コドク岬に船は来ない
それはこの岬から身を投げた女の呪いだとも言われているし
この地方独特の「もがき嵐」のせいだとも言われている
そんなコドク岬に少女が一人住んでいた
少女も岬と同じく一人だった
いつからとも知れず少女は岬の一番先に小さな小屋を立て
毎日毎日、船が来るのを待っていた
だがコドク岬に船は来ない
毎日、毎月、毎年
いくら待っても船は来なかった
少女は女になり、老女となった
そして老女は死ぬ間際
老いた体を必死に動かし 小さな石の塔を作った
そこにありったけの油をかけて火をつけた
石の塔はゆっくりと燃えた
老女はそれを満足げに眺め
少女の笑顔で死んだ
それはこの岬から身を投げた女の呪いだとも言われているし
この地方独特の「もがき嵐」のせいだとも言われている
そんなコドク岬に少女が一人住んでいた
少女も岬と同じく一人だった
いつからとも知れず少女は岬の一番先に小さな小屋を立て
毎日毎日、船が来るのを待っていた
だがコドク岬に船は来ない
毎日、毎月、毎年
いくら待っても船は来なかった
少女は女になり、老女となった
そして老女は死ぬ間際
老いた体を必死に動かし 小さな石の塔を作った
そこにありったけの油をかけて火をつけた
石の塔はゆっくりと燃えた
老女はそれを満足げに眺め
少女の笑顔で死んだ