次の質問をした。「空の月」この言葉から連想するのは何か?
「小さい」
「スローで動いてる」
「月をみても正直何もわかりません」
全ての生き物が月の満ち欠かけで日にちを数えた時代に行き、星と共に生活できたなら素敵である。
1日1日が何曜日にあたるかわかるよう七曜によって配列した表冊子がカレンダーで、時計カレンダーに無いのは二十四節気と祝日の名前である。
現代らしくExcelで日付関数と条件付き書式を使った万年カレンダーを作るのも良いが、ここでは時計に組み込まれた永久カレンダー機構を考察する。
時計には何百年もの信頼で採用されているカレンダーが組み込まれている。正しくカレンダーを設定するためには、うるう年からの経過年数の設定をする必要がある。
「閏」というのは、暦の上で1年の日数や月数などが平年より多いことをいう。通常1年は365日であるのに対し、うるう年は366日になるということであるもともとは暦の上の季節と実際の季節とのズレを調節するためのもので、春に潤があるのは農耕暦で、春の始まりの3月(March、3月)が1年の始まりであった。
この意味では「閏」は暦の歴史とともに古いといえる。現在の暦であるグレゴリオ暦になって初めて、うるう日は2月29日となった。
学校では特に地球の自転の動きによる実際の昼夜と、原子時の示す昼夜との間を調節しているうるう秒も勉強する。
人間は、原子核の示す現象に基づく「1秒」時間を確定した。生き物が時間を意識しなくなったのは、時間を決めてしまったからである。
国際単位系で「秒」を定義している「セシウム原子時計」よりも100倍以上精度が高く、時刻のずれは「宇宙の年齢(約100億年)ほどたっても1秒もずれない高精度に時を刻める「光格子時計」を開発し東京スカイツリーに設置した実験もある。
セシウム原子時計の刻む1秒が1秒=「セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位間の遷移により放射される電磁波の周期の9192631770倍に等しい時間」と定義した。定義を組み込んだパーペチュアルカレンダーは「内と外」の飽きさせないための仕掛けづくりも重要である。こんなに組み込まれた時計の修理はなかなか来ないが。
48ヶ月カムと呼ばれる要の部品とカレンダーディスクの溝を30個以上の歯車とレバーが複雑に連動して表示している。400年に数回の調整であるのだから永久的である。
月の動きを再現するのは難しいのである。
知り得ない「月」の世界を以前より意識するようになっていた。数字は刻まれていないが素敵な空の時計であり僕らの生活リズムを作っていた。
時計をアクセントに風景を描けただろうか?
あなたも“歴史を調べる“を習慣にしてみてはいかかでしょうか?
最後まで見ていただき、ありがとうございました!
次回演目『あ行 裏輪列』
登場語録…時計