(いつもは暗くなってからの乗車です。)
仙台駅を発車すると車窓から西の空が見えました。
山の上に入道雲が連なって見えていました。
夏らしい空です。
山形方面の山沿いは雷雨だったでしょう。
撮影していると新幹線の速度が早く架線を支える電柱が写ってしまいました。
電柱が斜めに写っています。
これはスマホのカメラがローリングシャッターと呼ばれる方式で撮影しているからです。
スマホに限らずデジカメのセンサーでは縦横に光を電気信号(正確には電流)に変換するフォトダイオードが画素数分並んでいます。
並んでいるフォトダイオードの信号を読み出す方式にローリングシャッターとグローバルシャッターの2種類があります。
ローリングシャッターはフォトダイオードの信号を直接順番に読み出します。
例えば画像の左上から右下まで横方向に順番に読み出すとすると最初の画素から少しずつ遅れたタイミングで読み出すことになります。
最初と最後では大きく時間が違います。
ですので動きが早い物を撮影すると歪みが生じます。
グローバルシャッターはすべてのフォトダイオードの信号を一旦信号を蓄えておく素子に同時に移してから、蓄えた信号を順番に読み出します。
昔のCCDセンサーがこの方式でした。
同時に蓄える素子に移すので画像の位置に関係無く同じタイミングで撮影されます。
グローバルシャッターの場合は動きがあるものでも歪みは生じません。
仕事でカメラを購入している商社さんのホームページに解説がありました。
ローリングシャッターは構造が簡単で安く作れます。
グローバルシャッターは信号を蓄えておく構造が必要な分高価になります。
ですのでデジカメやスマホの普及品にはローリングシャッターが、高級品や工業用の製品にはグローバルシャッターが採用されています。
走行中の電車や車から風景を撮影したりカメラを横方向に動かしながら撮影したりすると近くにあるものが歪んでいるかどうかでどちらなのか確認できます。
これはビデオカメラも同様です。
私の手持ちの機材ではミラーレス一眼カメラだけがグローバルシャッターでした。
カメラのセンサーがCCDの時代はその構造上グローバルシャッターでした。
今は裏面照射型C-MOSセンサーが主流になっているので両方のシャッターが混在しています。
裏面照射型C-MOS(BackSide Illumination C-MOS:BSI-CMOS)は感度を上げる為のすごい技術です。
裏面照射型は昔のCCDセンサーの時代からある技術ですが製造が難しく私が知った25年程前はまさか民生用のセンサーに採用されるとは思いませんでした。
(数百万円クラスの工業用ビデオカメラに使われていました)
興味がある方は検索してみてください。
技術の進歩はすごいです。