■大人の事情(都合)②
関連項目 ー 黒歴史 ー
黒歴史(くろれきし)
アニメ作品『∀ガンダム』に登場する用語。
作中では、太古に封印された宇宙戦争の歴史のことを指す。
ガンダムシリーズで描かれた物語すべてが含まれると定義されており、『機動戦士ガンダム』の時代である「宇宙世紀」だけでなく、それまでは別系統の異なる世界の作品という扱いだった『機動武闘伝Gガンダム』の「未来世紀」、『新機動戦記ガンダムW』の「アフターコロニー」、『機動新世紀ガンダムX』の「アフターウォー」のほか、以後に発表されたガンダム作品の歴史も含まれる。
原作者の富野由悠季は、『∀ガンダム』において「宇宙世紀」も別作品群の世界の歴史も包含し、「黒歴史」として総称するという新たな視点を示した。
そこから転じて「なかったことにしたいこと」または「なかったことにされていること」という意味のスラングとして使われるようになり、2022年現在では「隠された歴史」という意味でも辞書に掲載されている。
《概要》
「黒歴史」とは、太古の宇宙文明時代に永きに渡って繰り返されていた数々の宇宙戦争の歴史の総称であり、『∀ガンダム』は黒歴史最後の大災害から復興し、数千年余りの時間をかけ、ある程度の生活・文明レベルを取り戻した「正暦」の時代の物語である。
『∀ガンダム』では、黒歴史時代最後のガンダムである∀ガンダムによって地球圏全土にばら撒かれた「月光蝶」なるナノマシンの効果により、人類の文明は甚大な打撃を受け、産業革命以前のレベルまで衰退した文明の様子が描かれている。
『∀ガンダム』監督の富野由悠季は「(「∀」という記号には)“以後”ということも含めてあるので、『∀ガンダム』以降の作品についても認められるようになったわけです。
『∀ガンダム』の時代に辿り着くまでには、あと100本の『ガンダム』を作っても余裕がある時間を作ってある」と語っている。
設定を担当した森田繁はインタビューに際し、各ガンダム作品を一つの世界に纏めるようオーダーされたために作られた設定であり、制作の折には各作品ごとに10000年の時間が経過した年表を製作したとも語っている。
サンライズ監修の漫画『∀ガンダム 月の風』(著者:あきまん(安田朗))にて、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズの「コズミック・イラ」も含まれるとされた。
プラモデル『マスターグレード ターンX』では、『∀ガンダム』より後に発表された『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダム00』、『機動戦士ガンダムAGE』の他、今後発表されるであろうガンダム作品も包含されるが、『ガンダムビルドファイターズ』に関しては除くと思われる、と記載されている。
また、本編中に描写はないが企画の初期段階では「SDガンダムシリーズ」の世界も包括しているという設定も存在し、SD型のモビルスーツが発掘されるという案もあったと言う。
富野は「『∀ガンダム』以後のガンダム作品を描くとしたら、自分で作るつもりです。そうした設定があるために『∀ガンダム』において、ロランとディアナの物語は完結を迎えましたが、ガンダムについては触れていないんです。
マウンテンサイクルという設定も“どこから何年後”という表現を避けるために考えたものなんですよ」とも述べている。
作中で黒歴史を描写する時、決まって流された菅野よう子作の曲も「Black History」と名づけられている。
この曲は本作を象徴する音楽として関連作品でも多く用いられている。
▼『Gのレコンギスタ』における黒歴史
後の作品の『ガンダム Gのレコンギスタ』の時系列は『∀ガンダム』で描かれる「正暦」よりも前の時代に位置すると公式関連書籍などで紹介されていた。
だが後に、富野はトークショーにて『∀ガンダム』同様自身が手掛けた『Gのレコンギスタ』は『∀ガンダム』から約500年後頃を想定して制作したと発言している。
同時に富野自身が単独でシリーズ全体の設定を決定する権限がないことにも触れ、「(公式が自身の見解と異なる時系列を発表していたことについて)それはそれでいいんです」「皆さんなりに“ガンダム全史”みたいなものを作っていたたければいい」と前置きしつつも「その時には『Gのレコンギスタ』の位置付けが、今言った所(『∀ガンダム』⇒『Gのレコンギスタ』)に置いていただけたら嬉しく思います」と述べている。
この発言を受けて、聞き手を務めていたサンライズの小形尚弘プロデューサーは「色々と整理したいと思いますので、来場者の皆さんは今日聞いたことは一旦胸の内にしまって頂いて。
次の何かの機会に、しれっとそうなってる可能性はありますので」と答えた。
富野の構想は、これまで公式が公開してきた時系列の設定(『Gのレコンギスタ』⇒『∀ガンダム』)と異なる上、宇宙世紀を「約1000年前の“前世紀”」として扱う『Gのレコンギスタ』の設定と、宇宙世紀を「約1万年前の“太古”」(『劇場版∀ガンダムII 月光蝶』では約5000年前に変更)として扱う『∀ガンダム』の設定とで矛盾が生じる。
だが富野はその点についても触れ、「その時代その作品ごとの観点から“黒歴史”的に見えているだけの話で、劇中で言われる設定年数は関係がない」旨を述べ、この発言を受けるならば『Gのレコンギスタ』に関しては黒歴史に含まれないことになる。
《劇中での描写》
『∀ガンダム』の舞台となる正暦世界において、黒歴史は月の民たちの間でも限られた者しか、触れることは許されなかった。アグリッパ・メンテナーらメンテナー一族が管理を行っており、「冬の宮殿」において封じられていた。
ムーンレィスと地球の人々との紛争の渦中、月の女王ディアナ・ソレルたちの前で黒歴史の記録映像として過去のガンダムシリーズの宇宙戦争が映された。
作中では、過去のガンダムシリーズと繋がっているかのような文物がいくつも登場する。
また、『∀ガンダム』の時代・正暦2343年は『機動戦士ガンダム』などの舞台であった「宇宙世紀」から約1万年後の物話であることが語られている。
記録映像中では、かつてニュータイプと呼ばれた人々を中心とする宇宙移民者たちは、歴史の半ばで地球圏と袂を分かち、スペースコロニーごと外宇宙へと新天地を求め去っていたことも語られている。
さらに『月の風』によれば、彼らは空間跳躍技術を確立し、宇宙全土を舞台に文明の域を広げ、独自の進化を続けた。ある時期には「超空間交通システム」によって他恒星系移民者との交流も行われていたという。
遥か未来、その彼方の異文明から当時の地球へと偶然漂着したのがターンXであり、自らの意思で外宇宙から地球圏へと帰還を試みた一団が、後のムーンレィスの祖先達だったと語られている。
黒歴史の遺物には多数の技術の情報も残されており、地球の産業革命を志すグエン・サード・ラインフォードはギンガナム側に寝返ってまで、この技術を手に入れようと画策した。
そして黒歴史は紛争終結後にディアナの意向により開放され、民衆の目に触れることとなった。
地球でも黒歴史の一部はマニューピチにてガンダムシリーズの始まりから世界の終わりまでを抽象的に物語ったものとして伝わっている。
地域によっては『機動武闘伝Gガンダム』の劇中の顛末が神話として知られ、「DG細胞災害」という第一級テクノハザードの記録も残っている。
福井晴敏著『月に繭 地には果実』では、「冬の城」のビジュアル・データ室でディアナが明かす黒歴史の範囲は『Vガンダム』までに言及しているものの、それ以降のアナザーガンダム作品については描写がない。
また、映像と共にギレンやハマーン、シャアたちの演説が次々と流されていき、最終的にはファーストガンダムの映画版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』でのララァ・スンの言葉へと結実するという小説版独自の描写が為されている。
U.C.ガンダムBlu-rayライブラリーズ映像特典『機動戦士ガンダム 光る命 Chronicle U.C.』において、∀ガンダムが月光蝶を発動し宇宙世紀の文明を消し去る様子が描かれており、その後GガンダムからGのレコンギスタまでの歴史が続いていっていることがイメージ映像として描写された。
『ガンダムトライエイジ』ではカード内のフレーバーテキストでは、キエルやギンガナムなど∀ガンダムのキャラ達が上記の冬の宮殿の映像や資料の中で『SEED』『00』『UC』『鉄血』など∀ガンダム以降の作品に登場したMSについて言及している。
《インターネット用語としての「黒歴史」》
劇中での描写 黒歴史の遺産 インターネット用語としての「黒歴史」 編集 主に漫画やアニメに属する分野などを中心に、非常に面白くなかったりファンの期待を損なってしまった作品・設定などを指して、「なかった事にしたいこと」または「なかった事にされていること」などの意味で、黒歴史という言葉が使われている。
また、上記から転じて、「自分自身の他人に触れられたくない、あるいは自分でも恥ずかしく思う自分の過去」のことを、黒歴史と言うこともある。
これは俗に言う中二病(廚二病)やヤンキーだった頃の自分や、自作の小説・ポエム・音楽・同人誌などを指すことが多い。
さらには、ベテラン芸能人の若かりし頃のアイドル時代や、子供時代などに太っていた頃の写真なども、よく挙げられる。
当初は、アニメを中心とするサブカルチャーやそれに類する分野を中心に、それらのファンたちにより劇中用語を引用して隠語的に使用されていたものであったが、電子掲示板などで広く普及し、一種のネットスラングとして定着した。
更に俗語として元の由来を知らない人にも、日本語として使われるに至った。
◆暗黒時代
似た言葉に「暗黒時代」があるが、これは小学校~高校時代などにおいて、中~長期間のいじめ・孤立・失恋・失敗などを経験した人が、過去を振り返って使う言葉であり、黒歴史とはやや用途が異なる。
◆商品における黒歴史
2017年には、日清食品が発売当時売れなかった3商品「サマーヌードル」「どん兵衛 だし天茶うどん」「熱帯U.F.O.」を、「黒歴史トリオ」として発売した。
あえて黒歴史と名乗る自虐的な命名がSNSで大きな話題にはなったが、売れ行きはさっぱりであった。
《その他の用法》
英語での "Black history" は『∀ガンダム』とは無関係に同じ意味で使われているほか、「黒人の歴史」を意味することがある。
そのため、英語版『∀ガンダム』では黒歴史の訳語として「Black history」ではなく「Dark history」が用いられる。
なお、中国や韓国などの漢字文化圏では、「黒歴史」の単語がそのまま各国の言語読みで使われている。
北海道の沿岸バスでは、開拓時代の囚人使役・タコ部屋労働や黒いダイヤと呼ばれる石炭を黒歴史となぞらえて、バスツアーを企画している。
関連項目 ー 裏番組 ー
裏番組(うらばんぐみ)
ある放送局の番組と同じ時間帯に同じ地域で受信できる他局の番組。
《概要》
広告による収入を収益源とする放送局において、視聴率確保の観点から裏番組は「競合番組」となる。
ある放送局で高視聴率の番組が放送されている場合、他の放送局が放送する裏番組は視聴率が低下するなどの影響を受ける。
裏番組の状況に加え、録画やオンデマンドによる視聴の増加も視聴率に影響する。
一方の番組を視聴しながら裏番組を録画できる機能を有するテレビやレコーダーなどの機器も発売されている。
▼裏被り
芸能人が裏番組に重複して出演することを裏被り(うらかぶり)といい、同じ出演者が複数の番組に登場することで視聴率が分散してしまう恐れがあるため忌避される傾向にある。
また、帯番組で特定の曜日にレギュラー出演している場合は他の曜日において裏番組に出演することも忌避される。
このため、在京民放キー局5社の編成部は毎月各局同士で連絡を取り合って裏被りが発生しないように調整している。
一方、在京民放キー局とNHKとの間では裏被りの調整はなされておらず、柄本佑が「土曜ドラマ(NHK)」『空白を満たしなさい』に主演した際、3週に渡り裏番組の日本テレビ系「土曜ドラマ(日本テレビ)」『初恋の悪魔』に出演した事例がある。
基本的に重複出演が規制されるのは地上波の全国ネット番組同士や、同じ系列の地上波キー局の全国ネット番組とBS放送局の独自番組との間であり、重複する一方が声のみであっても規制対象となる。
一方日本放送協会(NHK)は地上波とBSも同一法人が運営するため、地上波テレビ番組とBS番組の裏被りが対象となる。
それらの番組の重複が避けられない場合、片方の番組から出演者を退場させるか、放送時間が同じ近接番組と枠交換させるかの何れかである。
一方が地上波テレビのローカル番組や他系列BS・CS放送局の番組である場合は特に規制は見られないため、一部の地域で片方または両方の番組が遅れネットとなった結果、その地域だけ放送時間が重複するケースもある。
テレビ番組とラジオ番組の重複については、ラジオ局は問題にせず、テレビ局は了解を取れば問題がないとされる。
メッセンジャーの黒田有が関西テレビ(カンテレ)の『ちゃちゃ入れマンデー』に出演中、同時間帯にMBSラジオの番組を開始。
MBSはカンテレとの裏被りを承知でオファーを出したが、黒田のマネージャーがカンテレの了解を取っていなかったためトラブルとなった。
番組の重複が避けられない場合は、一方の番組がCMを放送している時間に限って出演させる、或いは該当番組が始まる直前に退席する、番組自体を第1部と第2部に区切って別番組扱いにするなどの調整が行われる。
その他、アイドルグループ・お笑いコンビなどのメンバー同士が同一時間帯の異なる放送局にそれぞれ出演することも忌避されるが、特別番組等で裏かぶりする場合、該当する放送時間に限り該当者が退席する措置を採ることもある。
この他にも渡辺プロダクションやジャニーズ事務所のようにかつては同じ芸能事務所に所属しているタレントであればグループ等に関係なく裏被りを規制していたケースがあったが、現在では両社ともグループ内の規制に留まっている。
また、雑誌掲載作品がテレビドラマ化される際は、同一誌の作品が被らないよう調整されるが、週刊少年サンデーに掲載された『名探偵コナン』と『MAJOR』が同時間帯に放送された例がある。
なお、スポーツがメインのバラエティ番組も出演者に関わらずスポーツ中継と被らないように編成されている。
レギュラー番組を持つ芸能人がその番組の放送時間の裏の特別番組などに出演する際は、時間が重複している番組のタイトルの一部や、タイトルや出演者を想起させるフレーズが用いられることもあるが、「大人の事情」という言葉が特に使用されることが多い。
当該番組の過去の出演者で、それらの出演者が裏番組に出演することになった場合において過去の放送回や他局も含んだ他の番組の映像素材などを使用する場合も例外ではなく、該当出演者の顔にモザイク処理するなどの措置がとられるケースもあり、過去の放送回の映像を使われていない程度であれば、当該出演者を精密な似顔絵に変更することで対処されている。
俳優などがレギュラーのバラエティ番組の裏番組が連続ドラマの主要出演者となっている場合、1クール(3か月間)のみの短期間での出演となることから、その期間だけ休演(一時的な降板)し、期間終了後(または、特定の時間だけ休演後、終了後出演パターンもあり)復帰という事例もある。但し、NHKの朝の連続テレビ小説については、朝のワイドショーもしくは昼のワイドショーに出演する場合は、放送期間中は一時的な降板や15分だけ出演させない措置を取った。
一方、年末年始の特別番組や、特定の芸能事務所に所属しない学者・文化人・実業家などのテレビ番組への露出が多い一般人については、裏番組と重複出演をしても放送局から寛容に扱われる場合もある。
また、スポーツ中継や報道特別番組などの不可抗力による緊急延長や編成で、どちらか一方の番組が通常の放送時間よりも繰り下げられた結果、重複出演となってしまった場合、少なくとも一方の番組が、ニュース・情報番組などの報道目的として取り上げられたものであり、それに伴い、他の番組に出演していた時のVTR素材などが使用された場合など、出演が認められるケースもある。 裏被りの調整は番組の企画段階から行われるものの、様々な事情でスケジュールの調整が付かず、結果放送時に重複出演となってしまった例がある。
一例では2006年(平成18年)1月3日、午後9時からNHK総合テレビで『新選組!! 土方歳三 最期の一日』、午後9時30分からフジテレビで『古畑任三郎ファイナル』が放送された。
両番組は脚本は三谷幸喜が担当しており、さらに藤原竜也と石坂浩二の両名が出演しているという前代未聞の事態が発生した。
放送前にこのことに気づいた両局が調整を試みたがうまくいかず、結局そのまま放送された。
この件についてはフジテレビ側が「調整が間に合わなかった」と謝罪することとなった。
なお、三谷も朝日新聞に連載する「ありふれた生活」において放送前にこのことを告知したうえで、「自分の作品同士で視聴率を取り合うというのは、作者としてとても哀しい。
作品はどれも苦労して育てたわが子みたいなもの。争って欲しくはない。一皿のカレーライスを前に、長男と次男が大喧嘩しているのを、黙って見ているしかない父親のような気持ちだ。
というわけでその日、僕は九時まで細木数子さんを見て、それから犬の散歩に出ます」として両番組とも視聴しないことを予告した。
なお、視聴率は『新選組』が9.8%、『古畑』が21.5%であった。
更には、改変期の放送時間変更に伴い、ある芸能人がレギュラー出演していた番組Aの変更後の放送時間が、その芸能人が元々レギュラー出演している番組Bと同時刻になったために、番組AまたはBのレギュラー出演そのものを降板するケースも度々発生している。
また、複数の放送局が共同で企画・製作した番組の場合、同じ内容の番組が同時刻に放送されることを前提としているため、必然的に当該番組の出演者の裏被りが起きるといった例外も存在する。
(ウィキペディアより引用〕
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