ロートル技術屋の日記

自力でバッテリー交換 現代の車のバッテリー交換はバックアップ電源が必須

この記事は長文になってしまいました。

我が家の車は購入してから丸15年になります。
ここまで来ると故障する可能性が高くなるので乗り換えを考えていました。
しかし、思わぬ大きな出費が重なり乗り換えは断念し15年目の車検を受ける事にしました。
ひと月前にディーラーから車検前の無料点検の連絡をもらったので点検してもらったところ、バッテリーが弱っているので交換が必要という診断でした。
交換費用は約20,000円という見積もりになって
いました。
いつ故障するかわからない車にお金を掛けるのは無駄になる可能性があります。
そこで安く購入出来るリサイクルバッテリーを探しました。
リサイクルバッテリーは劣化したバッテリーを特殊な充電方法により性能を回復させたバッテリーです。
当然の事ですが新品のバッテリーに比べれば性能は低いことになります。
そこが不安材料になるわけです。
実は3回前の車検の際もバッテリーの劣化を指摘されました。
その時はヤフーオークションでリサイクルバッテリーを購入して自分で交換しました。
リサイクルバッテリーでも6年もったわけです。
通勤に使っておりほぼ毎日乗っていたのが劣化しなかった要因と思われます。

今回はヤフーショッピングで送料込み3,500円で購入しました。
本来は46B24Lという型番ですが70B24Lを購入しました。
型番の最初の二桁は性能を表していて数字が大きい方が高性能です。
次の三桁が大きさを表していて最後の桁が電極の向きを表しています。
最初の二桁の数字が大きければ互換性があります。

古いバッテリーは自治体では回収してもらえないので処分に困ります。
前回も今回も古いバッテリーを無料で回収してもらえました。
着払い伝票が同梱されて来るので送料もかかりません。
良いことずくめです。

現代の車のエンジンは全てコンピュータ制御になっています。
そのおかげで効率の良い燃焼が出来、燃費が向上しています。
コンピュータ制御のパラメータは走行状況に応じて自動的に学習され最適な条件に調整されて行きます。
自動調整されたパラメータはメモリに保存されています。
また、車検等の整備時に整備士の方が調整したパラメータも保存されています。

パラメータは残念ながら揮発性メモリのRAMに保存されている為、常に電源を接続していなければ消えてしまいます。
バッテリーを外してしまうとパラメータが消えてしまうのでバックアップ電源を接続してからバッテリーを交換しなければなりません。

前回のバッテリー交換時には勤務先にあった12V出力のモバイルバッテリーを使わせてもらって交換しました。
ところがこのモバイルバッテリーはある程度の電流が流れていないと数分で自動的に電源が切れてしまうようになっていました。
これに気づかず作業してしまいメモリのデータが消えてしまいました。

データが消えた一番の弊害はアイドリングの回転数が低くなり不安定になったことでした。
そのまま乗り続けるのはエンストの不安があったのでディーラーに行って状況を説明して調整してもらいました。

この経験から今回は自作のバックアップ電源を用意して交換しました。
使ったのはスマホ用のモバイルバッテリーとアマゾンで安く販売しているUSB可変電圧電源モジュール、整流用ダイオード、赤色LED、電線、大きめのクリップです。

USB可変電圧電源モジュールは基板むき出しでショートする可能性があったので3Dプリンターでケースを作って収納しました。

使用するモバイルバッテリーには注意が必要です。
手持ちのモバイルバッテリーの中にはUSB可変電圧電源モジュールを動かしただけではすぐに電源が落ちてしまう物がありました。
10年近く前に購入していたパナソニックのモバイルバッテリーは問題無く使えました。

バッテリーから電流が逆流してUSB可変電圧電源モジュールが壊れないように整流用ダイオードを出力のプラス端子に接続しました。
流れる電流の目安を知るために整流用ダイオードの先に赤色LEDを接続し、赤色の電線を接続しました。
マイナス側の端子には黒色の電線を接続しました。
電線の反対側にはそれぞれ赤色と黒色の大きめのクリップを半田付けしました。

交換作業です。

まず、バッテリーを固定している金具を外します。


手前のナットを緩めていくと下側のフックが外れました。
(取り外しの際に取り忘れたのでバッテリーは新しい物が写っています。)


ボンネットを支える棒の留め具が邪魔なので外します。



バッテリー固定金具を外します。


用意したバックアップ電源をモバイルバッテリーに接続して電源を入れます。
(出力のクリップをショートしないようにしておきます。)
電圧調整で12Vまで上げます。
出力のクリップの黒をバッテリーのマイナスに繋がっている金具に、赤をプラスに繋がっている金具に接続します。


バックアップ電源に取り付けたLEDが少し点灯するまでバックアップ電源の電圧を上げます。
こうすることでバックアップ電源から車に電流が流れていることが確認出来ます。
バックアップ電源の電圧は14.5Vでした。
逆流防止のダイオードとLEDで電圧が下がるので問題ありません。


バッテリーのマイナス端子からケーブルを外します。
バックアップ電源だけで車に電源供給する形になるのでLEDが明るくなりました。
明るさからの推定電流は数mAと思われます。


バッテリーのプラス端子からケーブルを外してバッテリーを載せ替えます。

新しいバッテリーのプラス端子にケーブルを接続します。

同様にマイナス端子ケーブルを接続します。
この時点でバッテリーから車に電源供給されるためLEDは暗くなりました。


その明るさは最初に古いバッテリーに接続した時よりも暗くほとんど点灯していない状況でした。
交換したバッテリーの方が電圧が高かったようです。

バックアップ電源のクリップを外し、モバイルバッテリーの電源をオフにして片付けます。

バッテリーを固定している金具を元に戻して作業完了です。

エンジンを始動してみたところアイドリングの回転数は落ち着いていて問題ありませんでした。

無事交換完了できました。
バックアップ電源を用意できるのであれば手順さえまちがえなければ誰でも交換出来ると思います。

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コメント一覧

sayusayu_008 りりん
バッテリー交換、農機具や自家用車も自分の家でやってます(私じゃないけど(^^♪)
バッテリーもネットで購入します。
comet3
oiさん
コメントありがとうございます。

確かにエンジンをかけていればオルタネーター(発電機)から電気が供給されるのでメモリーのデータが消えることはないですね。
私の車ではオルタネータやエアコン用のベルトはバッテリーの反対側にあるので巻き込まれの危険性もなさそうです。
エンジンが冷えている状態でバッテリーの固定金具を外してからエンジンをかけて交換作業をすればやけどの心配もないですね。
次にバッテリー交換することがあったら試してみたいと思います。
oi
以前バックアップに失敗しメモリーがクリアされてしまった事があります。そのためバッテリー交換は苦手意識がありました。そんなこともあり知り合いの整備士に相談したところ、エンジンを掛けたままバッテリー交換していると聞きました。慎重に行えば大丈夫みたいですので、次回試してみたいと思っています。
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