紀州七代大彦の木の家づくり日記

「ここちよく美しい暮らしのために」
和歌山大阪にて「一軒一軒ていねいに150年」家づくりに取り組み続けています

街のつくり手であり続けるということ。

2015年06月05日 | こういう家を造りたい!(大彦の思い)

今日は結構肌寒い一日ですね。


昨日まで暑かったから、、こういう日は危ないですね。風邪などひかれませぬよう、今夜は温かくしてお過ごしくださいね。


さて、今日はちょいと大げさなタイトル。


昨日から今日会社で見かけた風景でふと思ったことです。


弊社は150年以上家づくりに取り組んでおります。その間ずっと「大工さんを抱える店」でありつづけています。お客様から家のご注文(新築でもリフォームでも)を頂いて、お客様と一緒に家づくりをして、そして喜んでもらう。それから後もずっとお付き合いいただきまして、そのお家を直し・関わり続けていきたいと思い、実際そうさせてきてもらっております。


《この辺の思いは、ホームページに「くどく」書いております(笑)》



はい。昨日の朝礼終わりの風景。


この朝礼(うちは、大工さんに合せて7時前が朝礼なんです。ここで皆、今日の注意事項や連絡事項を聞いたり、言ったりしてから各現場へ出ていきます。もちろん大工さんだけじゃなく、設計も監督も一緒です)


が終わり、皆が現場へ行く用意をしているなか、打ち合わせスペースで、うちの棟梁から今日の工事の説明を受けている、うちの若手二人(20歳と21歳です)。


なかなか筋も良く、一生懸命頑張っているから、最近は結構しっかりしてきて色々な所を一人で任せてもらえるようにもなってきています。(もちろんベテラン大工さんのフォローがあってですが)


今世間ではこういう若手大工、当たり前の技術をもった若手大工さんが、非常に数が少ないです。


特に20代などは劇的に少ない。


もしかしたらロボットとか3Dプリンターで随分と楽になる日もくるのかもしれませんが、、、僕はやっぱり大工職人さんは、どこまで言っても絶対必要だと思います。図面を書く人間、話す人間がいくらいても、やっぱり現場で手を動かす大工さんが居なけりゃ話にならないと思うのです。


省力化はどんどんすすんでるし、先ほど述べた技術革新はあるだろうけど、風情を感じさせる様な・日々の暮らしが豊かに楽しくなるような仕事は、結局、経験と腕のある職人さんでなければできないと思います。


また、まだ百万歩譲って新築は何とかなるとしても、古いお家の直しやリノベーションなどになると、もうこれは完全に大工さん職人さんの知恵がなければどうにもならんのです。


と、弊社は思うんですね。


だから、これから何十年とお家のお世話をさせてもらうためにも、技術のある大工さん、そして協力業者の職人さん達を守り育てていくのは必要不可欠。



だけど、大工さんを育てている、抱えている(社員化)工務店は、本当に数が少ないです。大都市圏ではもう少しあるでしょうが、地方では本当に片手で数えられる位です。


それは、皆様の想像通り「経費」がかかるから。厚生年金、雇用保険など、本当にかかりますからね。


だから、街の大工さんに、仕事を下請けしてもらうんです。なら会社の保険はかからないし、それに仕事がない時は、当然その人にお給料を支払う必要はありません。


だけど社員大工ならそうはいかないですよね。


上の写真は、今まで仕事が暇だった時、うちの大工さん達が造った家具(書棚)。


実は、こういうチョコチョコ会社にあります。仕事を造るとともに、技術を磨くためも兼ねて。


《「おっこれいいね!!」と思われた方いらしたら、造りましょうか?安くお売りしますよ(笑)、結構大工さんを抱えてる工務店で家具作って売る所もホームページなどで見かけるんですが、初めはまあこういう事だろうと思います》


これに来週から挑戦するのが、うちの若手大工の一人S君。


なかなか手先が良くて、細かな仕事も上手いから、これに挑戦です。うちの仕上げ仕事するなら、これ位は作れなきゃですから。上手く作れるでしょうかね??


やっぱりどんな世界でもそうだし、特に職仕事はそうだろうけど、一人前に育てるのはそれなりに大変です。


そうやって育ったのを、上手く使っておいしい所だけいただこうとする所もあるけれど、まっとそんな考え方では土台良い仕事はできないから、まあほっとくとして(笑)


これからも良い大工さんを育てていかなきゃですね。


万一、その大工さんがうちには残らないとしても(そういう事もあるんですよ)、地域に貢献できていますからね。


ではまた来週。



和歌山・大阪「心地よい木の家づくり」 大彦(株)


 


 


 


 


 

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