紀州七代大彦の木の家づくり日記

「ここちよく美しい暮らしのために」
和歌山大阪にて「一軒一軒ていねいに150年」家づくりに取り組み続けています

庭を取りこむ

2006年05月22日 | 家づくり。空間の話

私が小さい頃、自分の家で最もお気に入りの場所だったのが”縁側”。

学校が休みの日曜の昼間なんかに、そこでウトウトしてとっても気持ちの良かった事が思い出されます。冬場はポカポカ、夏場はひんやりした板の間の感触・吹きぬけていく涼しい風・汗をすいとってくれる床板、ほんと最高でした。

この”縁”、外部と家内部をつなぐというか、外の庭を家の中に取り込む魅力を持っています。お寺の空間が気持ち良いというのも一つにはこれがありますし、テラスにしろウッドデッキにしろ日常のくらしの一部を外部にもっていけるのは、楽しいことです。

この「庭を取りこむ」手法を、より効果づけてくれるのが「全開放の建具」

普通、お庭に出れる窓・開口部は”引き違い窓”といって、二枚の建具・サッシを交互に引く物で開口部全体の半分しか開放されません。それに対して”全開放”とは、建具が全て壁の中・外に引き込まれ開口部全体が開放されます。

この魅力は実際体感するのが一番で言葉や写真では伝えにくいのですが、庭と家内部が一体になった様で、広々とし大変心地よいものです。実際当社が建てさせて頂くお家の居間等にも、できうる限り採用させてもらっています。(納まり上難しい場合もあるんです)

また「うちは敷地が狭いから庭は無理」とあきらめている方でも、きちんと考えて設計すれば、ある程度の気持ちよい庭はとれますし(敷地が40坪なくても大丈夫)、お隣の借景や遠くの風景を取りこむ事もできるでしょう。

家を気持ちよくする手法は色々あるでしょうが、外部(庭など)を取りこむ手法は非常に有力なやり方だと思います。

家づくりにおいて「便利である」「楽である」のはとても重要ですが、「自分が気持ちよく感じる空間はどういったものか?」を原点にして考えられるべきではないかと思います。

家が完成し実際住みだして、家の中で自分がとっても居心地の良い・気持ちよい場所が一つでもあれば、その家づくりは成功したと言えるのではないでしょうか?

当社紀泉台モデルハウスの居間全開放建具と濡れ縁・庭  

Img_0831 Img_0832                   

 左 建具が閉まっている

 右 建具を開けて全開放 

 Img_0833                          

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