クレモナ カルテット

チェロの額縁

 チェロのニス塗りも終盤にさしかかり、ここでひと手間をかけることによってぐっと楽器がおしゃれになります。
イタリア楽器の特徴の一つで、私がもっともおしゃれだと思う所です。
楽器のアウトラインのニスを一度落とし額縁のようにする手法です。 
ニス塗りをしていると縁の部分がどうしても塗りムラが出ます。そして楽器全体の印象もボンヤリしたものに。



ここで縁のニスを一度とります。右側が作業後、左側が作業前です。


ニスとり作業完了


ここから縁の部分だけ改めてニス塗りを始めます。ここでイタリア人のセンスを痛感するのはコントラストが激しすぎず適度であることが重要なのです。


今回のチェロはイエロー系です。イエロー系のニス塗りは実は難しいものなんです。
なぜかというと、下地にイエローゴールドを塗りそして色ニスを塗り重ねると飴色になっていきます、黄色に仕上げるにはあまり塗り重ねず、薄いニスの層でかつ塗りムラがないように仕上げないといけないからです。
楽器の色が薄めな色なので、縁のニスもいつもの仕上げよりも少しコントラストがあるように仕上げました。

完成した縁を横から見るとさらに縁の様子が良く分かります。
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