ロートル技術屋の日記

Canonインクジェットプリンター インクの話

Canonのインクジェットプリンター用詰め替えインクの補充で失敗した話しを紹介しました。


以前から思っていたことを試した結果を紹介します。
それは、ここ15年ぐらいはインクの中身が変わっていないのではないかという話しです。
形状の異なる新機種が出るたびにインクカートリッジの形も変わっています。
しかしインクの色は変わっていないように見えます。
2006年10月発売のMP600のBCI-7シリーズ、MG6130(一時的に中古を使った)のBCI-326シリーズ、MG6330のBCI-351シリーズ、現在使っているTS7330のBCI-381シリーズはどれも同じ色に見えます。

また、エレコムの詰め替え用インクもBCI-326シリーズとBCI-351シリーズ、BCI-381シリーズを見比べても色に違いが無いように見えます。

そこでBCI-381シリーズのカートリッジにBCI-326シリーズのインクを詰めて印刷してみました。
光沢紙に写真を印刷したところ何の問題もなくきれいな画像が印刷されました。
このまま試してヘッドの詰まりや印刷品質の低下が無ければインクの中身自体は変わっていないということになります。
(あくまでもエレコムの詰め替えインクの話になりますが問題が起きなければキヤノン純正も変わっていないと言えると思います。)

以前、キヤノンの社長さんがどこかの取材で口を滑らして「インクで儲けている」と言ったことが話題になったことがありました。
純正インクは本当に高いですよね。
最下位機種などは型落ちのセール品になると本体価格と交換用インクの値段が大差ないというような状況が出てきます。
それでも印刷結果が満足できるので高いと思いながらも皆さん買うわけです。

私は前の記事でも書いていますが純正のインクは高いので詰め替えインクを使い続けるつもりです。
2セットのカートリッジに交互に詰め替えインクを使ってインクカートリッジが劣化してきたら純正インクを購入して新しいカートリッジを手に入れるという運用を考えています。

余談
およそ20年前、キヤノンのインクジェットプリンターを開発している人たちのお手伝いの仕事をしたことがありました。
その時に技術者の方が語っていた究極のインクジェットプリンターはヘッドが動かないプリンターということでした。
A4の場合、短い方の幅いっぱいにヘッドを並べれば紙送りだけで印刷できるという話です。
そのようなプリンターは一般向けには発売されていないようです。
(別のメーカーの特殊な大判用のプリンターにあるかもしれません。)
技術的問題なのか、コストの問題なのか、あるいはレーザープリンターとの棲み分けの問題なのかわかりません。
実現したら振動や騒音などが抑えられて良いと思うのですがどうなのでしょうかね。
紙送りが位置決め(一定量送って静止させるので止まってから印刷すれば問題が出ない)から一定速度での連続送りになるところに技術的な問題が出るということは考えられそうです。

昔と違って新機種が出てもあまり技術的な進歩が無いように思います。
スマホ全盛の時代になり、そもそも印刷する機会が減っているような気がするのでプリンター業界も先行き大変かもしれないですね。

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