櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

クラスだより・2/23オイリュトミー

2005-02-26 | レッスン・WSノート
 今日のオイリュトミークラスは、音楽をともなった動き=トーン・オイリュトミーの練習日でした。いくつかの基本練習を行った後、ピアニストと一緒に実際の楽曲を楽しみます。いま取り上げている曲は2曲。子守歌として有名な「かなりやの唄」とベラ・バルトークの「左手の勉強」、これはピアノの練習曲として有名な曲集「こどものために」所収の練習曲です。
 楽曲を構成する要素には様々なものがありますが、「かなりや~」では、親しみやすいメロディーをとおして魂と空間の結びつきを、バルトークではひたすら反復される16分音符をとおして時の流れと高まりゆく熱を感じ取ることをテーマに体を動かしています。
 と書くと、気持ちよく踊ってそうですが、実際にはまだ入り口で、踊るために、とても丁寧な作業の積み重ねをするんです!今日やったのは、「かなりや~」ではフレーズ(メロディーを構成するまとまり)ごとの起伏を聴き取る作業。からだを大きく動かしながら、音の高低を確かめたり、音の流れが内向したり外に拡がっていく有様をフロア動線を使っておおまかに把握するところまで。バルトークについては、小節(楽曲の区切り単位)ごとの音符の長さや強さを正しく踏んでいく作業。つまり、からだを動かしながら、(今日のところはギクシャクでもいいから)「フ~ム、こういう感じの曲になるんだろうな~」という感じで、ピアニストと一緒に楽譜を読み込んでいくわけですね。でも、これらの作業をねばり強く重ねながら、作曲家が一音一音に込めた魂を体に刻んでいくと、次第に「響き」そのものが目の前にあらわれたような、有機的な運動が実現されるんですね。

 オイリュトミーは、流れるような柔らかい動きを特徴とする舞踊なのですが、実際にはとても繊細で厳密な型や動線の結びつきで成り立っていて、建築のように構造的な側面があります。
 そのため、音楽を踊るときには楽器で演奏するのと同様な練習過程、ごく大まかに言ってしまうと、楽譜を全部把握して体の動きとリンクさせる作業を行います。早い話がドレミはもとより、和音、音程、リズム、協和・不協和・・・なんでも動いてしまうわけなので、楽曲との付き合いかたも必然的に演奏家のような状態になり、きちんと把握できる範囲の曲でないと大変なことになってしまい、選曲にはそれなりの覚悟がいるわけです。
 もちろん「何小節目のあの音をもう一回!」「あの音ってなんだっけ???」なんていう会話も続出。ゆっくり動いてだんだんテンポに、感情も込めて・・・。なので、生演奏以外では練習不可能。あ~、なんて果てしない作業!でも、そのぶん短い曲でもホント数え切れない発見&気づきがあって、一曲仕上がったときには凄く充実するんです。
 その日を目指してガンバロ~!という、本日のお稽古でした。お疲れさまでした、ホント!
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クラスだより・2/20基礎&ダ... | トップ | 休講のお知らせ »
最新の画像もっと見る

レッスン・WSノート」カテゴリの最新記事