今日2月の20日は、オルガン奏者のチャールス・カイナードの生れた日だそうなので、彼について少し書いてみたいと思います。
カイナードはリチャード"グルーブ"ホルムズやジャック・マクダフなどに比べると、知名度は落ちるかな?とは思うのですが、ゴスペルっぽく黒い雰囲気は、より強い気がするし、何より印象に残る曲があって好きなのですが。
これは彼の2枚目のリーダー・アルバムで、ギターとドラムスだけが付いたオルガンのトリオですので、ベースはフット・ペダルと手ベースとの併用かな?
ゴスペルっぽいイントロから始まる1曲目「PROFESSOR SOU」も良いですが、私はD.ピアソンの作った2曲目、「CRISTO REDENTOR」が好きで、これはコルコバードのキリスト像を思って書いた曲なのでしょうね、ここでの演奏は多分フット・ペダルでは無いかな?と。憶測ですが。
中には「恋はフェニックス」のようなつまらない曲も入っていますが、アルバムを構成する中ではこうしたヒット曲は必要なのでしょうが…それ以外は満足のいく1枚でした。
この2枚目のアルバムを買ったのは後で、先に求めて気にいったのが、4枚目と6枚目のアルバムを2in1にしたこちらでした。
4枚目となる「REELIN’ WITH THE FEELIN’」はベースが加わり、彼は鍵盤に専念しますが、そのベースが女性にしてレッキング・クルーの主要メンバー、キャロル・ケイ。 そして、サックスがクルセイダースのウィルトン・フェルダー、ギターはジョー・パスと言う豪華な布陣。
端っからゴリゴリとご機嫌なサウンドで始まるのですが、個人的好みは2曲目以降で、キャロル・ケイのフェンダー・ベースに導かれ始まる「SOUL REGGAE」以降の2曲がお気に入り。彼女のタイトな演奏がたっぷり堪能出来るのですが、リズム音痴のベースを弾いていた私にはキャロル・ケイは神様。引き合いに出す話では無いのですが、あの頃のバンドのメンバー達、寛容の心で接してくれてありがとう。
脱線しましたが、6枚目のアルバム「WA-TU-WA-ZUI」では、また編成が大きくなり、彼はオルガンの他エレピも担当、キレの良いギター(メルヴィン・スパークス)のカッティングに乗ってプラスが吠え、オルガンが煽られて燃え上がる様にゴリゴリ…と、たっぷり8分近く楽しませてくれます。
この曲サンプリングのネタとしても人気だったようですが、さもありなんです。
1933年生れの彼は、地元のセントルイスで活動を始め、その後ウェストコーストに移り、多くのミュージシャンと活動を始めたそうです。
これはその頃ソニー・ステット(sax)のアルバムに参加したもので、裏にはステットと並び大きく写真が取り上げられていました。
前後し62年に初のリーダー・アルバムを出し上記の話につながるのですが、その後演奏中に心臓発作で倒れ、まだ46歳で亡くなったのは残念な事でした。
■ 以上、聞きたい365日 第340話でした。