昔「11PM」というTV番組があって、番組自体はあまり記憶が無いのですが、流れていた歌には記憶があり、Hurry on down to my house baby Ain't nobody home but me と、この「ハリー・オン・ダウン」という曲を歌っていたのがクロディーヌ・ロンジェ。
オリジナルはネリー・ラッチャーの作/歌で、早く帰ってきてダーリン…みたいな歌かと思いきや、パパもママも留守だから早くお家に来てちょうだい、そして二人でいいコトしましょ…と、ボーイ・フレンドに電話をかけるという内容だそうで。
そんな羨ましい…もとい、けしからん!と言う訳で、47年の発売当時は放送禁止にもなったそうで、考えるとお色気路線の番組 (のはず) に相応しい曲と思いますが、クロディーヌはそこはざっくりと変え、「寂しいから逢いに来て」とカマトト声 (?) で歌います。
私は、こうした儚げなウィスパー・ヴォイスが大好な事は何度か書いていて、台所仕事や入浴中の鼻歌みたいとも揶揄されますが、ほっといて下さい。好きなんですから…
これはクロディーヌ4枚目のアルバムの収録曲ですが、当時の日本盤はこのジャケットの左上に「11PM」の歪んだ時計 (番組バックにあった) を合成し、曲を一部差替え彼女のベスト盤的に発売。私が手にした彼女の最初のアルバムでもありました。後にオリジナル仕様のCDを求めたので、そのLPは手放しますが今思うと残念。残しておけば良かった。
クロディーヌはパリの生まれ。縁あってアンディ・ウィリアムスと結婚、子供をもうけたのち仕事に復帰し、TV番組の主題歌を歌った所をA&Mレコードの目に留まり…と言う経緯だそうで。契約したのがA&Mレコードと言うのは大正解でしたね。この会社の事以前のブログ「思い出のA&Mレコード」でも書きましたが、ライト・ジャズのCTIシリーズのアレンジや、ジャケットの良さも評判になっていた注目の新興レーベルでしたし。
プロデューサーは好きなトミー・リピューマ。アレンジャーはこれまた大好きなニック・デカロ。このアレンジが良い!彼女の声を最大限に生かしたアレンジで、歌とバックの演奏とが一体となった心地よさ、しかしヴォーカルはオン気味で埋もれていなくて…少々贔屓目が過ぎるかも知れませんが、この二人のコンビ最強!良い仕事します。
A&Mでは5枚のアルバムを出し、その後アンディ・ウィリアムスのバーナビー・レコードに移籍するもヒットは途絶えたようで…
97年の国内盤ベスト物の解説の中で、「70年代半ばに夫の愛人をピストルで撃ち抜き刑務所に…」という記述があり、可愛い顔をしていても嫉妬に狂った女は怖い…と思ったものでしたが、実際はアンディと離婚後、同棲していたプロスキー選手を銃弾で撃ち抜いた、それが射殺か?暴発か?は不明のまま、現在は芸能界から退いているという事らしいです。
今日1月29日はクローディヌのお誕生日。
1942年生れと言うから日本風には傘寿を超えて…ですか?なかなか波乱の人生を過ごされたようですが、お誕生日おめでとうございます。どうぞいつまでもお元気で。
以上、旧ブログで2021年に書いた内容を再掲載しました。
【関連の過去ブログ】 2023-08-19 思い出のA&Mレコード