病気から復帰された藤山直美さんの舞台「おもろい女」を観てきました。
昭和初期から戦中に活躍した天才漫才師「ミスワカナ」の物語です。
60オーバーの私でもさすがにその方達の活躍期の事は分かりませんが、
藤山直美さんの舞台なので是非拝見したいと思い、一般発売開始と同時に予約しました。
開演1時間以上前に行ったのに、すでに駐車場に入る車が列になっててちょっとビックリ!
ホールに入るともう大勢の人が来ていて、待合椅子は全部埋まってました。
見回したところ、自分も含めてほとんどが中高年女性。
足が悪く杖や車椅子の人も、人混みや段差くらい何のその、この舞台は絶対観るんだと言うパワーを感じました。
舞台はミスワカナの15歳から亡くなる36歳までを演じられています。
15歳は声のトーンも高くコミカルに、漫才場面では滑舌バッチリの早口で、時に笑わせ、時に泣かせの場面がテンポよく進んでいきます。最後の西宮球場公演後に亡くなる場面は圧巻と言うしかありません。
場面場面で自然に感情移入が出来、理解しやすくとても良かったです。
他の出演者では大阪の興行主役の正司花江さん、80歳を越してらっしゃるとはとても思えない立ち居振る舞いと歯切れのいい台詞で素晴らしかったです。
私の子供の頃、テレビで直美さんのお父さんである藤山寛美さんの舞台がよく放送されてました。
アホな丁稚のコミカルな言動に客席は大笑いし、最後にはその丁稚にホロリとさせられる、そんな舞台でした。
藤山寛美さん亡き後、娘の藤山直美さんが女優さんになられた時、お顔立ち、声の調子、演技の間の取り方がそっくりで、【親子のDNAって凄いな!】と思ったのを覚えています。
今回の「おもろい女」は正に子供の頃に観ていた舞台そのものでした。