなくてはなりません。

昨日、いつものようにWelcome!スタンプをもらおうとgooのホームページを開いたところ、「あなたにおすすめ」の欄にこんな記事が掲載されていました。


情報元は東洋経済ONLINEです。

詳しくは記事を見ていただくとして、要約すると「テレビに出てくる新型コロナウイルスの専門家と呼ばれている人たちの一部の発言が現場の医療従事者の感覚とかなりずれている」という話です。
現場の人たちから見ると間違っていると思われることが正しいことにされて一人歩きしてしまっているのが危険だ、と私は解釈しました。

発言している人たちは自分の知識に基づいて意見を述べていると思われるのでそれが悪いとは言い切れないのですが、ある意味、「専門家の知ったかぶり」のように思います。
素人である報道関係者が他の専門家の意見を聞かずに一人の意見を鵜呑みにするのは良くありません。
ネットの情報流通が増えたとはいえ、テレビ報道の影響力はものすごく大きい訳で、間違ったことを正しいかのように報道してしまうと取り返しのつかないことになりかねません。

仕事柄、理工系の大学の先生方とのお付き合いがあります。
優秀な先生ほど自分が知らないことははっきりと「その分野は専門ではないからわからない」と言われます。
そう言われた上で関係ありそうな話をされたり、詳しそうな人を紹介していただけたりします。
知ったかぶりをして間違ったことを言った場合に取り返しのつかないことになることがわかっておられるからだと思います。
優秀な先生ほど私のようなごく一部の知識しかない人に対しても真摯に対応してくださります。
それは御自身が持たれていない知識を持っていると認めてくださっているからでしょう。

人から何かを聞かれたら頼りにされていることになるので悪い気はしないものです。
よく知らないことでもついつい、カッコつけて知ったかぶりをしたくなるのもわからないではありません。
しかし、知らないことは「わからない」とはっきりと答えることが必要ではないでしょうか。
ただ、「わからない」と答えるだけではなく、一緒に調べるとか、知っていそうな人を紹介してあげるということをすれば聞いてきてくれた人との関係性を保てると思います。

いるんですよ。
自分が知らないと「知らない」と答えるだけで何の手助けもしない人が。
これは余談です。

周りにいる人は少なくとも何か一つは自分の知らない知識をお持ちだと思います。
皆、先生なのです。
そういう気持ちでいれば知ったかぶりをする必要はなくなると思います。

専門家と呼ばれる人たちも本当は自分が専門ではないのなら知ったかぶりせずに「その事については専門外なのでコメントできない」と発言する勇気を持ってもらいたいものです。

追記です。

1年前にこんな記事が出ているのを見つけました。


「専門家」が専門家ではなかったようですね。

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