COTE D'IVOIRE

アビジャンに住んでいました(1999.3-2002.10)
サイト《象牙海岸にて》の続編を綴ってみます。

モリ・トラオレの世界-2

2005年09月26日 | 文化・音楽・スポーツ
大事なことを書き残した。
《注意しな! 真実をめぐる本物の映像であれ、それは偽りの真実に過ぎない。

敵の姿をつぶさに観察してこそ、人は現状から抜け出す最良の戦略をみいだすものだ。私もその通りにしたおかげで、ついに哀れな者を理解し、愛せるようになった。    エロアール》

彼の言いたかったこと、チャンと冒頭に書いてあった。
原文を探したが見つけることができなかった。


今回の催しは東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所「地域研究による」『人間の安全保障学』の構築」事務局の主催により実現したものと理解しているが、資金は日本学術研究振興会から出たようである。
日本(外務省)は多額の人間の安全保障基金を国連に信託しているが、国際協力の枠でこのような催しがもっとできないものか、単に招聘してご馳走して「さようなら」の国際協力よりも相方に効果のある催しと考える。


注)国名の表示について、
今回の催しでは、『コートディヴォワール』と表記されていたため、これを使用する。
当blogでは一応、外務省にあわせたコートジボワールで表記。
(これもトラオレ氏の言われる文字書式表記による問題の一つ、口でCôte d’Ivoireと言えば済む。)

懐かしい人に大勢会うことができた。

モリ・トラオレの世界

2005年09月26日 | 文化・音楽・スポーツ
モリ・トラオレの世界(コートディヴォワール)
  司会:Mr. I. M.(東京外国語大学AA研)
案内のサイト(しばらくして消える可能性アリ)
セッションテーマ: 《危機と包容、あるいは敵対者への愛を忘れぬこと》

思ったより大勢の参加(200名くらいかな?)に、 近年の日本におけるアジア・アフリカ研究の盛んなことがうかがえた。
いみじくも長年コートジボワールを研究されたH先生が、コートジボワールでこんなに人の集まった場所にゲストで呼ばれるのは初めてとおっしゃっていた。

午後はアダ師匠の素晴らしい、ジャンベとバラフォンで始まり、 次に映画が上映された。モリ氏の話が中心の映画になっており、 そのまま見ると、政治演説か、e-learningのコンテンツのようにも写る。
この点は、上映前に司会者からも説明があった。

モリ氏としても、登場人物を増やすと、現状下では、その人に危害が及ぶかもしれないという配慮もあったとのこと。
私としては、あのような表象があっても良いと考えた。
映画の場合、監督は何らかの映像、音声等を使ってメッセージを伝えるわけで、
モリ氏の伝えたいのが、口承をベースとしたアフリカ文化が、文字を伴った外来文明に駆逐されようとしている、またそのような過去の歴史が続いてきたことをテーマとして、
口承(オラル)の豊かさを訴えたいこともあるわけで、
あのような方法も意味があるのではないかと考えた。
だからこそ、口承で綿々と伝えてきたグリオとの連係が重要であったはずであるが、
私も言いたいことが沢山あってその点をお聞きするのを逸してしまった。

映画のタイトルは『コートディヴォワール、希望の土地』
最初に考えたのはコートジボワール国家の一節、~♪・・Terre d’espérance♪・・~
シニカルなタイトルかと思った。しかしそうではなかった。
現在は最悪な戦争状態でもなく、かといって平和でもない。そのような状況の中で、人々は考え、反応している。
今こそが別次元の世界へと進むチャンスを持っている。そのような見方と理解した。
確かに、そのように見ることもできる。
しかし昨今の状況は、何れの政党指導者も自己の主張を繰り返すだけで、後は持てるパワー(武器と資金と人間)を計算しながら交渉しているようにも思える。人民の蜂起は考えられないのか、、。
真の希望の地に到達するのはまだ時間がかかりそうである。

平和のメッセンジャー

2005年09月25日 | 文化・音楽・スポーツ
コートジボワール国連軍がアルファ・ブロンディを「平和のメッセンジャー」と名付けたとか、
10月30日に予定されている大統領選挙の準備も進んでおらず、元軍参謀長のマティアス・ドゥエはバボに背を向け、各政党の党首は好き勝手なことをいい。
反乱軍にいたっては南アの関与が気に入らんとか、バボの出馬を拒否するとか、、。
この状態がいつまで続くのか。
おまけにJeune Afrique no.2332, du18 au 24 septembre 2005では「ベディエ、大統領を目標」と、見出しがついて、恐そうな彼の顔を載せている。
国連軍とアフリカ連合そして彼らが期待するのが「平和のメッセンジャー」アルファ・ブロンディとなるのだろうか、彼の奇跡を信じたい。

(Jeune Afrique no.2332)