オルガン音楽にはまったくと言っていいほど無知で、そもそも背景となる宗教にも関心が無いのですが、ルネッサンス期のオルガン曲、バードとかタリスを流している時間は結構好きです。そしてメカマニアの要素も少しだけあるのでその構造にも興味が。
それらについて知ろうと思えば、図書館に行くと秋元道雄さんの書いた本など何冊か見つかるのですが、いざ借りて読みだすと、数分でサンドマンが砂を撒きに来るので…
という訳で、少し時間が経ちましたが、先日二回目(多分)になる、大谷大学の学生対象の特別講義が開催され、興味があるので聴講してきました。数少ない私の学びの場です。
今回の講師は24代の専属オルガニスト、ウィリアム・フィールディング氏。
前回の吉村怜子さんの講義はとてもわかり易くて良かったのですが、今回は通訳を経由しての講義。その分30枚ほどのパワー・ポイントを使って補強され、何より呼吸法などまた違う視点の話もあり、初めて知る事も多く大変参考になりました。
例えば音栓(ストップ)には錘が付いている話、ピアノのアクションとは違うのだから考えればわかる事ですが、その分重いのでしょうね?今まで考えた事が無かった。
送風モーターの無い大昔は水力、十五世紀頃は人力で風を送ったそうで (中段左)、21個のフイゴを動かすのに70人が必要だったそうです。(オルガンの規模は不明ですが贅沢な楽器ですね)もし、キタラのオルガンに人力で風を送るとしたら、いったい何人が必要になるのか?
そう考えると、今の送風モーターはどれ位の電気を消費するのか?これからは人力70人分以上の電気を食っていると思い、ボーっと聞いていないで心して聞かなくては…ですね。
演奏も何曲か披露され、中でメシアンの曲では鳥の囀りが表現されていて良い音でした。
学生さんの質問で普段の練習は?とか、電子オルガンについてとか、私にも興味ある質疑応答があり、今回もまたあっと言う間の二時間でした。