イタリア語でマスキアート(Maschiato)と呼ばれています。英語ではベアークロー。
光の加減で模様が浮かびあがります。
表皮側から見てみるとこんな風に見えます。
向って左が表皮がまだ残っている状態、右がカンナをかけて表皮を取り除いた状態です、右側の材にひっかき傷のようなものが見えます。
さらに年輪側から見るとこんなふうになっています。
年輪の中心へ向って「Vの字」が出来ている部分があります。これがマスキアートです。
年輪は、春から夏に成長する部分(春材)はやわらかく色が薄くみえます。
夏から秋に成長する部分(夏材)は堅く色が濃く見えます。
さて、マスキアートがなぜ音響的に優れた材と言われるかといえば、
ある実験によると
普通の材とマスキアート材では表板の縦方向に音を伝える働きはほぼ変わらなかったそうです。
横方向ではマスキアート材が優れていたとのこと。ただマスキアートが在り過ぎると、今度は縦方向の働きが鈍ってしまうので、ほどほどにあるのが良いとのことでした。
顕微鏡でのぞくと「V」の部分だけ細胞が小さくなっています。木の異変です。
この「Vの字」の部分だけ春材に夏材が入り込むことになり横方向にも道が敷かれ、伝達率がよくなるのでしょう。
ただマスキアートがなくても良く鳴る楽器は沢山ありますし、私はプラスαとして好んで使っていますが、職人の中でも好き嫌いは分れます。
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